
関西にある某老舗ポルシェ中古店店長のがんこオヤジさんがYouTube動画で今後新車の911は買いやすくなるかもしれない、という動画をアップされていて、
興味深いと思いました。一意見ではありますが、いくつかポイントとなる部分があったので、考察したいと思います。まあ飽くまでオヤジさん、そして私の私見ですので、興味のある方のみ読み進めていただければ、と思います。
みなさんご存知の通り、コロナ禍に入った2020年頃から
新車の911入手のハードルが一気に上がりました。理由はコロナ禍ももちろんですが、それに伴う半導体不足や、その後2021年のロシアによるウクライナ侵攻などもワイヤーハーネスのサプライチェーンの破たんが供給に影響を及ぼした事は過去ブログでも述べた通りです。世界中の人が旅行などを自粛した結果、余ったお金でスポーツカーでも買おうか・・と思ったかどうかは憶測の域を出ませんが、とにもかくにも
需要>>供給という状況が2024年の現在に至るまで続いております。結果的に中古車市場は
プレ値が当たり前となり、新車小売価格を大幅に超える高値で取引されています。これは911に限ったことではなく、ミドシップモデルの718系も同様で、とにかく新車が買えません。718系については今後EVに置き換わるという別の理由も働き、半年ほど前から受注停止という状態が続いています。
さて、5月に発表となった992後期型、いわゆる992.2についてはどうか、というとこちらも2024年8月末現在、多くのポルシェセンターで
受注停止となっています。とりわけ生産台数が相対的に少ないGTSグレードは「完売」状態、素カレラも首都圏ではほぼ受注を受けていないものと思われます。では何故がんこオヤジさんは「今後は新車の911はこれまでよりも手に入りやすくなる」と述べておられるのか、というと
中国の景気失速が背景にあります。近年、中国は北米に次ぐポルシェにとっては最重要顧客でしたが、ここに来て急速に景気が冷え込んでいるのはご存知の通り。最新のデータでは売り上げが前期比で30%程度落ち込んでいると言われています。世界で2番目に売れていた国の3割というとかなりの台数になります。もちろん、その減った分がそっくりそのまま日本に割り当てられる保証はありませんが、かなり流れて来る可能性は高いと見ています。
実はMC直前にも、素カレラやカレラTといった人気モデルで最後に
大量割り当てがあり、私の周りでも絶望的と言っていた方にも滑り込みで割り当てがありました。992.2に至っては、992.1の時のような「ウェイティングリストにすら載れない」、という話は聞かなくなり、納期は掛かるがとりあえず発注は可能というのがつい先日までの状況でした。故に、がんこオヤジさんのおっしゃっていることは一部真実だと思います。翻って役物については、どうか?先日のリコール騒動で想像していた以上の台数のGT3/GT3RS系が国内に入っていたことが判明しましたが、後期型GT3も
今年の後半には導入となる見込みです。乗り換え組も当然居るでしょうから、そうなると中古車市場にも役物が潤沢に出て来る可能性が出て来ます。プレ値が維持出来なくなれば転売ヤーも手を出しにくくなるでしょうから、そうなると新車で買える可能性は上がるという公算です。
噂されるターボRRの方がむしろ入手困難になるのではないか、と個人的には予想しています。992ターボ前期型を例に見ると後期型は3000~5000台の生産規模になると思われます(あれほど品薄と煽られたGT3系はそれに対し9000台ほど世界で売られている)。いくらカタログモデルとはいえ、希望通り枠が割り当てられるか、というと
少々難しいかもしれません。一方で、通常のモデル(素、S、4系など)については
グッと敷居が下がる可能性が高いと見ています。北米FRBが利下げを行えば円安も多少は解消されるでしょうから、もしかしたら日本は
世界でもっとも安く911が入手できる国になるかもしれません。中国経済の失速、円安の是正など、日本国内で新車の911が欲しい人にとっては
追い風が吹いていると見て間違い無いと思います。あとは718系からの乗り換え組がどう動くか、ですが個人的にはプライスゾーンが違いすぎるのであまり影響は無いと見ています。
ブログ一覧 |
ポルシェ | クルマ
Posted at
2024/08/27 13:56:50