対向右折車に轢かれて大破した哀れなMT-03 2021に代わって迎えた6代目の相棒。
2022年6月中旬。通勤手段を確保するためにバイクの購入が必要になっていた。
実を言うと事故の治療が終わってないため保険金はまだ決着がついておらずお金があまりない。大破したMT-03からリアキャリアなどの投資品を回収して再利用するためMT-03/25かYZF-R3/25にするべきだなぁと思っていたらリアキャリアは上下方向に曲がっていて再利用はちょっと駄目っぽかった。こうなるとMT-03に拘る必要はない。MT-03に罪はないが事故を思い出すからいったん離れたくなった。安いCB250Rやジクサーにするか?
ところで、対向右折車の運転手はバイクが見えなかったと言っていた。なぜ見えなかったんだろう。
ライトが1つ眼だったからだろうか。動物は動く2つの眼には本能的に目が行くが、1つ眼の生物は地球上には存在しないため、本能的に無視してしまうのかもしれない。2つ眼のバイク・・・フルカウル車がより安全なのかも。
中央分離帯には柵があり、対向右折車は車高の低いスポーツカーだったため運転者の視点が低く、MT-03はコンパクト車体のためよく見えなかったのだろうか。MT-03よりひと回り大きい車体にした方がより安全なのかも。
それと次はオフロードを試したいという心もあったため、ホンダCRF250Rallyがいいんじゃない?と思った。ハイビームをつけないと2つ眼にならないけど。
速度の出し過ぎで事故にあったのではないけれど、なんとなくスピードは求めないバイク選びになった。バイクの加速力のおかげで後続の自動車集団と離れていたため衝突のあと車に轢かれないで済んだので加速力は不要とは言わない。あのとき加速力のないバイクだったらと思うと恐ろしい。でも車集団と一緒だったら対抗右折車は見落とさなかったかもと考えると難しい。
いつもお世話になっているレッドバロンに尋ねてみたところ、昨今の新型コロナの影響と海運の混乱で新車が国内に入って来ずほぼ壊滅状態。注文してもいつ来るのかわからない。MT-03 2022なんてもう6月なのにヤマハのオーダーが始まってない。中古車は相場が上がっていて割高(GB350がえげつない売値に!)。
CRFは絶望的なので他にないか考えたところ、直営店でしか買えないはずの400Xの新古車がたまたま店にあった。400Xはマイナーチェンジ前の話だがNC700Xよりエンジンを回せるというし、デザインもいいし、かろうじて両つま先も着くし、ちょっと重いけど今なら普通なら買えないレッドバロンで新(古)車が買えるのはラッキーかもしれない。
家に帰ってYouTubeでインプレを片っ端から見てみると、「優等生過ぎて刺激がないと感じる人もいるだろう」とかつてNC700Xを降りた理由そのものを言っているモトブロガーがおられた。400Xは危険だ。
他にないか考えているとヴェルシスX250。フォグランプをつければ3つ眼になって目立つし、MT-03よりひと回り大きい。いいんじゃない?
でもこのバイク、ネットの口コミではいまいち評判がよろしくない。私は高回転型エンジンが大好きで、頻繁なシフトチェンジも好きであり、ヴェルシスXはちょうどそういう性格のバイクのようだ。ツアラーにあるまじき性格。いいね、そういうひねくれたところ。
なぜだかネット世界ではそういう性格が嫌いと主張する人が多いように見受けられる。口コミよりも自分の好みを信じることにした。
レッドバロンに聞いてみると、またもやたまたまカワサキからオーダー取りの連絡が来ているとのこと。ここのレッドバロンは「たまたまの幸運」がやたら起こる気がする。店長の巧妙な策略なのかもしれない。
カワサキは新車の入荷数が少ないため販売は直営店のみとなっているはずだが、ヴェルシスXとZ400の在庫をダブつかせたらしく、直営店以外にもオーダーを取りに来ているようだ。じゃあ夏に似合う涼し気な2022年モデルの青白を一つ頼もうか。
という長すぎる経緯でヴェルシスX250が我が元にやって来た。
リアキャリアなど必要品が最初からついているので別途手配する手間が省けて助かる。フォグランプのオプションも付けたのでだいぶ予算オーバー(と感じるけど必要品を追加したMT-03とそう変わらないかもしれない)。
意外と低回転トルクがあってねばる。なかなかエンストしない。また、体感で車体が軽く取り回しが楽で、背高な割にバランスがいいのかふらつきにくいため、低速でトコトコ走り続けることが苦にならない。いいね!
そして慣らし中だけど加速は高回転で引っ張るタイプ。いいね! 好みだ!
どちらかというと高回転型エンジンで低速を重視しようとした雰囲気。
加速は250ccなので力はないが、私が高回転志向になった元凶のホンダビートもそんな感じで、エンジンをぶん回してすごく走ってる感はあるが大してスピードは出てない安全さが良かった。走ってる感が大切。なので良い! 海外仕様の300ccが本来の姿なんだろうと思うと悔しいけど、これは仕方ない。
振動はバルカンSの時にも感じた硬い振動。バルカンのは好かなかったが、こちらは無骨な感じで悪くない。これぞ漢カワサキ(たぶん)。
排気音は回すとなかなかかっこよくて気持ちいい、と思う。低回転のうちはすごくショボい音だがとても静か。9,000rpmくらいになると「ビーーー」になるが、今の時代小排気量2気筒エンジンはどれもこんなもんである。これが気に入らないと公言する人もネットでは多数見受けるが、私はヘルメットの風切り音のやかましさの方が気になり、高速道路ではいつもバイク用耳栓をしているからビーだろうがあまり関係ない(と書きつつ実はビー音は耳栓を通してよく聴こえる)。
エンジンはトルクの谷があると聞いていたけど、谷は感じない。改良されたんだろうか。谷があった方が面白いと思うんだけど。MT-03 2017にも谷はあったが2021では潰されていた。世間一般ではトルクの谷は悪なのだろうか。
曲がらない直進しようとする頑固なハンドリングと聞いていたけど、特に違和感なく倒れてくれる。これも改良されたんだろうか。フロント19インチのせいかスポーツモデルに比べればヒラヒラ感は劣るけど必要十分に倒れると思う。
触った誰もが驚き青ざめる非常に硬い謎のシート表皮だが、乗車姿勢が直立に近いためお尻に体重が集中することもあって痛くなるのは早い。あるモトブロガーの方曰くだんだん柔らかくなってくるとのことなので、それを信じてひたすらお尻でシート表皮を揉むことにする。
アシストクラッチ機能のおかげでクラッチレバーが軽いけど、なんとなくウルトラライトクラッチパーチなどの軽くなるレバー構造(うまく説明できない)で軽くしているような。ライトクラッチパーチは背反としてレバーの引き量が大きくなるんだけど、ヴェルシスXもそうなっているような。軽いことは軽い。
風防性能はうまい具合に風を散らしてあご〜両肩までカバー。両膝も風は直撃しない。十分な性能。ワールドウォーク製「スマートフォンマウンティングバーEX」を付けてスクリーン位置を三段階で変えられるようになったが、これは一番低い位置の感想。さすがツアラーなだけはある。
慣らし期間が終わったら修正、追加します。
(2022.7.24)