今晩の目的地、新潟市を目指して出発!
途中、いろいろ寄り道をしてお土産を買いまくっていたけれど、そんなことツラツラ書き連ねてもつまらないので省略。
海岸線のドライブは、新潟県との県境の手前からスタートした。
全然混んでいないのが本当に楽しい。
いわゆるドライビング・ミュージックをかけながら、鼻歌なんか歌っている。
ずいぶんと前にJ-Wave(東京のFM局)で、Tears for Fearsの “Everybody Wants To Rule the World”はドライブにぴったりの曲と言っていたけど、まさにそのとおりと実感する。
この「世界」って、自分自身のことでもいいよね。
たまには立ち止まって、自分の心の声を聴いてあげないとね。
ふとそんなことを思ったりした。
曇り空だけど1枚くらい海の写真を撮ろう。
chérieちゃんを停めた先に、釣りを終えて帰る準備をしている年配の男性がいた。
ご機嫌な気分なので声をかけてみる。
「何か釣れました?」
「タコを釣りにきたけど、全然ダメだ。
あそこにいる人達はイカ。イカのほうが釣れる」
「釣れるんですね」
海辺でタコとかイカが釣れるなんて、にわかに信じがたい海ナシ県在住者。
おじさんの軽自動車はよく見るとシートはレカロだった。
ここで「すごいですね~」と言いそびれる私は、本当に気が利かないと思う。
イカ釣りをしている人たち。釣れたイカは透き通っているのかな?
その日の夕食の買い出しのことだけ書いておこう。
せっかく海のあるところに来たのだから、夕食はホテルの部屋でお魚が食べたいということで「岩船港直売所」に寄った。
HPより拝借。食堂のメニューはほとんど売り切れだった!
まだ1時半前なのに、あんまり置いていない。
それに量が多すぎる。絶対におひとり用じゃあない。
それでも若い女将さんといろいろ話していくなかで、欲張った!
冷蔵庫で2日くらいは持つ
残った刺身は白だしに浸けておけば大丈夫
の言葉には不思議な魔力があった。
白だし、使ったことないんだよね。
今度買ってみようかな。
HPより拝借。10年以上も前に立ち寄った時、笹団子が美味しかったので再訪。
近くの「道の駅 神林」に寄る。
大好きな笹団子のこしあんと粒あんの5個セットの束をそれぞれ買う。
お土産に買ったお皿に載せて
ついでに夕食用のおにぎりを探すものの、ない!
平日だからなのか、それとも時間が遅かったのか。
と言ってもまだ2時だよ…
新潟市内の知っているお店を目指すことにしたけど、営業時間4時半まで?!
マジか!
のんびり景色を楽しみながら下道で向かうつもりだったが、そんな悠長なことはしていられない。
再び日本海東北自動車道でまっしぐら。
おにぎりを買うためだけに…
今日はこの道路にお世話になりまくり。
HPより拝借。水色は無料区域、赤点線は工事中
鶴岡西ICから、新潟との県境近くのあつみ温泉ICまで走る(無料区域)。
そこから先はまだ工事中なので海岸線まで出て、国道をのんびり南下した。
お刺身と笹団子を買ったのち、神林岩船ICから再び乗り、新潟市を目指してひた走る。
(ちなみに7km先の荒川胎内までは無料区域)
聖籠柴田(せいろうしばた)ICで降りて、新新バイパスに入る。
ここからは緊張を強いられる。
今までののほほんとした運転から一変、自然と肩に力が入る。
時間ではない。
時間は十分間に合うことはカーナビの到着予想時間で確認した。
道路環境が私にはムズカシイのだ。
今度こそ、成功させてやる!
闘志を燃やし、カーナビと道路上の青い看板を交互に凝視しながら運転に集中した。
HPより拝借。全区間が盛土された立体構造となっている
新潟市内には、まるで高速道路のような立派な道路が3区画(新潟バイパス、新潟西バイパス、新新バイパス)あって、総計40kmにわたって東西を貫いている。
全線4~6車線あるし、信号はないし、皆飛ばすし、なのにタダ。
HPより拝借。道はこんな感じで混んでいた。
さっきまでお世話になった日本海東北自動車道は、この高速道路みたいなバイパスと並走している。
暫定2車線の対面通行で、追越しスペースもないまま。
どっちが高速道路なのかわからない。
HPより拝借。場所は新潟市じゃないけど、道路はこんな感じ
やっぱり新潟だけに田中さんの存在がいまだに大きいのかな。
(角栄さんのことね)
こういう道路をうちの県にも作ってほしいよぉ。
とぶつぶつ思いながら走っていると、やっぱりロクでもないことが発生。
結局、ホテルにつくまで3回もぐるぐるするハメになった。
<1回目>
カーナビ通りにバイパスを降りたのに、あらぬ方向へ向かってしまい、生活道路に入ってグルグルしてから軌道修正。
<2回目>
おにぎりを買うために向かった「ピアBandai」に入ろうとして失敗。
道路向かい側にある駐車場入り口を通り過ぎてしまう。
<3回目>
ホテルの地下駐車場に入るのに失敗。
ここがそうなの?とあまりに狭い地下入口が疑わしく、試しに一周してみようとしたら、かなりな大回りとなった。
ちなみに駐車場は、かなりの老朽化が進んでいた…
パイパスを降りた新潟市内も、道路が整備されまくっているので、運転するだけでとってもくたびれる。
片道3車線もあるのに、さらに道路建設に勤しむ
ロクに道路がない地域で暮らしているから、まともな運転もできないのかと少々気落ちした。
フロントの風景。シャンデリアは右にもあって、左右対称だった
やっとこさホテルの地下駐車場へ入れて、チェックイン。
もう今日はどこにも出かけないでのんびりしよう。
新潟の夜は早いからね。
ふふふ、今晩の夕食はこれ!
エビの殻でおみおつけを作りたかった!
ナマモノだけに、明日持ち帰るのもねぇと思いなおし、時間をかけて完食。
上:アジの刺身。道中立ち寄った製塩所で入手した試供品のお塩で食べる
右:甘エビ。新潟では「南蛮エビ」と呼ばれていて、若い女将さんに「これって南蛮エビですよね」と訊いたら、「そうです」と返ってきた。
新潟市のお寿司屋さんでは、南蛮エビを使った魚醤を楽しむことができる。
左:ピア Bandaiで購入。佐渡島のタコを唐揚げにしたもの。さすがに食べきれず、残りは翌日食べた。
この3点セットがあれば、冷蔵品も冷たいまま持ち帰れる。
今回は鶴岡の農協で買った焼肉用の牛肉を、無事に自宅まで持ち帰った。
朝食はワクワクするバイキング。
大好きなフレンチトーストはとりあえず1つだけ(右奥)
スプーン左のピンクの切れ端の載ったお料理はのっぺい汁。
これもおそらく北前船の影響っぽい味。決して関東風ではない。
洋食が食べたくなったので、ひたすらそっちだけと思ったけれど、魚沼産コシヒカリと、十日市の棚田米の食べ比べがあれば試さずにはいられない。
左が魚沼産、右が棚田米
それぞれ小さな山を作って、カレーをちょっとだけかけてもらった。
食べ比べてみるけど、そんなに変わらない。
棚田米のほうが気持ち柔らかな歯ごたえ。
炊き具合の差もあるかもしれないし、好みの違いなんじゃないのかな。
…お腹いっぱいすぎる。
天井の高い美術館だった
「さあ、明日は何をしよう」と、昨晩ネット検索をして見つけたのが、イッタラ展。
新潟県立万代島美術館で絶賛開催中らしい。
おしゃれでモダンでおもしろそうということで、鑑賞しに行くことにした。
新潟の美術館は2020年に訪れた
バウハウス展以来だ。
しかも感じも似ている。
HPより拝借。入場してすぐの展示
「イッタラ」をご存じだろうか。
1881年創業のフィンランドを代表する食器メーカーで、近年はインテリアデザインにも進出している。
今回は創立140年を記念した展覧会とのこと。
2022年の東京展を皮切りに、島根、長崎と巡回してきたそうだ。
イッタラを知ったきっかけは、結婚式の引き出物カタログに頻繁に食器が掲載されていたから。
おもしろいマークがついているなぁと思っていたので、長く記憶にとどめていたのかもしれない。
HPより拝借。赤丸に白抜きの「i」マークが印象的
展示数も適量だった。多からず、少なからず。
平日の昼間ということもあり、鑑賞者も少ないのがいい。
じっくりと説明書きを読みながら、ゆったりと展示品を眺めることができた。
もっとも心に残ったのは、第1章「イッタラ140年の歴史」である。
一般市民の生活に根ざしたモノ作りが素晴らしいと思う。
3つほど例を挙げてみると、
①「貧乏人のクリスタル」
最初期のプレスガラスの製品は、クリスタル・カットの柄を模倣していたことから、「貧乏人のクリスタル」と呼ばれることもあったそうだ。
HPより拝借。ガラス種をプレス加工した製品
HPより拝借。まるでクリスタルのように繊細な加工だ
これを読んで、クスっと笑顔になった。
そうそう、クリスタルは高いものね。
②デザイナーのアルヴァ・アアルトは「優れたデザインは日常の一部であるべき」の思想のもと、プロダクトデザインも手がけた。
日常生活で使う製品にも、美しさやおしゃれといったデザイン性を追求しましょうということらしい。
このあたりは、同時代のドイツで起こったバウハウスと同じ哲学を感じさせる。
HPより拝借。アルヴァ・アアルト コレクション ベース
こういう先人たちの試みがあって、私達は安価で使い勝手もよく、そしてデザイン性にもすぐれた製品を手にすることができるのだ。
③スタッキング
第二次世界大戦後、ライフスタイルの変化により、人々はマンションなどの集合住宅に住むようになる。
狭い収納スペースにはスタッキング(重ね置き)できる製品が人気となった。
HPより拝借。まるで芸術作品のよう
HPより拝借。棚に一つ一つ並べてじゃあ、本当に困っちゃうよね。
自分がいいと感じる食器を使うだけでも、生活に彩りがでてくるとあらためて感じた。
そして一番いいと思ったのは、「ウルティマ ツーレ」のデザイン。
ラップランドの氷が溶ける様子に着想を得たという。
背景の大型の写真の効果もあり、幽玄の美そのものを表わしているかのようだった。
私の心の中でも、静けさのなかに突如崩れ落ちる氷柱のイメージが湧いてきた。
館内撮影可。でもこの写真じゃあ、幽玄さは伝わらないなぁ
帰り際にはお土産としてお皿を購入した。
ここまで素晴らしい展示を観たら、何か記念にほしくなったのだ。
ちょっと私にはもったいないほどの高さだけど、美術館の運営資金の一部になればと思うことにする。
Kastehelmi カステヘルミ/リネン(色のこと)
お土産で買った平田牧場のレバーペーストを載せたパンとともに
11月中旬には入場者数が1万人を越えたそうだ。
来年には高知と京都でも開催されるとのこと。
カステヘルミのキャンドルホルダーのオブジェ
美術館の入る同じビル内のレストラン「セリーナ」の入口脇に鎮座していた。
昨夕おにぎりを買うのに立ち寄った「ピアBandai」にもう一度寄って、お土産を物色して帰宅することにした。
海の向かいにあるビルに万代島美術館が入居する
3時半すぎに新潟バイパスの桜木ICに乗る。
「バイバイ新潟!楽しかったよ。また来るからね~」
これがいつもの別れの言葉。
そのまま北陸自動車道の新潟西IC、そして関越自動車道と乗り継いで東松山ICに6時すぎに到着。
道路もほぼガラガラだったので、走りやすかった。
Chérieちゃんは、本当に長距離向きのクルマなんだなと実感する旅だった。
たまにはこうやって思いっきり走らせてあげないとね。
私も非日常に浸る旅を思う存分楽しめた。
思い切ってでかけてよかった!
11月6日の移動地図
移動距離:170km
11月7日の移動距離:294km
総移動距離:989km
【おまけ】
鶴岡の農協で青い実の未熟イチジクが300円で売っていたので買ってみた。
甘露煮。
私が仙台で赤ちゃん~5才だった頃の話。
母が近所の家に遊びにいくと小さなイチジクの甘露煮を出されたそうだ。
東北地方のお菓子らしい。
レシピをネットで出してあげたら、懐かしそうに作りだした。
ジャム。奥にはお土産で買ったイッタラのお皿
甘露煮と同時進行で作りだしたジャム。
もちろん母が。