Microsoft Windows 95

Windows 95 が発売された頃の話です。当時は会社も家庭もワープロ全盛時代でした。私の会社では罫線の得意な「富士通のオアシス」が仕事のほとんどの部分を占めてました。そんな時代です。そんな時、家内の弟が私の長男にって名目でノート・パソコンをくれたのです。

IBMのシンクパッドという機種でした。当時の価格で38万8千円、B5ノートで256色 7.8インチDSTNカラーLCD液晶、CPUはインテルの486DX2-50MHz、メモリー最大20ＭＢ（12MB内臓）、ハードは540MB位だったでしょうか。CDは外付けでSCSI接続でしたね。

OSは発売されたばかりの「Windows 95」をインストールしてくれていて、まさに最強！豪華マシンだったのです。元々は「Windows 3.1」というDOSまんまのOSが入ってたのですが、無理矢理のバージョン・アップ仕様で、初心者にも扱い易いようにGUI環境を提供してくれたのでした。

私にとってもパソコンは未知の代物でした。と同時に好奇心を満足させる宝箱のような存在だったのです。その頃、「DOS/V USER」その他のＨ動画やH画像のCDを同梱した雑誌が流行ってました。例外になく私も、そのＨ動画やＨ画像見たさに購入して視聴して楽しんだり、中に入ってるゲームや体験版ソフトを試したりして有意義に楽しんでいたものです。

大した知識もないままにインストールしては不要になったら、即！ゴミ箱という恐ろしい状況を繰り返していました。そのうち、当然ですが、来るべき時が到来したのです。ある日、末娘が突然、こう言ったのです。「お父ちゃん、絵が描けん！」と。我家に初めて来たパソコンです。当然、家族みんなの共用物でした。

末娘はWindowsのペイント・ブラシで絵を描いて楽しんでました。私は、そんな訳はないだろうって感じで、ソフトを起動しようとしても起動出来ないのでした。というよりも色が失われているのでした。そのうち、CDも認識しなくなりました。

もう愕然としました。安易に捨てていた様々なソフトが、Windowsの重要なファイルと連携されてて、共有ファイル化してた現実を知る事になったのでした。そんな重要なファイルを正規の手順を踏まずに捨てていたら、おかしくなるのは当然でした。

それからです。その失ってしまった重要ファイルを復活させる闘いのスタートは・・・。 今なら、簡単にバック・アップCDからリカバリーさせれば良いと考えることが出来ますが、そのパソコンはCDも内臓ではないので、CDの認識からの険しい道のりなのでした。

当時、会社にはパソコンに詳しい人は2人しかいませんでした。私はその2人に無理矢理にお願いしたり、パソコン雑誌と向き合っての悪戦苦闘の日々が続いたのです。かなりの時間と日々を浪費した私は、結論としてCDからの上書きインストールは断念して、本来、パソコンに内臓されているフロッピーから上書きインストールをしてパソコンを復旧させるというスキルに辿り着いたのでした。

そのためにフロッピー版の「Windows 95」を購入する羽目に陥りました。それも、購入段階で当時、NECの提唱してた「98アーキテクチャー」の紛らわしいWin95に惑わされて、うっかりNEC98用の方を購入してしまいます。

間違ったと思った段階では、開封した後だったという最悪の状況でした。やむなくDOSV用のWindows 95を購入し直す事になりました。もう最悪でしたね。おかげで、悩んで試行錯誤した時間は無駄にはなりませんでした。その後のパソコンの組み立てや様々な挑戦に生かされはしましたが、悪しき黒歴史には違いありませんね。