
家内から主治医との面談の内容を聞くと、「これは、地域の基幹病院とか言ってた県立病院は、県立病院にとっては食傷気味のコロナ患者の私を、体良く追い出したのでは?」と考えた事でした。更には、主治医によると、「どちらにしても、これからの1週間が山場になるでしょう。前日まで肺の陰りが、いくら健全であっても、いきなり、真っ白に変化してしまう事は良くある話で、そうなれば、手当は無理になるので、ご家族に電話して、病院で看取られますか?それとも、ご自宅で看取られますか?と尋ねる事になりますね」と聞かされたのでした。
医師と言うものは、患者家族には、常に最悪の状況を説明しがちとは思いましたが、予断を許さない状況にはある事は、間違いない様でした。日々のバイタルチェックでは、プレドニン(ステロイド)点滴は、血糖値が上昇すると言う副反応があり、それにより、血糖値が上がって高血糖が続くと、肺の組織や血管に悪影響を及ぼし、呼吸機能の低下に繋がる為、血糖値のコントロールは重要で、バイタルチェックで、異常値が検出されるとインスリン注射も適用されるとの話でした。更には、パルスオキシメーターを使用して、酸素量のチェックも重要になるので、常に計測しますと言われたのでした。
パルスオキシメーターを使用して酸素量をチェックする事は、肺の病状の重症度の判断には有効で、急性呼吸不全を起こす可能性のある、慢性疾患患者の日常管理や、医療機関や介護施設などでの患者・入所者の病状判断に重要な役割を果たしている様でした。特に、酸素量が94%を切ると、とても心配されたものでした。そんな俎上の鯉ならす、俎上の豚の心境で、残された数日を過ごすしか無い様でした。転院初日の7月10日の夜は、夕食はお粥指定でしたが、普通に食べる事が出来たので、少し元気が出ましたが、エアコンの調整で、空気清浄機能に拘った所為で、寝苦しい夜を、過ごす羽目になりました。
翌朝の7月11日の朝食も、「お粥指定」にしていたお陰で、慣れないオカズでも完食する事が出来ましたが、とにかく凄いボリューム感で、久し振りに腹いっぱいになりました。オマケに、Y病院では、お腹の調子を整える整腸剤も、纏めて処方してくれていたので、食後に整腸剤を飲むと、良い具合に安定してくれて、下痢の心配なく、食事を摂れる様にもなった事は、私にとっては大きな出来事でした。そうなると、夜の看護師さんにカロナールは処方して貰ったものの、下痢気味だと訴求したにも関わらずスルーされて、結局、整腸剤には対応してくれなかった、県立病院の塩対応が際立ったのでした。
その後、男性看護師が、バイタルチェックで入室して来たタイミングで、開口一番「今日か明日で良いのですが、点滴が終わったタイミングで、風呂に入っても良いですか?」と尋ねたのでした。すると、男性看護師は、即座に「それは問題ありません」と答えてくれたので、安心した輩がいました。男性看護師の次に、入室して来たのは、主治医の女性医師でした。主治医は「昨夜は、良く寝れましたか?」と尋ねて来たので、空気清浄機能の件を伝えると、「それは大変でしたね」と、軽く微笑まれたものの、体調の有無は、特に聞かれませんでした。主治医が退室すると、今度は配膳係の人が入室して来ました。
配膳係の人は、私が食べ終わった容器を軽く確認すると、お膳を持って退室して行かれました。次に入室して来たのは、点滴を手に持った男性看護師でした。点滴の針を右腕に血管確保していた管に接続させると、点滴のクランプを調整して、点滴が開始されました。私は、男性看護師に「入浴の件ですが、やっぱり本日の入浴は止めにして、明日にしたいのですが・・・。」と振ると、「体調が悪くなったんですか?そうでも無いようですが?分かりました。明日なら、点滴前でも良いかも知れませんね。心積りしておきます」と言うと、「本日の点滴は2本になります」と、私に伝えると退室して行きました。
ところで、私がいた病室は、ポケモンGOのスポットやジムからも、微妙に離れており、ポールの補充は絶望的な、陸の孤島だったので、iPhoneを触りながら、時々、入室する看護師に対応して過ごしていました。その日は、家内は午後から来る予定になっていました。家内によると、Y病院に通うには、病院の立地的には都会でありながら、私の居住エリアからは、1時間に1本しかバスの便が無く、それには、家内もかなり閉口していました。食事前の血糖値の検査は、指に針を刺す方式でしたが、回数を追うごとに、最近、刺さないでも、血糖値の計測が可能と謳う製品の、胡散臭さを感じたものでした。
昼食が到着して、お粥指定のメニューは好みに合致して、ほぼ完食する事が出来ました。14時過ぎに家内が到着して、お願いしていた水筒や、テーブルタップを受け取りました。家内は、面会時間に許される30分が過ぎると、退室して帰って行きましたが、その後の私はと言えば、iPhoneを触りながら、ベッドに寝転んでマッタリと過ごしていました。すると、件の男性看護師が入室して来て、「点滴もあと少しですね。また、抜き取りに来ますね」と言うと退室して行きました。15時過ぎに再び入室すると「ああ、終わってますね。お疲れ様でした。点滴の針を確保してるエリアが、少し痛んでいる様ですから、本日は全て抜いて様子を見る事にしますね」と言われたのでした。
点滴の針が抜かれて、所々に内出血した腕を見ていると、いきなり、ある事を思い立った輩がいました。ナースコールを押して、飛んできた男性看護師に「二転三転して、すいません。これから、ユニットバスに湯を溜めて、入浴する事は可能ですか?」と言ってみたのでした。すると、「ああ、それは良いアイデアかもですね。今だと、右手が濡れても問題ありませんからね。ただ、途中で酸素量だけ計りに行っても構いませんか?」と言われたので、それを快諾して、ユニットバスにお湯を溜め出しました。すると、流石に2階の隔離病棟でした。湯も水もフルパワーで、どんどん溜まって行きました。
その間、私はと言えば、室温を、エアコンの最低温度の24度に設定して、身体拭きのバスタオルとして、ユニットバスの横の手摺りに2枚セットしました。更には、足拭きマットとしても、バス・トイレの入り口下に1枚セットしました。すると、ユニットバス内の排水リングにギリギリのラインまでお湯が溜まったので、お湯と水を止めてから、ゆっくりと浸かり始めました。しかし、思いの外に高温だった事もあり、急いで、水を出し始めたものの、入浴も久し振りだから、熱い湯でも、問題ないと無いとばかりに、無理矢理の体で、肩まで浸かると、速攻で湯船から飛び出したのでした。
Posted at 2025/08/09 14:26:16 | |
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