
3月29日から都心を降下して羽田飛行場(HND RJTT)に着陸進入する新たなルートが使用開始となった。
南寄りの風の際の15時から19時に池袋・新宿・渋谷と概ね山手線の西側半周に沿う形で、羽田空港のA滑走路16RとC滑走路16L(16は160°凡そ南南東、LRは並行する滑走路の左右)に向かって、降下角3~3.45°で高度を下げ、我が家の真上を窓枠が肉眼でわかる約1,000mの高度(写真)で通過する。
かつて航空自衛隊基地の滑走路の脇に長年居住して、居間で座っていても軍用機が離陸するのが見えた私にしてみれば、民間旅客機のまして着陸時の音など可愛く静かなもので、限られた時間の限られた回数でしかなく、よほど家の前を始終通るディーゼルトラックのエンジン音や停止時のドラムブレーキ引きずり音の方が煩いと思う。
騒音に関しては、何を騒音と感じるか、またどれだけの大きな音を騒音と思うか、人それぞれであると思うし、乳児を抱える母親や夜勤の方、静寂性を必要とする仕事をしておられる方などが神経質になられるのはやむを得ないことである。
事実、騒音を理由に反対運動が起こり降下角3.45°という世界にも例を見ない急降下着陸進入を民間航空機に強いることになった。操縦練度の高い自衛隊F-15J要撃戦闘機であっても進入降下角は2.5°と定められており、このアプローチ角は民間パイロットにとっては地面に向かって落ちていく感覚であろうと気の毒になる。
誰しも顧みるべきことは、戦闘機が日夜飛ぶことで他国から脅かされずに済み、トラック輸送のおかげで生活必需品が得られており、民間航空機が間近を飛ぶということは空港まで1時間もかからない便利な場所に住んでいるという恩恵を得ているということである。
都内の殆どの方が電車を利用するだろうが、その騒音たるや同じ沿線に数分間隔で踏切音も含めて轟音をまき散らしているのである。周囲に騒音をまき散らしながら自分は容易な移動の恩恵を得ている電車内で、若者の話し声やヘッドホンからシャカシャカ音が煩いとか、比較にならないレベルの騒音の正誤を決めようとする馬鹿馬鹿しさにも心を配るべきだろうと思うことがある。
子どもの声が煩い保育園も、火葬場も自宅の隣に建設されることは誰でも歓迎はしないだろう。
しかし、誰しも幼少期を経て死に向かって生きていることを忘れてはならない。
公共への福祉を考えると、急降下しながら我が家の上空を通過するJALやANAの大きな機体に「ご苦労さま、気を付けてねぇ…。」と見上げ、エンジン種別が聞き分けられるくらい好きになってやろうと思っている。
Posted at 2020/04/11 08:26:03 | |
トラックバック(0) | 日記