オルタネータ交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
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例の「コンフォート機能が使えません」が出て、70キロぐらい走ったところで真っ赤な「バッテリー」マーク表示!
確認は簡単、キーを1つ回してリセットボタンを3回押すと電圧表示がでます。そこでエンジンを始動し、表示が14VぐらいになったらオルタはOK。12VぐらいのままだったらオルタがXです。
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W211に限っては、オルタネータの交換は結構簡単です。まずテンショナーをゆるめてベルトを外す。テンショナーの左側にボルトの頭のようなものが見えます。これを反時計回りに回すとテンショナーが緩みます。画像はベルトを外した状態ですが、実際にはベルトがあるので6角形のものは見えません。手探り作業になります。
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オルタネータを外す前に横にある吸気管を外しておいたほうがいいでしょう。オルタネータは2本のトルクスネジというんでしょうか、それで止まっています。画像では1本しか見えませんが、真下にもう1本あります。
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トルクスを2本抜き、大きめのマイナスドライバーのようなものでこじればオルタが外れます。外れるというより重いので落ちる感じ。落として下にあるなにかを損傷してはまずいので、手で支えるか、ぼろ布かなんかで受けておいたほうがいいでしょう。
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オルタが外れたら後ろの面(母線とコネクタが付いている)が上になるようにその場で回転させます。そこで良く見えるようになったら母線とコネクタを外します。言い忘れましたが、最初にバッテリの端子を外しておいてくださいね。この母線はバッテリと直結しており常時12Vが来ています。母線はナット締め、コネクターはストッパーをつまんで引っ張るのですが非常に固くて難儀しました。
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母線とコネクタが外れたら、オルタを引っ張り出すのですが、冷却水のゴム配管が邪魔になるので、サポートを外してゴム配管をずらしておくといいでしょう。オルタは重いし、隙間は小さく知恵の輪状態ですが、色々向きを変えたりしているとなんとか抜けます。
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こちらがオルタさま。。
8
カバーを外して、
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ボルテージレギュレータも外す。ここまでは簡単。
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ついでにボルテージレギュレータのフタを開けてみました。ICチップのようなものが2個、それを周りの電極に直接ボンディング! こんな構成は見たことがありませんが、黎明期のICチップ?、高温にさらされるのでこのような構成にしているのでしょうか??
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オルタの回路構成はこのようになっていました。スター結線が多いようですがこの人はデルタ結線でした。
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単純な回路だし滅多に壊れそうにないように思えるのですが、アース側のダイオードが全滅でした・・・。アース側のダイオードが正逆双方向に導通があり、完全に導通状態。このダイオード、逆方向に導通してしまうととなりのダイオードとの間に短絡回路ができてしまうので恐ろしいことに・・・。かくして下段のダイオード3個が全滅したようでした。
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ここから先の分解は巻き線のリードやダイオードのリードがカシメてあるのでこれを外すのはやや難易度が高いです。まずダイオードブロックと巻き線を外し、
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さらに下段(アース側)のダイオードブロックを外す。3基ともきれいに焼けてました。
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壊れたダイオードを板から抜くのですが、この板がアルミ製なので、圧入されているとはいえ割と簡単に抜けました。それでも、径の違うナットを組んで万力でエイッと。
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交換用のダイオードは中々見つかりませんでしたが、おとなりの大きい国にありました。1週間ぐらいかな、割と早くとどきました。某エクスプレスさんは親切で、日本に到着した、通関が終わったと逐一連絡が来るので安心です。おまけに非常に安価!
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6個入手。今回はアース側なので黒いほうだけ使用。
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テスターに「ダイオードテストモード」があるので、それをあててみると、「522」との表示が。よくは分かりませんがダイオード部の電圧降下を示す数値らしいです。旧品(正極側)を測ってみると「460」ぐらいだったので、数値が違うのが少し気になりますが、そのまま使用しました。
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後は分解と逆の手順で組み立てればいいだけですが、・・・・・・オルタネータを取付け位置にはめ込むのが非常に固くて、たぶん、皆さんここで難儀するでしょう。。
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これ、実は非常に簡単でした。
分かりにくいのですが、手前側のサポートは中にスリーブが入っていて、これが軸方向に動きます。広めの水道用のプライヤーのようなものでスリーブを手前側に移動させると奥のサポートとのクリアランスが広がるので、それこそ「スポッ」と入ります。後はトルクスネジを締めるだけ。なぜこのような構成になっているかというと、おそらく寸法の小さいオルタを持ってこられた場合に、前後のサポートをボルトで締めこむと、サポートのどちらかが割れます。こうなるとエンジンの主要部交換ですから・・・修理費が非常に高額になり手間もかかる、それを避けるためではと思います。
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それやこれやで無事復旧、と言いたいところですが、実は家族から猛反対がありまして・・・、修理したオルタについて「そんなものに乗れるか」「出先で故障したらどうする」と言われ採用不可。新品(リビルトですが)を付けることになりました。修理したオルタは敢え無く「非常予備」としてお蔵入り。でもいつか必ず試してみるぞ。
それにしてもオルタネータのダイオード絶縁破壊って、あんまり聞きませんが、原因はなんだったんでしょうか。
経年劣化?
どこかで短絡が起きてて過電流?
バッテリ端子を外すときにダイオードの漏れ電流により瞬間的に高電圧の逆起電力が印加された?
オルタの故障と言えばブラシの摩耗やベアリングの損傷ですよね。それらがまだまだ使えるようなのにダイオードが先に逝くなんて??
どなたか詳しい方教えていただけると嬉しいです。
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補足です。オルタネータが発電しない原因として信号ケーブルの断線・接触不良も考えられます。電圧レギュレータのL端子とFR端子がそれで、その確認も実は簡単です。画像20のオルタネータの右上のほうに青いケーブルが2本写っていると思いますが、これがそれです。私はケーブルの被覆を少し剥いてハンダを盛ってテスト端子代わりにしました。エンジンを始動すると両端子とも若干の電圧が出たのでケーブルは問題なしとしました。尚、剥した被覆は丁寧に復旧しておいてください。この2本の信号線はエンジンコンピュータにつながっているので、万一短絡でもすると、エンジンコンピュータがダメになる可能性があり、とんでもない出費になりますから。。。。
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