
先日からいろいろと考えていたのは
コレのついでに何かプラスアルファできないかな
というところでした。
結局お金の問題で何も出来ませんでしたけど・・・(^^;
ということで
数年前から、というか
BNR32購入時から考えていたけれど
資金的な都合がつかずできなかった
BNR34リアメンバーの移植完了!
BNR32のリアメンバーは
アンチスクワット(スクゥォート,スカットとも)を発生させるため
ロアアームが前上がりになっています。
しかしそのアンチスクワットが過剰であるため
逆に、地面へタイヤを押し付ける力が弱くなってしまい
トラクションの不足を招いています
新設計であるBCNR33~BNR34リアメンバーでは
ロアアームはじめ
ジオメトリ位置が変更となっており
この問題が解決されています。
ならばと
既にS13や180SX等では常套手段となっている次世代車リアメンバー移植を
BNR32にもやってしまおう、と、数年前に考えたのが
山梨県のカーショップポルシェさん。
http://www.polsche.com/
溶接や金属接合等で
車にストレスを与えることなく、純正+αで自然に
リアメンバーを移植しようと考えたことから、
ジオメトリ位置計算やブッシュ設計から始めたそうです。
C.S. POLSCHE オリジナル リヤメンバー変換ブッシュ
http://www.polsche.com/message/bush.html
ちなみに
上記紹介ページの写真はVer.1。
近年はさらに
オリジナルリアメンバー変換ブッシュ Ver.2
が開発されました。
具体的な変更点はメンバー搭載位置の変更。
(Ver.1と比較して上へ20mm程度搭載位置が上昇)
ロールセンターアダプター等を使用せずとも
(走行性能を失わない程度の)大抵の車高ダウン車両であれば
ロアアームが地面と水平程度に落ち着くようです。
後輪の動き方の純正進化を取り入れ、
さらには、ロールセンター位置を修正。
ということで
これは、やるしかないよね!
以上、ステルスしてない露骨な紹介です(笑)
今回、この変換ブッシュVer.2を使用して
BNR34リアメンバーを取り付けていただきました。
(追記)
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取付けについては
日産車の寸法公差によって個体差がかなり大きく
車の計測からスタートします。
このためブッシュのみの販売は出来ないとのことです。
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で、結局のところ
この変換ブッシュを使って
BNR32にBNR34のリアメンバー載せたらどうなるのさ?
ということ。
実際、既に、今や、チューニングショップであれば
「やっているところでは、やっているメニュー」でありまして
(変換ブッシュでやってるところはポルシェさんだけだと思いますが)
効果は証明されているわけですが
あんまり書いてるひといないので
僭越ながらインプレ書きます。
まだ街乗り状態のみの感想ですが。
簡単に言うと、街乗りでは
リアの剛性が上がり、さらに
ステアリング操作に対して後輪がスルッと反応します。
なにを言ってるのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった・・・(ポルナレフ
リアメンバーを移植して初めて実感したこと。
BNR32のコーナリングで「曲がらない」と思う原因のひとつに
リアの追従性の悪さが上げられると思います。
ステアリングを切る
→前輪は曲がろうとする
→後輪は曲がらない
→後輪がまだ曲がらない
→後輪曲がり始める
→後輪に力を加えすぎるとトラクション抜け、スピンモード
このコーナーイン時の「引っかかり感」が
BNR34メンバーに変更することで、なくなります。
街乗りでも体感できます。
「ハイキャス止めてあるのに
後輪が動いてる気がする」
くらいに、横への動き出しが早くなります。
(早く、といっても滑っているわけではありません)
なにこれ気持ち悪い
と、正直、思いました(笑)
でも、「引っかかり感」はないのに
剛性感はがっしりとアップしています。
今回、リアメンバーブレースも同時に導入したため、
その効果もあるとは思いますが
ロールセンター位置の修正によるロール剛性向上という点からも
剛性アップを感じられるのだと思います。
街乗り程度ではこんなところです。
今後 サーキット走行で予想されること
予想ですが
自分は上記の「引っかかり感」がBNR32の、
「どアンダー感」
の原因なのではと考えました。
引っかかり感(アンダー)→トラクションかからない(オーバー)
引っかかり感の原因もメンバージオメトリー、
トラクション不足の原因もメンバージオメトリー(アンチスクワット)
と考えると
BNR32の弱点の大要因
=BCNR33、BNR34への進化のカギ
=リアメンバー設計
と言えるのではないでしょうか。
ということで、メリットから浮かび上がる
サーキット走行でのリアメンバー移植の効果は
「ターンイン速度が上がる!」
「コーナーにおいてのギクシャク感が薄れる!」
「トラクションかかって脱出速度が上がる!」
「総合的にコーナリング速度が上がる!」
・・・といいなあ(笑)
すべて予想とか推測なので、
結果感想は次回走行後に再度インプレできればな、と。
(ちなみにBNR34フロントメンバー流用に関しては、
搭載位置の関係でリアほど大きな効果が見込めず、
費用対効果を考えるとあまり良い結果が予測されないとの事で、
推奨できないとのことです)
(追記)
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サーキットでの効果はほぼ上記の通りでした。
荷重をしっかりと乗せてもスコーンと横に抜ける事がないので
アクセルをより早いタイミングで踏み込めるようになります。
また、滑る・滑らないの境界が唐突に現れないため、
限界域のコントロール性が上がります。
ややスライドさせつつ、前輪で引っ張ることで
安定したコーナリングが可能です。
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以下、個人的な見解の余談。
BNR32グループA時代。
トラクション抜けのオーバー、スピンモードが抑えられないため
グループAアテーサの仕様は市販車とは全く違ったものとなっていました。
後輪がスピンモードに至る前に、スロットル信号を利用して
前輪駆動率を無理やり上げることでバランスを取る、というものです。
(「GT-Rレース仕様車の技術開発」他より)
(追記)
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グループAの中でも少なくともニスモについては
4チャンネルのアテーサセッティングを使用していました。
その他にもBeeRさんのアテーサコントローラーに見る、
速度制御による4WD解放方式のアテーサも存在しています。
また、N1では、
TSダンサーによる手元操作でのフル4WD操作(違反)も横行していたようです。
これは、BNR32のリアメンバーではスピンモードが抑えられず、
「タイトコーナーブレーキングによってコーナーを犠牲にしても、
我慢して4WDの加速を重視した方がタイムが出る」
との結論によるものと考えられます。
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自分は、BNR34メンバーを移植することで、
グループA時代では成し得なかった
高次のバランスが可能なのではないかと考えています。
つまり、
アテーサコントローラー等で
ムリに前輪駆動率を大きく上げずとも、
スピンモードにならない
=前輪駆動率を無理やり上げないため、タイトコーナーブレーキング等
前輪駆動を増幅することで発生する弊害が少なくなる
BCNR33やBNR34の次世代車にとってはフツーのこと(笑)ですが、
BNR32にとっては画期的な、別次元(次代)への進化だと思います。
BNR32でグループA時代の動きを超えるって、
なんだかロマン感じませんか?
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20140305追記
リアのアンチスクワットが過大になりすぎると
逆にアンチスクワット効果が発揮されず
駆動力が逃げていくことがあります
参考リンク
http://mameshiba198.blog129.fc2.com/blog-entry-541.html
>一番効率よく押し付けるためには、リアタイヤの接地点に向けてアンチスクワットが働くことが必要ですが、これは、作用点であるドリブンスプロケット上端とリアアクスルを結んだ延長線上に接地点があるときです。
スイングアーム垂れ角が過剰になると、先の延長線は接地点よりも前方に接地するようになりますので、アンチスクワット効果が薄れ、これによってトラクションが抜けるのではないかと思います。
34メンバーはアンチスクワット効果を適正にすることで
タイヤをしっかりと路面へ押しつけ、トラクションを掛けることができるようです。
アンチスクワットというから
沈みこみを抑えるものだとばかり考えていたのですが
決して沈み込まないわけではなく、
むしろタイヤにかかるトルクを
路面に「押しつける」方向へ作用させるのが
アンチスクワット、ということになるわけですね
また、立ち上がり時のオーバーに関しては上記トラクション抜けが原因ですが
コーナー入り口のアンダーに関しては
前後ロール剛性差も影響しているのだと思います。
34メンバー取付けのブッシュ、
さらにリアメンバーブレースを装着することによって
リアのロール剛性が上がり、
それが強力なアンダーを解消しているのだと思います。
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20191225追記
CSポルシェさんで交換の際には(企業秘密あり)
ついでにBNR34のNismoアームも使用してください。
世界が変わります。
BNR32の動きが現代の車のような機敏さになります。
リアメンバー流用だけでも効果はありますが
ホント、アーム交換もおすすめ。