以前、自作したスルカゴ仕掛けについて、誰でも検索出来るようにアップしましたが、進化途中だったため、今回は完結編です。
釣りエサメーカーのマルキューが、YouTube動画 九ちゃんフィッシングにて近年、提唱しているスルカゴ仕掛け。
これはそもそも、山陰地方のタルカゴ仕掛けや北九州地方で、主に磯からヒラマサを狙う釣法・ヒラスカゴ仕掛けから来ていると思います。新潟県内の釣具店では、そういった特殊なカゴを手に入れることが出来なかったため、アマゾンで探してやっと手に入れることが出来ました。
まずはそのモチーフとなっているヒラスカゴ仕掛けの説明をしたいと思います。
これが海幸さんの新ヒラスカゴ 小。ヒラスって言うのは、北九州地方でヒラマサをそう呼ぶところから来ているようです。
ステンレスの網カゴとウキが合体しています。ハリスハンガーが標準で付いてるのがミソ。
軽く絞ったオキアミボイルをカゴに詰め、コマセとします。(付け餌もオキアミボイル)
ボイルのオキアミを使う理由は、海面に浮き、漂うということ。普通の冷凍オキアミだと沈下していってしまい、オモリを使わないこの仕掛けに自然に同調させるのが難しくなってしまうからだそう(ハリスの真ん中にアタリウキを付けて、付け餌をわざわざ浮かせる事もあるのだとか)。
ちなみにこういった、カゴとウキが合体した釣具は、他にキザクラや釣研さんからもリリースされています。
赤い部分がウキになっていて、海面に着水すると反転し、コマセをばら撒きます。
と、同時にハリスハンガーに掛けていた付け餌が海中投下。コマセと潮の流れに同調して表層·上層で回遊してきたヒラマサなどの青物がターゲットになります。
仕掛け回収時に水の抵抗を抑えるために、このウキは筒抜け形状をしています。新形状になったヒラスカゴには、50サイズのケミホタルを使うことが出来るようになったそうです。
仕掛け全容写真
ヒラスカゴは全遊動。ウキ止め·オモリは使わない釣法です。
道糸→パイプ天秤→ヒラスカゴ→シモリ玉大→クッションゴム(後のサルカンとの糸結び目の保護目的のため、ウキ止めゴムを代用。ソフトタイプの夜行玉でも良い)→サルカン→ハリス(1.5m〜3m)→針(例として真鯛針12号)
仕様するタックルは、磯竿3〜4号。スピニングリール5000番くらい。真鯛などを狙う遠投カゴ釣りのタックルを想像してもらえれば良いと思います。
以上が、スルカゴ仕掛けのモチーフとなっている、ヒラスカゴ仕掛けの説明でした。
ではスルカゴ仕掛けについてです。
この仕掛けは、磯よりもハードルの高くない、堤防や漁港などで気軽に扱えるよう、ライトにデチューンされた仕掛けになると思います。
デチューンされた、とはいってもヒラマサ狙いほど強いタックルは不要のため、柔らかい磯竿が使えるのがこの仕掛けの醍醐味。
リールとセットで販売されているサビキ釣りの竿(磯竿3号程度です)で全然OKだけど、ベストマッチは磯竿2号。僕はより竿をブチ曲げて引きを楽しみたいため、フカセ釣りに使う1.5号の磯竿を使っています。
ターゲットは中型のアジ・サバ・ハマチ・ソウダガツオ・シイラ・グレ。わりと水深が浅い釣り場なら、上ずってきた黒鯛も狙えるかと思います。
僕が紹介するスルカゴ仕掛けは、自作したものになります。使ったカゴなどはダイソーなどで簡単に手に入れられるものにしてあります。
先ほどのヒラスカゴ仕掛けから、自作したウキカゴを装着しただけ。
玉ウキは、カゴの内側からウキ止めゴムをぶっ挿して固定しただけ。カゴを吊るし上げる部分はステンレス鋼線を折り曲げて作りましたが、5号程度のナイロンラインを結び付けて形にしても良いですね。
コマセは、サビキ釣りに使う冷凍アミエビにお好みの集魚剤や、ヌカ·パン粉などをブレンドすれば良いでしょう。ただし、ヌカ比率が高くなると、コマセのまとまりは良くなりますが、バラけにくくなるので注意。
オススメはマルキューのアジパワーやグレ系の比重の軽い集魚剤。黒鯛用の集魚剤は、海底まで保たせるために比重の大きい砂や貝殻が入ってるため、付け餌と同調が難しくなります。
カゴにコマセを詰める時は、こんなふうにカゴを持ち、ザックリとすくい入れてやるだけで詰められるので、とても手返しが良いですよ。玉ウキの固定部分が、ちょっと強度不足なので折らないように注意。
パイプ天秤を使わない、お手軽バージョンもあるので紹介します。まずはゴムパイプを使うバージョン。
長さは20cm程度の長さがベスト。
ハリス絡みを防ぐためだけなので、長くなると自重で仕掛けが沈んでしまい、コマセと同調させるのが難しくなります。
紹介したゴムパイプは、ダイソー釣り具コーナーにあった、タイラバ固定に使うシリコンゴムを使いましたが、中に道糸を通すのが、引っ掛かってちょっと難しかったです。塩化ビニールやプラスチック樹脂のパイプだったらやりやすかったかも?
次はゴムヨリ取り(クッションゴム)を使うバージョン。やはりこれも長さは20cm程度がベスト。(写真では30cm)
このゴムヨリ取りは、春の真鯛狙いの時に使うためにもともと持っていたもの。
僕がスルカゴ仕掛けで釣りをするなら、パイプ天秤を使うか、このゴムヨリ取りを使うかの二択になると思います。
釣り方について
キャストしたら、道糸をやや張り気味にし、リールのベールはオープンにして、指先で軽くサミングして潮の流れに同調するように少しずつ道糸を出しながら仕掛けを流し、アタリを待ちます。表層・上層を流す釣法なので、フカセ釣りよりも仕掛け馴染みが早く、アタリを待てる時間を長く出来るメリットがあります。
ウキカゴにウキ止めを使わない全遊動のために、アタリがとれるか不安になりそうですが、サミングしている指先にダイレクトに来ます。
魚が掛かると道糸が走るので、九ちゃんフィッシングではこれをラインランと呼んでます。また、掛かる直前にはウキカゴに変化があるので、目安にしても良いでしょう(ただし、小魚がカゴを突付いてるだけの事がほとんどなので、あくまでもアタリは指先の感覚やラインランにし、ウキカゴは目安に考えてください)。
魚が掛かったらベールを返し、竿を軽くあおってフッキングしましょう。
表層·上層に回遊魚が回って来てる状況なら最強の仕掛け。
魚が底付近には居なくて上ずってるような、ハイシーズンによくあるシチュエーションなんですが、柔らかい磯竿をブチ曲げて釣る楽しさを、サビキ釣りを卒業したような、ステップアップしたい方々に知って欲しいですね。
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2024/03/09 16:57:15