お台場のBMWでG系の440iクーペとM4クーペに比較試乗して来た。
久し振りに行ったが試乗は基本有料、担当ディーラーがあると無料になるような仕組みに変わっていた。有料にしたことにより不満を覚える層もいるだろうが、これまでの不特定多数の客層から一定程度絞り込みされることによる効率化に加え、試乗する者にとっても、以前にも増して気兼ねなく利用できるようになるのは良いことだ。
BMWが先駆けたこのような施設、ポルシェが専用コースによる体験施設をオープンしたのは周知のとおり。このような施設は広く多くの客層に認知を進めることが出来、ブランド価値を高めるのに効果的だと思う。この流れが加速し、他ブランドの新たな施設がオープンすることを期待したい。
モトラッドの場所が変わっており、ショールームの一番奥に。

こんなユニークな色のRnineTがあり面白い。手前がスクランブラー、奥がピュアかな。
試乗は440iから。

フロントの造形、人には好みがあり、どんなデザインでも好む人嫌う人がいる。これはこれで個性的なカタチに感じる。
スタートボタンがセンターコンソールにあること、レヴカウンターが反時計方向に回ること以外、大きな違和感は無い。エンジンをかけると、そこそこの音でアイドリングを始める。
信号で先頭に立ったところを見計らい、踏んでみる。スムーズに6個のシリンダーが回り、快音と共に力強く加速。乗り味も快適で尖ったところも無く、F32から正常進化したこのモデルの印象は大変良い。F32搭載のN55型エンジンと比較すると、440iのB58型はパワー・トルクが上回っているのはもちろんのこと、音が良くなっているように感じた。N55は回した時の音がもう少し、「こうであったら」と思うところがあるが、もしかしたらこのモデルも疑似音を出しているのだろうか?
そして、M4コンペティション。
乗り込んで気づくのはシートベルトが前に出てこないこと。まあM4とあらば、そんなギミックは要らないか。
エンジンをかけた瞬間、440iとは全く異なる雰囲気を感じる。ドライブモードを自分の好みに合わせて任意に2種設定できるのは面白く、現実には普段使いと走りたい時の2パターンもあれば十分。

乗り出して直ぐに感じるのは、手にするステアリングとフロアからのバイブレーション、タイヤから発するパターンノイズ、耳に届くS58型エンジンのレーシーなサウンド。DCTを捨てた8速ATは十分に楽しめ、車を走らせる楽しさは相当高いレベルにあると感じる。このM4、それはそれで刺激的でとても楽しいのだが、終始、音と振動を体全体に浴びているような、まるでアトラクションにでも乗っているようだとは言い過ぎか? いや、それほど面白い。
440iは前モデルと比較し、正常進化の中にもスポーティーな度合いを増した印象。
M4は前モデルを少し大人にし、洗練させた印象。
個人的な選択
休日の早朝、暗いうちに起き出し峠に向かう、偶にはクローズされたコースで存分に楽しむにはM4。普段使いから家族とのドライブ、たまにちょっと峠で遊ぶなら440i。
両方は無いだろう、ということで普段使いを考えれば、短時間の試乗ながら私にはこれで十分と思わせた440iかな。
しかし待てよ、値段はどうなのか? この程度の価格帯だと他の選択肢も多く出て来る。
440iXdrive 1025万円
CaymanGTS4.0 1113万円
ALPINA B3 1229万円
M4コンペティション 1348万円
911Carrera 1429万円
自然吸気フラット6搭載のケイマン、ALPINA B4は世に出ないようだがセダンのB3など、興味のあるクルマ達が多く目に浮かぶ。
秋の夜長の妄想は尽きることなく・・・。
Posted at 2021/12/08 21:42:27 | |
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