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おっさんくんのブログ一覧

2019年11月09日 イイね!

EV/PHVは冬に弱かった・・・  電池温度と出力制限について

EV/PHVは冬に弱かった・・・  電池温度と出力制限について夏に、HybridassistantでOBDデータ取得し、駆動用電池のSOCと放電(力行)電力制限値の関係をグラフにしました。最大68.4kW@soc50%以上、SOCが50%以下では漸減し、最小58kW@soc13%という結果でした。

さて今回、気温も下がってきたので、種々の温度での放電電力制限値がどうなっているのか、取得してみました。

結果;EV/PHVは冬に弱いです!





グラフは、横軸がsoc、縦軸が放電電力制限値です。
図示のように、電池温度がおおよそ30℃を下回ると、温度に応じて放電電力制限値は下がってきます。
グラフの各ラインは、電池温度帯ごとに、socの高い側から低い側に引いています。
運転中、内部損失で電池温度が徐々に上昇するので、電池温度が低い方がSOCの高い側、電池温度が高い方がSOCの低い側です。
外気温と電池温度の関係ですが、おおよそ外気温+5℃~8℃が電池温度となっています。
なお電池温度は、複数あるセンサの最大値が取得されています。

縦軸を拡大したグラフで見てみます。



特に低SOCでは放電電力制限値の低下が大きく、観測した中で最も電池温度が低かった電池温度16℃では放電電力制限値は43kW@soc13%となりました。
これは最大値68.4kWの63%! 性能低下が著しい。

・運転感覚で表現すると、例えばアクセル全開加速では、出だしのトルク感は同じですが、より低い速度で最大放電電力に達するので、加速度の頭打ち速度が早まり、中間加速は物足りなくなるイメージです。
まぁ、普通に走行する分にはあまり違いには気づかないかもしれませんが。。

・放電電力制限値が低下してくると、アクセル開度が大きい場合、エンジンが始動します。
放電電力制限値が60kWを下回る条件でアクセル全開にするとエンジンが始動するイメージがありますが、閾値はまだ正確にはわかりません。

・しかし、電池温度低下時、低SOC条件で放電電力が制限されるのは理解できますが、なぜ満充電を含む高soc条件でも制限が必要なのか?必要性が理解できません。かなり電池を過保護に使っている?

・PHVが最大性能を発揮できるのは電池温度30℃以上の場合のようですので、外気温で言うと22℃~25℃以上の場合ということになります。

これからどんどん冷え込んでくると、どこまで性能低下するのでしょうか??
観測を継続することとします。
Posted at 2019/11/09 09:35:37 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ
2019年11月03日 イイね!

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・要因分析編 

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・要因分析編 冬期の電費悪化(EV航続距離低下)の要因はいろいろありますが、それらの内訳・寄与を試算しようと思います。

・試算条件は、春のベストコンディション条件として外気25℃・空調オフ条件、冬は暖房我慢条件として外気5℃・空調オフ条件と、そこそこ快適条件として外気5℃・最小限の暖房実施条件の3種類とします。
乗車2人、速度は街乗りとして平均30km/hとしました。タイヤはADVANdBV552。(その他のタイヤでも数値の傾向は類似と思います。)
まずは計算式ですが、以前紹介したエクセルツールで計算しました。



・転がり抵抗損失Prですが、先週、気温と転がり抵抗の関係のグラフを作ったので、これから読み取ります。
外気5℃では、25℃時の1.2倍となります。




・補機・空調消費Pauxですが、春のベストコンディション時は、基礎代謝のみで、220W(実測ベース)としました。
冬のそこそこ快適条件時は、運用実績から、600Wとしました。
基礎代謝220W+シートヒータ2席(強:120W)+ヒートポンプ微弱運転想定です。

・電池損失Plossbatですが、Plossbat=Ibat^2×Rdcで計算します。
直流内部抵抗Rdcは先日算出したグラフから読み取ります。外気25℃時0.11Ω、外気5℃時0.21Ωです。
電池電流Ibatですが、RMS値が必要なので実測しました。
HybridAssistantで街乗り走行時の電池電流瞬時値を計測し、2乗平均平方根でRMS値を算出。
測定結果は、平均速度29km/h、Ibat(RMS)=32Aでしたので、この数値を使います。
電池損失は以下となりました。

外気25℃時:Plossbat=Ibat^2×Rdc=32^2×0.11=113W
外気5℃時:Plossbat=Ibat^2×Rdc=32^2×0.21=215W

(※温度は外気温です。電池温度ではありません。朝一起動時の電池温度は外気+5℃程度です。運転中は徐々に上昇しますがこれは計算には入っていません)

電池損失は、冬は春の2倍くらいになります。大きさ的にはシートヒータ(強)2席分くらい、損失が増えます。
この損失で電池が暖まって性能がでてくるので痛し痒しです。





・上記を使って各条件の損失分布を計算した結果が以下です。
左から、春のベストコンディション条件として外気25℃・空調オフ条件、冬は暖房我慢条件として外気5℃・空調オフ条件と、そこそこ快適条件として外気5℃・最小限の暖房実施条件の3種類です。





各要素の損失がどれだけ変動しているか、分析します。





冬の暖房我慢条件では、春と比べて、転がり抵抗損失1.2倍、電池損失1.9倍となり、電費・航続距離は春から16%悪化します。
冬のそこそこ快適条件では、暖房我慢時と比べて、暖房のため補機消費が2.7倍となり、電費・航続距離は春から28%悪化します。
EV/PHVは全体のエネルギー効率が良いので、暖房消費は意外に目立ちます。転がり抵抗損失も同じ構図です。

次に、春のベストコンディションを基準に、冬のそこそこ快適条件での要因別の損失増加分を算出し、全体増加分に占める寄与率を算出します。



寄与率の高いものから、以下となりました。

1位:暖房消費 52%
2位:タイヤ転がり悪化 30%
3位:電池損失 14%

やはり暖房は課題です。最も省エネと思われるシートヒータとヒートポンプの組み合わせでもこれですから、なかなか厳しいです。
タイヤの転がり抵抗損もやはり大きいです。ウエットグリップ性能を確保しようとすると、低温時の転がりは悪化するようで、悩ましいところ。
電池損失の寄与率ではさほどではありませんでした。

EV/PHVは冬に弱いといわれますが、確かに電池の損失増加はありますが、全体に占める割合は14%程度です。残り8割強は、EV/PHVのコアコンポーネント以外の影響です。冬に弱いというのは語弊がある気がします。
もとのエネルギー効率が良いので、これまでエンジン損失に埋もれていて目立たなかった暖房消費やタイヤの転がり抵抗損失の悪化の影響が大きく現れるということのようです。
Posted at 2019/11/03 23:27:09 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月26日 イイね!

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・気温と転がり抵抗の関係

なぜ冬期に電費悪化するのか?・・・気温と転がり抵抗の関係もう秋も半ば、冬まであと少し。。これからは電費も徐々に悪化してきます。
EV/PHVは冬に弱いと言われていますが、なぜ冬期に電費が悪化するのか?
電池の性能が低下するから、タイヤの転がり抵抗が増加するから、と言われていますが、いまひとつ曖昧です。
何がどの程度影響しているのか、定量把握をしていきたいと思います。

前回のブログでは、気温に対する電池内部抵抗の変化と、それによる電池損失を算出しました。電池損失はさほど大きなものではありませんでした。
今回は、タイヤに関して、気温に対する転がり抵抗の変化を算出します。

調査の結果、転がり抵抗は温度により変化するので、タイヤの性能表記としての転がり抵抗の値は、25℃のときの値を使用することになっているようです。計測は20℃~30℃の間で実施することになっており、25℃以外で計測する場合は、25℃での値に換算した値を転がり抵抗係数RRCとして表記しているようです。
このときの換算式が以下です。
出典:JIS D4234 乗用車,トラック及びバス用タイヤ−転がり抵抗試験方法
https://kikakurui.com/d4/D4234-2009-01.html



この式を使って、各タイヤの公称RRC値(@25℃)を使って、0℃~35℃までのRRCを算出してグラフにしてみました。
ただこの式は20℃~30℃の範囲での補正式なので、温度範囲を拡張して使用できるのかどうか議論がありそうですが、今のところ他に情報がないのでやむなしとします。



横軸:温度vs縦軸:転がり抵抗係数です。
タイヤは以下3種類をサンプルとしました。

転がり抵抗等級A:ADVAN dB v552(RRC=8.6@25℃、赤線)・・・現装着
転がり抵抗等級AA:ECOPIA EP150(RRC=7.4@25℃、緑線)・・・純正
転がり抵抗等級AAA:ENASAVE NEXT Ⅱ(RRC=5.8@25℃、青線)・・・低転がり

転がり抵抗係数RRCは温度25℃で定義されていますので、温度25℃のところに各等級の範囲を黄色で示します。

グラフから、冬期(5℃)での転がり抵抗は、気温25℃時の1.2倍くらいになります。つまり、タイヤでの損失が1.2倍になると言うことです。

また、ADVAN dB V552は、カタログ上、ギリギリ等級Aですが、5℃では等級B、0℃なら等級Cの25℃時の転がり抵抗相当に悪化します。恐ろしい!
ちなみに等級AAAのENASAVE NEXT Ⅱは、0℃でも等級AAの25℃時相当に収まっています。

温度に対する転がり抵抗の悪化は、タイヤがゴムでできている限り、原理的に避けられないのかも知れませんが、転がり抵抗の悪化しないタイヤを開発して欲しいですね。

追って、転がり抵抗の増加と電池損失の増加がどの程度電費に影響しているのか、試算してみたいと思います。
Posted at 2019/10/26 16:03:18 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月24日 イイね!

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失

駆動用電池 外気温に対する直流内部抵抗の変化と電池損失朝晩、肌寒くなってきました。
駆動用電池であるリチウムイオン電池ですが、温度が低いと内部抵抗が増えて性能が低下します。
どの程度の抵抗が増えるのか?どのくらい電池損失が増えるのか?を把握するために、19/2月~19/8月の間、こつこつデータ採取しました。

<計測手順>
以下の手順で計測しました。
・数値はOBD2モニタ表示値で確認。
・計測時の電池SOC:40%~50%
・朝一起動時(電池温度≓外気温度と見なす)に計測実施。
・システムオンし、電池電流ほぼ0A時の電池電圧V1を計測。(これを開放電圧と見なす)
・素早く加速し、電池電流Ibat≓100A時の電池電圧V2を計測。
・直流内部抵抗Rdc=(V2-V1)/Ibatとして算出。

<計測結果>
グラフにしました。冬期の気温5℃時で約0.2Ω、夏期の気温30℃時で約0.1Ωでした。冬と夏で2倍の差です。
電池内部損失P=Ibat^2×Rdcで直流内部抵抗に比例しますので、
冬の電池損失は夏の2倍です。



グラフ上のデータを直線(黄色)で近似してみると、
外気温18℃以上では、直流内部抵抗の変化は緩やかですが、
外気温18℃以下では、直流内部抵抗の変化は急になる感じです。

電池損失の一例を計算してみます。

・加速時
ちょっと強めの加速時、電池電流Ibat=100A時の電池損失Pを計算してみます。
冬 P=100A^2×0.2Ω=2000W
夏 P=100A^2×0.1Ω=1000W

夏と冬で1kWの差があります。冬は電池電流を抑えてゆっくり走るのが電池損失を抑えることができてよさそうです。
例えば冬は、夏の70%のIbat=70Aの加速に抑えれば、
P=70A^2×0.2Ω≓1000Wとなって、電池損失を夏のレベルにできます。

・30km/h定速走行時(都市内巡航平均速度想定)
電池出力は2kWほど(走行抵抗+補機400W想定)ですので、電池電圧350Vとすると、電池電流Ibat=5.7Aほどになります。
このときの電池損失Pは、
冬 P=5.7A^2×0.2Ω=6.5W
夏 P=5.7A^2×0.1Ω=3.3W
まあ、2倍の差がありますが、大きさはわずかです。
巡航時の低電流では電池損失が小さいので、夏冬の違いは、誤差の範囲です。


電池損失Pは直流内部抵抗に比例ですが、電池電流には二乗で効いてくるので、こちらの方が影響が大きいです。
冬場は直流内部抵抗が大きくなる分、加速を7割程度に抑えて走行することで、電池損失の増加を抑制することができる結果でした。

Posted at 2019/10/24 21:05:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ
2019年10月19日 イイね!

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 転がり抵抗性能vs電費変化率

EV/PHVのタイヤ選びは慎重に! 転がり抵抗性能vs電費変化率タイヤを変えることでどの程度電費が変化するのか?
ECOPIA EP150とADVAN dB V552以外のタイヤの場合を含めて、汎用性を持って把握できるように、転がり抵抗係数RRCと電費変化率の関係を計算しました。

純正ECOPIA EP150(RRC=7.4)の電費を100%とし、RRCに対する電費の変化をグラフ化します。
100%を超える数値は電費悪化、100%を下回る数値は電費改善を示します。
計算条件は、これまでと同じ、車両重量1650kg、平均速度30km/h、空調補機負荷400Wとしています。
なお横軸には、RRCに対する転がり抵抗等級(AAA~C)を示しています。

計算結果を示します。



電費変化率は、RRCに対して比例関係となりました。
転がり抵抗性能AAAで、最も転がり抵抗係数の低いタイヤ(ダンロップ・ENASAVE NEXTⅡ、RRC=5.8)では、純正比で14%の電費改善になることがわかります。
現在装着しているADVANdB比では24%の電費改善です。
転がり抵抗係数の電費への影響はかなり大きいと思います。電費=航続距離ですので、転がり抵抗性能AAAのタイヤを選択すれば航続距離を大きく伸ばせます。
しかもこのENASAVE NEXTⅡ、ウエットグリップ性能の等級はaであり、なかなかの性能と思います。一度試してみたい・・・乗り心地はどうかな?

5年後?次のタイヤに交換するころには、駆動用電池も若干容量低下して航続距離の低下を実感しているかもしれませんが、より転がり抵抗係数の低いタイヤを選択することで、電池の容量低下による航続距離の低下を打ち消すことができそうです。

留意すべき点としては、同じ転がり抵抗等級でも、RRCが異なると電費は大きく変わります。その等級の上限RRCと下限RRCとでは、電費は10%異なります。
EV/PHVの場合は、もはや転がり抵抗等級は当てになりません。RRCの値そのものの違いを十分に比較する必要があります。

※タイヤメーカのHPには、転がり抵抗等級と燃費変化の関係を示した図がありますが、これはあくまでも、エンジン車の場合の計算値です。エンジン車想定で損失を設定して計算してみましたが、おおよそ合っています。
内燃機関は損失がかなり大きく、相対的に転がり抵抗等級の違いによる転がり抵抗損失の違いの燃費への影響は小さい。



しかしEV/PHVの場合には、以下のようになります。
こういう話はタイヤメーカもわかっているはず。HPに載せておくべき。
一桁違うのだから!


Posted at 2019/10/19 17:38:37 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ

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