そのシンプルな造形からなのか、デザインの評価が高まらず価格も高いなど、発売前から良い評判を聞くことが少ないように感じていた新型プレリュード。ホンダが考えるスポーツHEVとはどのようなものか、興味を持って見ていた。
試乗ができるということで早速販売店に行って見る。試乗車の準備の間カタログを渡されたが、紙カタログがあることも良い。実車を見ると、のびやかな感じが見て取れ、写真で見るより好印象。GT500マシンもプレリュードになることが発表され、認知度は高まっていくのではないかと想像。
リアシートを確認すると、しっかりとしたシートが備わっているものの、標準的なドライバーのシートポジションでは、後ろに大人が座るのは足元が狭く困難と思われる。シートを前よりにセットした状態であれば何とか潜り込めるが、ヘッドクリアランスも少なく、緊急時、もしくはお子様であれば行ける程度ではないかと思う。
走行モードの「SPORT」「GT」「COMFORT」を確認。運転席に乗り込むと着座位置も高く、ルーミーな乗用車という印象が強い。内装の質感は上品で悪くない。
COMFORTで走り出すと普通の乗用車然とはしているが、足回りとステアリングフィールは設計者の意図が伝わるように感じる。「GT」⇒「SPORT」の順にレスポンス、サウンド、ダンパーがスポーツ寄りとなる。位置づけが呑み込めなかったが「GT」は中間であり、常用でも良いかもしれない。
見るべきはS+ Shift
https://global.honda/jp/tech/honda_s_plus_shift/

「仮想」という言葉に懐疑的なところはあったが、試してみるとこれがなかなか面白い。仮想で有段トランスミッションを演じているものではあるが、まるで8速DCTをさらに洗練させたような感じといえば伝わるだろうか? 短時間の試乗のため第一印象でしかないものの、ホンダが考えるHEVの新たな解釈と感じた。好みの分かれるそのデザインから、歴代のプレリュードを惜しむ声が散見されるが、ピュアスポーツとは異なる進化した乗車感は、これまでの認識をあらためるものとなるのではと思った。
そこで、前にも似たような体験をしたことが頭をよぎった。
アルミフレームにCFRP製ボディを纏ったBMW i8

1.5L 直列3気筒エンジンにモーターを加えたPHEV。最高出力231psのエンジンで後輪を、131psのモーターが前輪を駆動するAWD。跳ね上げ式のドアを上げ、太いサイドシルをまたがって乗車した記憶が蘇る。快音を発しなが走るi8は1.5Lの3気筒エンジンの車とは思えず、洗練されたミドシップスポーツであることを感じた。
プレリュードはi8に似通った印象を持ち、2.0L 4気筒エンジンをモーターでアシスト。「クリアなハーモニックサウンドでエンジン回転数の伸び感を高めながら、レッドゾーン近くでは限界走行の高揚感を感じながら(ホンダによる)」、仮想トランスミッションで駆け抜けるのはさぞ楽しいことと想像する。
この車にすぐにでも乗りたいか?と問われれば「否」であるが、これからの自動車がどのような形で進化して行くのか、一つの方向を示すモデルであることに違いないと思わせる試乗であった。興味津々の私にお付き合いいただいた営業の方と、販売店様に感謝しつつ、自分としてはこの車がどのような形で市場に受け入れられて行くものか、興味を持って見て行きたいと思う。
Posted at 2025/10/01 07:06:07 | |
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