2023年10月22日
日経新聞が毎日のように騒いでいる。
「日本はEVで出遅れた」
これを見た一般の人々は、「そうなのか」と思い、日経に載っていることなので正しいだろうと喧伝し、聞いた人は「その通り」に思い、定説となってしまうのが世の常。
話しは変わるが、国土交通省が監修する自動車整備新技術についての資料を覗いて思ったことがある。BEVって、これまでと同じ感覚では乗れないのではないかと。
一つ目に、トヨタ自動車のBEV 衝突検出時遮断制御についてのトヨタの解説
「車両が強い衝撃を受けるなどしてエアバックコンピュータASSYからのエアバック作動信号を受信した場合、システムメインリレーをOFFとし、高電圧電源回路を遮断することで安全性を確保する。」とあった。
仕組みとして理解はできるものの、これを見て思ったのは、事故時にエアバックが展開し人員は無事、現場の環境から緊急性を持って車両を移動する必要に迫られた場合においても、車両を移動することが出来ないということ。2次被害を防ぐために車両を移動する必要がある場面は少なくないと思われ、いかがなものかと思った。
二つ目に日産自動車のBEV 高電圧システムの遮断について、日産の解説
「レスキュー作業を実施する前に、高電圧システムが停止状態になっていないと、感電による重大な傷害につながり、最悪の場合、死亡に至る可能性がある。」
「高電圧システム遮断後、高電圧が蓄積されている部品から完全に放電されるまで10分かかる。」
これは、レスキューを専門に行なっている人や多少車の知識がある人は認識しているだろうが、そうで無い人にとっては認識の外。事故直後に周囲の人が善意で助けに入るなどしたら、危険な場面も想定される。
また、高電圧が放電される前は、レスキュー者が救助したくともできない可能性も否定できず、状況によっては難しい判断が迫られる場合もあるのではないか、と思ってしまった。
BEV出遅れ論には賛同しないが、否定派では無い。むしろ1990年代のEVブームから積極的に関わってきた。今後の自動車はBEV一択ではなく、あらゆるパワートレーンの中から、的確な選択をしていくことが求められるのではないかと思っている。
前述の車両の仕組みから、万が一でも不幸な事故など起きないことを祈りつつ、BEVはその仕組みをきちんと理解できない限り、安易になびくことだけは避けるべきではないかと思う次第である。
Posted at 2023/10/22 20:12:38 | |
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