
先週金曜日に投稿した防水バッグのブログの中で防災ヘルメットについて触れましたところ反響がありましたので、今回は「私が考える優れた防災ヘルメット」についてお話します。
自衛隊など軍隊型のヘルメットは、丸型に近く、突起がないので強風の中でも風切り音がせず、小銃の照準に邪魔にならないようにひさし(ツバ)がありません。 目立ちにくいOD色や反射しない迷彩色の布カバーを掛けるようになっています。ヘルメットは鉄帽と呼ばれますが、材質は金属ではなくFRP製です。自衛隊の災害派遣などの軽作業は、民間の保安帽と同等の厚みのライナーと呼ばれる66式鉄帽を使います。戦闘には肉厚な88式鉄帽を使いますが1kg近くあり、被り慣れないと首が痛くなります。それでも小銃弾は簡単に貫通しますので、鉄帽は鉄片や小石が落ちてきた場合に頭部を守る目的の品物です。
私達民間人が災害や安全確保のために軍用のヘルメットを使ってみると、結構色々と不満が出てきます。
まず、ヘルメットに降った雨は、もれなく襟から衣服の中に浸入してきます。 次にひさしがないので容赦なく顔や眼鏡が濡れます。
さらに頭頂部も丸いので、低い木の幹をくぐるなどして頭をぶつけると結構な衝撃を受けます。
また濃い色のヘルメットは熱を吸収するので頭皮や頭髪はかなり蒸れます。
しかし、穴がなくて内張りを外すことができればバケツ、洗面器、食器の代用になります。
防災ヘルメットを求める時には、こうした長所短所を理解して自分のニーズに適合したものを選ぶとよいと思います。
画像は、東日本大震災の直後に千人規模の団体から人数分のヘルメットを備蓄したいと相談を求められ、業者に作らせた当時@1,050円の品物です。
正面には団体のロゴを入れてあります。
色は熱反射が高く熱くなりにくい白色として、夜間の視認性を高めるために周囲に10mm幅の橙色の反射テープを巻きました。
落雷対策として金属部品を一切使わないことを指定しました。
雨水が顔や眼鏡をできるだけ濡らさないように、また正面からの直射日光を避けるように、正面で40mmのひさしにしました。野球帽のツバは75mmのものが多いですが、人間が眼の前の部分を自分の体と一体に空間認識してぶつからない距離は45mmまでと言われるからで、こりよりも長いと狭い場所で不自由なことは、野球帽を被って机の下に潜って試してみるとわかります。
雨水が襟に落ちないように周囲に6mm深の溝を設け、ひさしの前方角から排水するようにひさしに1mmの段を付けました。この排水溝により強風時には風切り音が出ますが、雨で着衣を濡らさないことを優先しました。
帽体の中央前後縦に5mmの段の突起のあるものにしました。雨水を左右に振り分ける目的と、障害物にぶつかった時の衝撃を逃がすためですが、これ以上突起を高くすると枕や椅子としての代用は不快なものとなります。但し、突起があり風抜き穴がないものは、木の棒などで叩くと大きな音がして、開口部を目標方向に向けるとメガホン効果で救難信号が送れます。
ヘッドバンドとあご紐は、スライドはめ込み脱着可能式で、このことでバケツ、洗面器、食器としての代用が可能です。暑さ対策で風抜き穴があるものがありますが、雨の不利と器であることの利点を考えると、穴なしに軍配です。
市販物には畳めるヘルメットもありますが、常に携行させたいという希望はなく建物内への備蓄でしたので、利点に劣るために候補から除外しました。但し、ヘルメットは不使用時の携行にかさばることが最大の難点です。持つ位ならば被ってしまった方が楽な品物です。
首の日焼け防止のために耳から後ろにタオルやハンカチなどの布が垂らせるように工夫しました。
私はこのヘルメットの試作品をJimnyに入れてあり、高速道路のSAなどで雨降りの時は、ひょいと被ってトイレに行きます。
Posted at 2020/09/07 09:22:38 | |
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