
5月に離職して一人時間を得たものの外出に4輪車を引きずり出すまでもない。しかし旧車のカブC90DXでは行動範囲に限りがある。
だが主にお買い物で使う都内の市街地は大型2輪では小回りが利かず重くて乗り出しさえ億劫になる。但し、例えば都心から隣県房総へ行くにも自動車専用道路の京葉道路かアクアラインが使えないと、慢性的渋滞の一般国道のR357やR14にR16を使わざるを得ないストレスがあり、原付2種C90DXから不可を可として車検がなくランニングコストに勝る軽2輪(126~250cc)に乗り換えることにした。
持病で手指関節に機能障害があるのでクラッチ操作がなくて軽く扱える前後油圧倍力ディスクブレーキ付のスクーターの選択は外せない。元々軽2輪で高速道を心地よく走りたいなどの期待は待ち合わせていない。
過去にPCX150やリード125に乗った経験で、信頼性充分なePS+エンジンを積載するADV160を選択した。前輪ABSに後輪トラクションコントロールと安全装備にも抜かりがない。
20年使ったカブC90DXと排ガス対策前のリード125の2台の売却益に僅か3.5万円足しての新車購入である。
近く実施されるモデルチェンジでユーロ5の排ガス対策が施されると触媒追加や出力低下が想定され相応の値上がりも間違いないので、敢えて対策前の現行モデルを新車で買うことにした。因みに同型中古との価格差は4~5万円にしかならないからである。
780mmのシート高は足着き性が不評ではあるが、乗車姿勢に貢献している部分が伺え、散々大型2輪に乗った平均的な身長170cmからすれば両足は着く軽量車なので不安は感じない。着座位置を後ろにしてサイドカバーに内腿が当たるように足を下ろすとステップボードに切り欠きがあり足着きが良く安定する。
むしろ年輩者にはシート高に対して僅かにハンドルが低くて遠く肘が突っ張って肩が凝る。これは若者志向でオンロード中心設計である所以、ハンドルライザーで3cm程度上げて手前に2㎝程引いたら、乗車姿勢が立って安定しタイトハンドルもバンクもしやすくなって格段に乗りやすくなった。
サスペンションはタンデム時を意識しているのか固めで舗装路向きの設計だがストローク量も充分にある。所詮オフロード車との比較は無理なものの不整地でも底付きなく太めのタイヤの恩恵でそれなりに走れるようにと圧倒的人気車種PCXと差別化していることが伺える。小回り旋回性能ならばUber Eatsで多用されるPCXに軍配が上がり、3.3万円高価なADV160はマルチパーパスと言えそうである。
136kgと軽く発進加速も4バルブ化で16馬力になった156ccエンジンで十分、ブレーキは前後ともに絶妙によく効き、軽量車ゆえに高速で横風に弱いことを除けば低重心で直進安定性は秀逸と高評価できる。
燃費も40km/ℓを下回ることはなく、エンジンオイル交換量も0.75ℓと経済的、乗り出してみると特別に悪い部分が見つからず、かと言って特別に優れた点もない及第点で尖った特徴や癖がないオールマイティーなところが HONDA らしく、良く言えばADVたるアドベンチャーを匂わせたあらゆる場面で大きく困らない設計と解釈できる。
この小排気量でここまで走るかと110km/hまで加速する一方で決して高速巡行向きではなく100km/h8,000rpmが心地良さの限界、エンジン特性も大人しくCVTで変速もないので退屈さは否めないが、静かな水冷エンジンで単気筒ながら振動もなく、よく曲がりよく止まるので、160ccでも長距離走行にストレスが発生しない、そこが優秀なモデルなのかも知れない。
タコメーターや時計に温度計と燃費計まで装備する贅沢なデジタルメーターも見やすく、USB-C給電も装備され不足がない。
ヘッドライトが暗いとの評価があるが市街地では充分、私は明る過ぎないことに好感があり、峠や農道を走るには補助灯があると良いというレベルに感じる。全灯がLEDの省電力に貢献しているが、燃費に貢献するのか疑わしいアイドリングストップ機構はバッテリーを酷使するので常時OFFで使っている。
唯一残念なのは29ℓと見た目は大きいシート下ラゲッジが、現実はバイザー付ジェットヘルメットさえ格納向きを工夫しないと入らないタイトなサイズであること、フルフェイスは入らない筈なので勿体なくあと2㎝深ければ…。
早速にグリップヒーター・ETC・リアボックス・長尺風防に交換と手をかけている。
納車から3週間で慣らしを兼ねて900kmを走行、スクーターの手軽さが4輪車を車庫から出すことに勝って寒風を切り裂いている。
(画像は千葉県富津市舞子浜にて、東京湾対岸三浦半島上に富士山あり)
Posted at 2025/12/07 06:25:39 | |
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