
久しぶりのブログであります。
今日はサーキット走行日記ではなく、ウンチクな話です。
最近、MAZDA3、カローラスポーツといった車に、シフトアップ時にエンジン回転数を自動で下げる機能がついていますね。
↓の記事で書かれているようなやつです。
”では、マツダ3スカイアクティブ-Xの6速MTモデルにはどんな秘密が隠されているというのか? なんとこのクルマは、シフトアップ時にエンジンの回転合わせをやってくれているのだ。”
引用元:MAZDA3(マツダ3)SKYACTIV-Xはマニュアル(MT)で乗るべし! その理由は?〈試乗インプレッションその2〉
”シフトアップ/ダウン時に自動的にエンジン回転を合わせてくれるのがiMT制御。アップシフト時は、積極的にエンジン回転数を下げてくれる。”
引用元:新開発のMT、iMTとは? トヨタ・カローラスポーツの1.2ℓターボには、6MT仕様があるのだ!
でも僕は、なぜ操って楽しむMT車に、あえてそんな横から介入してくる機能を持たせるのか不思議に思っていました。
上で引用したようなウェブマガジンなどの記事など読めば、メリットとしてシフトショックが軽減されることが挙げられているのですが、なぜ開発に至ったのかという情報は載っていません。
古いマニュアル車に乗った経験がある方には理解していただけるのではないかと思いますが、元来マニュアル車はそんな制御なんかなくたって、クラッチをラフにつないでも不快になるほど大きなシフトショックは発生しなかったはずです。
で、たまにこのことを思い出してはその度にその理由が知りたくなってモヤモヤするというのがしばらく続いていたので、今回ちょっと時間をとって調べてみました。
結論を先に書いておくと、確かな理由はわかりませんでしたが、エミッション対策のための機能なのだろうと思います。
メーカーの特許に何か書いてあるのではと漁ってみたところ、まず
マツダの特許が見つかりました。これはおそらく、MAZDA3に実装されている例の機能の特許のようです。
こちらにリファレンスとして、
デンソーの特許がリンクされていたのですが、この情報がとても参考になりました。
要するに、シフトアップ時に、
①スロットルを全閉にして燃料カット
↓
②クラッチ&シフト操作
↓
③スロットルを開けて燃料噴射再開
とやると、③で空燃比が大きく乱れ、HCやNOxがたくさん排出されてしまうと。
また、ここで燃料カットをせず噴射を継続したままにすることでその排出量を抑えられること、その副作用としてエンジン回転数が落ちにくくなる(=そのまま変速機に動力を繋ぐと、回転数差により、大きなシフトショックが生じる)といったことが書かれています。
そういえば、自分がBRZに乗り出した時に、シフトアップ時にエンジン回転数が上がる/なかなか落ちてこない現象が気になって調べたことがあったのですが、
シビックFD2でも、アクセルペダルを戻してもエンジン回転数がなかなか落ちない動作をすることと、それがエミッション対策(スロットルを少し開いて燃料を少し吹く制御をしている)ことによるものという情報を読んだ覚えがありました。
ここからは自分の推定になってしまいますが、
冒頭で列挙した車種は、より厳しくなってきた排ガス規制をパスするために、HCやNOxの排出量を抑え込むべく、上記の燃料噴射をより増量する必要に迫られたのではないでしょうか。
そうなれば当然、従来以上に、アクセルペダルを戻した時にエンジン回転数が落ちにくくなります。それではシフトショックがきつい/駆動系に負担がかかるので、回転を積極的に落とすための制御を追加しようという流れになり…
それで開発されたのが掲題の機能ではないかなぁ。
推定でしかないので、詳しいことをご存じの方いらっしゃれば、ぜひ教えてやってください。
最近、新型の86やフェアレディZのMT車が気になっているのですが、僕はクラッチタッチのフィーリングにこだわりがあるので、このへんの制御やドライバビリティがどんな風になっているのかが気になるところです。
早く試乗したいなぁ~!
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うんちく | 日記
Posted at
2021/06/05 10:28:27