
当時、関東に出張するたびに「秋葉原」に出かけたものです。千葉県の五井に赴任していた時のことです。休日になったので、いつものパターンで秋葉原に遊びに行くことにしたのです。秋葉原に到着して、いつものようにブラブラしてたところ、秋葉原では珍しい風景を目にしたのでした。
秋葉原の商法は決して勧誘をしないこと。ましてやチラシを配ることもしないと言うのがセオリーだと思っていました。客に質問されたら、初めて答えるといった受身の商法だと認識していたのでした。しかし、その店はチラシを積極的に配り、客を呼び込んでいるのです。
そのチラシは「ショップ・パソコン」つまり各店舗で組んだ自作パソコンの販売です。パソコンはDOSV形式である限り、それは素人でも組めるレベルのプラモデルみたいなものです。ただ、個人が組むと割高になる為に、大量に部品を購入してコスト・ダウン図った、いわゆる「ショップ・パソコン」は全盛期を迎えつつある頃だったと思います。
チラシの内容は当時、インテルの対抗馬で急浮上していたAMDのK-6と言うCPUを搭載した、クロック233MHzの強力モデルでした。さらにビデオ・カードにMatroxのミレニアムと言う当時では、その美しく繊細な描写で有名だったパーツを余す事なく使用した魅力満点の内容でしたね。
しかも価格が驚異的な超破格なプライスです。チラシに誘われるままに雑居ビルの狭い階段を登っていきました。店舗は狭小スペースでしたが客でひしめき合っていましたね。そこに、偶然、とあるメディアの取材申し込みが来たのでした。
無名ショップであれば、喉から手が出る程に嬉しい取材の申し込みでしたが、店長らしき人物が、それを無下に断りを入れていたのでした。断固として固辞してるのです。その時は、変わった店だな?という感想でしたね。結局、私もその誘惑に負けて購入してしまいました。
とりあえず五井のの旅館に宅配してもらうことにして店を後にしました。それから別の店でも15インチのブラウン管モニターを購入して、それは自力で持って帰ることにしました。苦労して旅館に戻り、翌々日に到着したパソコンと組み合わせて部屋で至福の時間を過ごしたものです。
その後、システムのエラー等で、その店のサポート・センターの人と電話でやりとりをしたのですが、かなり後になって、そのパソコン・ショップが実は「オウム真理教」のパソコン・ショップと判明したのです。パソコンの名前は「Trisal=トライサル」と言う、如何にも怪しげな名前でした。当時は全く持って名前に興味はなく無頓着でしたね。
その後、オウム真理教製のパソコンと判明した時には、内部に洗脳するツールが入ってるんじゃないの?と随分と揶揄われたものですが、その頃には既に部品を総入れ替えしていたので、有り得ないですね!と躱していたものでした。今では、人件費の掛からないパソコンだったから、あれほどのプライスが可能だったんだなって思いますね。
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2019/06/14 15:00:51