KENWOOD アンプ KAC-PS300T 改造の記録
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KENWOODのアンプKAC-PS300Tになります。
同じシリーズにPS200TとPS500Fがありますが、チャンネル当たりの電源に一番余裕のあるのがPS300Tになります。
PS300Tは2ch,PS500Fは4chですが、電源部は殆ど同じで、違いはMOSFETが8か12かだけです。
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裏蓋を外すとこんな感じです。
このシリーズの一番の問題はジャンパ線の多用です。
左右独立電源ではなく、左右でプラスマイナスでそれぞれ電源を作っていますので、そこから片チャンネルに送電するのにランドを横切る為にジャンパ線で飛ばしてるのですが、これがとても細い。
せっかくの強力電源が生かし切れていません。
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アンプ部なります。
1次、2次のコンデンサとも容量よりインピータンス低減を狙って複数パラにしています。2次は純正4700uFですが1500uFの3パラ4500と減っています。
実は無理矢理パラで1万まで増やしてみたりしたのですが思うような反応がでませんでした。
そこで基盤裏に電源配線をしたところこちらの効果が絶大で、コンデンサはこの容量で十分だとわかりました。
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左の大きいの2個が終段トランジスタのLAPT
その横に絶縁テープ貼ってるのがSic-SBDで4つ、その右にMOSFETが4つです。
ダイオードは元々2回路入り3端子の物が2つでしたが、1回路4つに変えたのでこんなことになってしまいました。
これでプラス電源だけですから贅沢です、反対側にも同じ構成がもう一つでマイナス電源があります。
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内部の電源部です。
トランス上の左右にあるのが整流用ダイオードで、1AからSBDの3Aに交換してあります。
これも4つずつでプラス、マイナス別々という贅沢仕様です。
コンデンサを挟んでその上に見えるのが20V生成のツェナーダイオードと制限抵抗です。
抵抗は発熱しますので浮かせて巻線抵抗に交換し耐ワット数を上げてあります。ツェナーダイオードは低ノイズ化ということでNECの低ノイズ5.1Vを別基盤に4本直列にした物に変えてみました。
ここで作った20Vは初段トランジスタだけでなく、15V生成の次のツェナーダイオードに流れオペアンプに送られています。
15V生成のツェナーも低ノイズ4.9V3本直列に変えてあります。
15V側は20Vと違いトランジスタのアシストはありません。
上位機種のPS500Fは20Vと15Vは別々に直接整流ダイオードから給電され15Vもトランジスタでアシストされています。PS300Tのように20V生成時のツエナーのノイズに15V生成のツエナーのノイズを重畳させるようなことにはなりません。
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こちらは信号部です。
オペアンプの電源がツエナーだけで作られているので余計な物は削除しないと電流が足りず大食いのシングルオペアンプ6個とか使うときつい訳です。
なのでクロスオーバーのオペアンプは全て取り外しました。
この機種は上位のPS500Fでは手当されているオペアンプごとの電源コンデンサが付けられておらず1ヶ所に纏めてありましたので、こちらも定石通り0.1㎌を各オペアンプに追加しました。
そして左右別々で音量調整できるようにボリュームを2つに変えました。
入力部のコンデンサも削除しています。
上の写真で見えていたX335の6.8uFとSuperior-Zの3.3ufの並列はアンプ増幅部入り口のカップリングコンデンサです。
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うーん、ボーリュームのつまみが大きすぎましたね。
手持ちがこれしかなくて・・・そのうち変えましょう。
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この機種の改造で一番の効果があったのは基盤裏の配線追加でした。
費用対効果でいえば最高ですね。
繊細さと艶やかさだけでなく、重い低音が出てきてバランスがとてもよくなりました。
この機種は改造して色々な部品を試すのに非常に勝手がいいです。
写真を見て気付かれたかもしれませんがトランジスタは全数別物に入れ替わってます。
DCバランス調整用で裏に可変抵抗を付け、バイアス調整部は抵抗値を変えたりしています。
修理も比較的簡単な部類に入ると思いますが、トランジスタを飛ばしたりショートさせたりすると付近のダイオードが高確率で巻き込まれてショート破壊していますので、単純にトランジスタだけ変えるとまた飛びますのでダイオードの短絡確認だけはしてください。
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