
デビュー当初から気になっていたクルマに試乗して来ました♪そう、
ルノー・トゥインゴです。試乗した経緯ですが、もともと911以外で現存する
最後のRR車ということで2016年のデビューから常に気にはなっていました。で、今回もし愉しいクルマであれば、妻と私の
兼用アシ車として購入候補に上がったというワケです。買うなら中古車一択、目ぼしい個体も絞りこめたところで、いざ試乗へ!
まず、トゥイングの車種構成ですが、現在は
インテンスというグレード一択となっています。ただし、キャンバストップも選べますし、一応トランスミッションはDCT(ルノー風に言うとEDC)とMT(ハードトップのみ)が選択出来ます。今回は妻も乗る前提だったので、ハードトップのEDCに試乗して来ました。ちなみにトゥインゴの場合、ATはターボ、MTはNAとなるため、
最高出力が全然違います(前車は92㎰、後者は65㎰)。いくら軽量コンパクトなクルマとMTという組み合わせでも65㎰ではかなりパワー不足と感じることは想像に難しくありません。
トゥインゴはかつて3グレードの展開があり、さらには限定モデルも何度か作られて来ました。ディーラーの担当者曰く、現在のインテンスは過去の限定車で見られたような装備が
標準化されたとのこと。ちなみにトゥインゴは
現行モデルで終了することが決定しており、次世代は「5(サンク)」というEVに引き継がれるそうです。ルノーサンクと言えば、かつて「ルノー5ターボ」がラリーシーンで活躍したこともある痛快ホットハッチで、今となっては完全にクラシックカーの域ですが、根強い人気があります。さて余談はこのくらいにして、試乗インプレに移りたいと思います。
まず、車体の大きさですが、
余裕で5ナンバーサイズで非常にコンパクトです。なのですが、実車は車高がそこそこあるせいか、不思議とそこまでコンパクトに見えません。似たようなサイズ感ですが、チンクエチェントの方がコンパクトに見えます。リアハッチはガラス仕様で
高級感があり、スマートフォーフォーがベースですが、こちらの方がラテン風味の
オシャレ感があります。リアのトランクスペースはミニマル、何せリアのフロア下にエンジンが載っているので底が浅いんですね。ただ、
日常的な買い物+αくらいなら何とかこなせそう(夏場は生ものは積めなさそうです)。ちなみにフロントにもトランクがあるかと思いきや、こちらは冷却系の機械がぎっしり詰まっていてまったく荷物が積めません。
内装は合皮のシートにパイピングが施されており、これまたオシャレ。樹脂パーツはやや安っぽいものの、シボの作り方やカラーリングの配置が
絶妙でチープ感を感じさせません(こういう所は国産車は大いに見倣ってほしいところです)。ナビは無く、スマホを繋ぐタイプの
簡素なインフォテインメントシステムと、バックカメラが標準装備となります。この辺はライバルのチンクエチェントと大差ありません。独特なのがリアのウィンドー。ラッチを外して手動で開けるのですが、少ししか開かないw。後部座席のスペースは大人が乗るには少々窮屈なので、そもそも人が4人乗る前提ではないのかもしれません。ドラポジを合わせて、リアシートに収まると、ほぼ
レッグルームは皆無の状態。まあそれでも911よりは広いですかね。
イグニッションを回してエンジンをかける(この所作自体懐かしい感じがします)と、0.9L3気筒エンジンが目を覚まします。チンクエチェントのツインエアと比べるとプルプル感もあまりなく、
意外にスムーズなエンジンで、EDCとの相性も悪くありません。深くアクセルを踏むと小気味良くシフトアップし、流れに乗る事が出来ます。速くは無いですが、遅くもない。まあ普通ですかね。で、期待していた
RR感ですが、直線だと正直あまり良く分かりません。しかし、重心が低いからか、フロアの剛性感が物凄く高いと感じるため、このクラスのライバルと比べると
しっかり感が凄いです。さすがスマートフォーフォーベースと言ったところでしょうか。
RRであることを実感したのは坂道ですね。上りではリアの荷重が増し、トラクションがアップした感覚が分かります。と同時に、フロントの荷重が軽くなるためいわゆる
ドアンダーな特性。大人2人乗車でコレですから、荷室に荷物を積んで1人で乗っていたらどうなっちゃうんでしょう??この辺は結構
クセ強めです。一方、下り坂ではニュートラルステアな感じですが、想像していたほどのキビキビ感がありません。良くも悪くも
あまり機敏ではないのですね。「スポーツカー乗りを前提」とした911と違って、クセの強いRRを、誰でも運転出来るように敢えてこういうマイルドなセッティングにしているものと思われます。
ボディ剛性、アクセルレスポンス、ステアリング応答性はこんな感じでまずまずでしたが、ブレーキははっきりと
ダメでした。踏んでも全然制動力が立ち上がらず、結構
おっとっととなりました(;^_^A。ココまで露骨にブレーキが効かないクルマはちょっと久々かもしれません。ディーラーの担当に聞いたらブレーキパッドだけ納車時から社外品を入れる方もいらっしゃるとか。これは十分理解出来ます。ボディ剛性感が下手に高いせいで、
ブレーキのふかふか感との乖離に対して大いに
違和感を覚えるんですね。変な話ボディが緩ければ、ブレーキが効かなくてもそれほど違和感を覚えないかもしれません(フィアット・パンダがそうでした)。
総評。まあ悪いクルマでは無いのですが、RRというレイアウトに期待するような動力性はなく、
運転していて愉しいクルマではありませんでした。もう少し小気味よく走って、パンチのある乗り味を期待していたのですが、RRということで
期待値が高過ぎたのかもしれません。このクルマが200万円くらいで手に入るのであればライフスタイルによってはアリかもしれませんが、新車だと乗り出し
300万円超えるんですよ・・そこまで出すなら他にも選択肢はあるだろう、と思ってしまいます。で、帰りにメガーヌR.S.に乗り換えたら、
「うわ!なんじゃこのピュアスポーツカー!最高じゃん!!」ってなりました(笑)。・・ま、乗り換えることは無さそうです^^。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2023/04/07 14:15:56