
満を持して挑んだアマチュア無線のFT8(世界的に大人気のデジタルモード)で、予期せぬエラーにより玉砕した私でしたが、その原因に思い当たるところがありました。と言うのは、デジタルモードが単純にUSBケーブル1本で無線機とパソコン間を繋いで行うものであり、詳しくはデジタルモードの仕組みを理解してる訳ではありませんが、オーディオデバイスが大いに関係するシステムであったからでした。初期の調整では今回の様なエラーは出なかった事から、後半にインストールしたソフトに起因したエラーではないか?と踏んだ訳ですね。
そこで、先ず最初に疑って掛かったのは、連携ソフトである「JTAlert」のインストール過程で、ネットの説明にあった「インストールすると便利」と言う文言に踊らされて、何も考えずに組み込んでしまったサウンドソフトに着目しました。このソフトをインストールすると、自分がターゲットにする地域であったり、特定の局が現れると音声で知らせてくれると言う機能を有する便利なものでしたが、その時点の私の考えは、このサウンドソフト関連のファイルとFT8のサウンド関連ファイルがぶつかってエラーを引き起こしているのでは?と思ったからでした。
そこで、Windowsの設定から思い切ってサウンドソフトを削除する事にします。これが「JTAlert」の本体をインストールする過程で、自動的に組み込まれるものであるなら、JTAlert自体を諦めざる得なかったのですが、後からインストールした単独のソフトでしたから、削除する事には基本的には躊躇はありませんでした。しかし、何か勿体無いなぁと言う気持ちが動いた事も事実としてありましたね。サウンドソフトを削除した私は、自宅ではアンテナ端子にはダミーロード(アンテナの代用)を挿して実質的な調整は不可能にも関わらず「これで万事上手くいく」と言う確信めいた考えに支配されていました。
3月17日の昼食後に準備をして向かった先は、割と近くにある高台に位置した「竜王公園駐車場」でした。実は20年振りにアマチュア無線で声を出したのは、自宅のWi-Fiを利用したデジタルモード「D-STAR」でしたが、実際に電波を出してアマチュア無線局として20年振りに交信したのは、この竜王公園駐車場でした。同駐車場では最初こそアマチュア無線の交信で利用してましたが、最近ではFT8の調整のみで利用する機会が増えていました。(従って、3月は前半以降D-STARを含めてアマチュア無線局としての運用はしていません)この日、運用を予定していたのは40mバンド(7MHz帯)の国内向けだったので無線機の出力も5ワットと抑えました。
いつもの様に無線の準備を始めた私に、それも、いつもの光景ではあるのですが、長さが3m超のRHM12アンテナをルーフサイドに設置する時だけは周囲の注目を浴びてしまいましたね。その後、運転席に着座してダッシュボードの無線機と助手席に置いてあるノートパソコンのスイッチを入れました。パソコンの連携ソフト「JTAlert」をダブルクリックした時点で自動起動したソフト群と無線機の周波数が同期して動き出して、次々とバンド状況の枠内にデータが現れて来ます。ワイドグラフの空きスペースにオフセット設定(ワイドグラフとは運用するバンド内の状態を表す独特の波形の様な画面で、オフセットとは送信と受信を同じ位置で行う事を言います)します。
私は意を決して(大袈裟)FT8ソフトであるWSJT-Xの画面上にある「送信許可」をクリックしたのでした。すると送信許可のボタンは赤くなりました。直に私のCQ(不特定多数の人に交信要請する符号です)に反応して、ソフトが自動で相手の局と文字で遣り取りしてくれて、瞬く間に交信を成立させたのでした。交信後は、これまた、連携を危惧していたハムログ(デジタルの交信記録)に記帳を促す枠(ダイアログ)が現れたので記帳許可を出しました。ただ、そこで、ある事が気になったのです。ハムログに記帳許可を出して来たのは、多分、「JTAlert」だと思うのですが、同時に「JT-Linker」も立ち上がって来て、そちらのソフトもダイアログも最初に交信が成立した局の情報が載っており、ダイアログの端には記帳を促すボタンもあったのですね。
私はこれを押すと多分、二重に記帳する事になるのでは?と思いながらも押してしまいます。すると、案の定でハムログには同じ交信データが1段目、2段目と記帳されていたのでした。そこで考えられる事は、「JTAlert」と「JT-Linker」は同機能を有する連携ソフトであり、どちらかに絞るべきなのでは?と言う考え方でした。しかし、絶望的にFT8に関する知識がない私には、それを決断するスキルも持ち合わせて無かったので、臭いものには蓋をするではないですが、とりあえず将来の課題として残す事にしました。笑
その後、WSJT-Xの画面を見ると、先程、許可した「送信許可」のボタンが赤色から元の色に戻っていて、送信許可が切れた事を知るのでした。つまり、交信が成立した段階でリセットされるのだと理解しました。(あくまでも私の稚拙な理解力の話ですが)そこで、切れたら(交信が成立したら)、また、送信許可をクリックするの繰り返しで、いつの間にか交信局数が10局を超えていたのでした。その頃には、私に関係する「受信周波数」の枠内が赤色に染まっていたのでした。注意深く観察すると、左側には私のコールサインが表示されており、その右横には未交信局のコールサインが並んでいたのでした。
私は「これは私を呼んでいるのでは?」と思いながらも、半信半疑で次のアクションが取れずに暫し傍観していましたが、ここでも意を決して(大袈裟)真っ赤に染まった一枠をダブルクリックしてみたのでした。すると、CQを出した時と同様に自動で交信が成立したのでした。予め撤収時間は決めてあったので、その時間が近づく頃には交信局数も18局にもなっていましたが、私を呼ぶコールサインの大半には応えられない状況下ではありました。しかし苦渋の選択で止む無く切断する事にします。その後の撤収は粛々と行われ、自宅に帰ってからは、改めて、自動モードとは言えFT8の初交信に成功した余韻に暫し浸ったものでした。その後はハムログのデータから「ADIF」ファイルの抜き取りをする為にネットの情報を検索したのでした。
ADIFファイルとは、アマチュア無線の交信記録データを異なったソフト間でやり取りする時に使用する統一されたデータフォーマットです。その後、電子QSLカードである「eQSL」のサイトにログインしてADIFファイルをアップロードしたところ、交信した18局の大半が「eQSL」のユーザーでは無かったことに愕然とします。それでも、いつかはユーザー登録した際には届くだろうと全局にカードを送付した事は言うまでもありません。しかし、ここでもある問題に直面する事になるのでした。と言うのは、私の交信データには存在しない局からeQSLカードが届いていたのでした。これは相手はデコード(デジタルデータを交信記録として文字に変換)出来たものが、私の方ではデコード出来なかった事を示していて、その選択肢としては「拒否」するしか無い様でした。
どうするべきか悩んだ私は、「拒否」を選択したものの、チキンハートでJARL(日本アマチュア無線連盟)に正式登録しているコールサインを使って、その拒否した局に紙QSLカードを送付する事にしたのでした。JARLの無線局情報を閲覧したところ、その局がJARL会員であり、カードの転送が可能であると知ったからでしたね。表面は別のコールサインでしたが、裏面にはFT8のコールサインを付記すると共に、拒否の理由をグダグダと書いた次第です。その後、「QRZ.com」と「HamQTH」のサイトで私のコールサインページを確認すると、閲覧数が伸びていました。これはFT8でCQを出した際に、「CQを出してるこいつは誰?」と閲覧した事を示しており、上記の二つのサイトにしっかりと情報を載せていて良かったと思った瞬間でもありました。
現在、「eQSL」にユーザー登録していない相手には、eQSLカードを送る事は出来ないので、どうしようか?と思案中です。ネットでは「受け取るのも受け取らないのも本人次第だから気にする必要はない」との記述もありましたが、どうも釈然としないのは、通常の無線で送り合うQSLカードの存在があるからでしたね。とりあえずは、私の無線局情報にも載せてあるARRL(アメリカ無線中継連盟)が運営するTQSL(交信証が無くても交信記録があれば有効となるシステム)にもADIFファイルをアップロードする事にしました。今後は既に登録済みであるTQSLと同システムの「Clublog」と「HRDlog」にもADIFファイルをアップロードする予定でいますが、ネットによると無線局によって使用する連携ソフトが違う為、様々な連携ソフトを使用する事は有益との事でしたね。
実は、eQSLのサイトで判明した事ですが、以前、D-STARで交信した鳥取県の局が、今回のFT8でも交信していた事実でした。その話をする為にD-STARの「鳥取430レピーター」に昨日からコールサイン指定で呼び掛けているのですが、まだ、繋がっていません。本日(3月19日)は生憎の雨模様なので、久し振りに本腰を入れてD-STARを運用しようと思っていますね。今回のFT8運用でひとつ残念な事があります。それは、自宅外での運用に付き、「PSK Reporter」が使えなかった事ですね。PSK Reporterとは、自局電波の到達距離や信号強度をリアルタイムでモニター出来るサイトですが、私もFT8のソフト上では使用するとしていますが、それはネット環境があればこその条件だったからでした。多分、交信後一定の時間内であれば表示可能な気がしてますが、まだ、それは今後の課題とする事にします。
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2022/03/19 16:03:21