
新型GT3発表前夜となりました!私は決してスペックヲタ、スペック厨ではありませんが、この世代でついに
下剋上という事件が起きようとしているので、ファクトチェックをしながら考察して行きたいと思います。これまでポルシェは
ヒエルラキー構造を何より遵守してきたメーカーです。同一世代の中で、下位モデルがパフォーマンス面で上位モデルを上回る事は決してありませんでした。
しかし、ここに来て、潮目が変わりました。これまでの歴代モデル、そして最新モデルのスペックシートを比較してみたいと思います。
【911カレラGTS】
1. 997型(初代911カレラGTS)
• 登場年: 2010年
• パワー: 3.8リッター水平対向6気筒エンジン、408馬力
• 日本国内価格: 約1,470万円から1,550万円
2. 991型(第2世代911カレラGTS)
• 991.1型(前期型)
• 登場年: 2014年
• パワー: 3.8リッター水平対向6気筒エンジン、430馬力
• 日本国内価格: 約1,720万円から1,880万円
• 991.2型(後期型)
• 登場年: 2017年
• パワー: 3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン、450馬力
• 日本国内価格: 約1,950万円から2,100万円
3. 992型(第3世代911カレラGTS)
• 992.1型(後期型)
• 登場年: 2021年
• パワー: 3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン、480馬力
• 日本国内価格: 約2,150万円から2,300万円
• 992.2型(後期型)
• 登場年: 2024年
• パワー: 3.6リッター水平対向6気筒T-HEVエンジン、
541馬力
• 日本国内価格: 約2,400万円から2,600万円
【911GT3】
1. 996型(初代911 GT3)
• 登場年: 1999年
• パワー: 3.6リッター水平対向6気筒エンジン、360馬力(後期型は381馬力)
• 日本国内価格: 約1,200万円から1,300万円
2. 997型(第2世代911 GT3)
• 997.1型(前期型)
• 登場年: 2006年
• パワー: 3.6リッター水平対向6気筒エンジン、415馬力
• 日本国内価格: 約1,500万円
• 997.2型(後期型)
• 登場年: 2009年
• パワー: 3.8リッター水平対向6気筒エンジン、435馬力
• 日本国内価格: 約1,600万円
3. 991型(第3世代911 GT3)
• 991.1型(前期型)
• 登場年: 2013年
• パワー: 3.8リッター水平対向6気筒エンジン、475馬力
• 日本国内価格: 約1,800万円から1,900万円
• 991.2型(後期型)
• 登場年: 2017年
• パワー: 4.0リッター水平対向6気筒エンジン、500馬力
• 日本国内価格: 約2,000万円から2,200万円
4. 992型(第4世代911 GT3)
• 992.1型(前期型)
• 登場年: 2021年
• パワー: 4.0リッター水平対向6気筒エンジン、510馬力
• 日本国内価格: 約2,400万円から2,600万円
• 992.2型(後期型)
• 登場年: 2025年
• パワー: 4.0リッター水平対向6気筒エンジン、
510馬力
• 日本国内価格: ??
いかがでしょうか?これまではNAながら、
どの世代もGT3がGTSのパワーを30㎰ほど上回っているのが分かるかと思いますが、最新世代の992.2世代のでついにGTSは541㎰に達し、それに対しGT3は510㎰と
逆転現象が起きています。もちろん、
T-HEVのようないわば飛び道具を搭載するGTSと、NAを踏襲するであろうGT3を単純比較することは出来ませんが、これまでのポルシェの
厳格なヒエルラキー構造を鑑みると、これはまさしく
事件です。再三申し上げている通り、私はスペックヲタではありませんが、やはり通常のカレラモデルと役物モデルを比較した際に、数字上役物が劣るというのは違和感を覚えます。もちろん、ニュルのラップタイムなどはGT3に軍配が上がるでしょうが、我々エンドユーザーは日常的にニュルを走るワケではありませんので、このような逆転現象を敢えてポルシェが許したのは驚きです。
裏を返せば、それだけポルシェは
ハイブリッド推しということが垣間見えます。排ガス規制の問題もありますが、生産効率や利益率など緻密に計算した結果、この下剋上をマーケティングが許可したという風に考えるのが妥当です。それだけ今回のGTSにかける
ポルシェの本気度が伺えます。一方、GT3の立ち位置というのは今後やや難しい舵取りを迫られることになりそうです。マーケットの需要は高い一方、これまでの突き抜けた役物モデルという立ち位置からは一歩後退する形となり、MTが選択出来るという強味はあるものの、わざわざGT3を選ぶ必然性は薄まったように思います。商品価値の低下を防ぐために、ツーリングパッケージに+2の後部座席オプションを追加するなど、より多くの層にアピールしようと足掻いているようにも見えます(そこにはメーカーとしてのブレ、迷いが見て取れます)。いよいよ日本時間明日未明1時30分、
正式発表です!
ブログ一覧 |
ポルシェ | クルマ
Posted at
2024/10/18 08:55:26