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2024年10月21日

992.2GT3をデチューンしてでも出さなくてはならなかったポルシェの台所事情

992.2GT3をデチューンしてでも出さなくてはならなかったポルシェの台所事情 992.2GT3の発表から数日が経過しました。この間に自分なりに色々考察しました。後期型GT3をお考えの方にとっては少々耳が痛い内容になるかと思いますので、購入を前向きに検討されている方はスルーしてください。さて、これまでモデル中期~末期に登場することが多かったGT3ですが、異常に早いタイミングで登場する事になりました。これは完全にマーケティング主導の動きと言えます。

皆さんご存知の通り、2025年7月には欧州の排ガス規制がユーロ7へと変更になります。このため、来年7月以降に世に送り出すモデルはすべてユーロ7規制に準拠しないといけません。GT3のようなハイパフォーマンスNAエンジンを搭載するモデルにとってLambda1の達成は容易ではなく、いくらGPF増やしたところで限界があります。という事で、ユーロ6の間に出してしまえ!というのがこのタイミングで出て来た最大の理由だと思います。マーケティング的には992.1GT3の需要は世界的にも依然高く、セカンドマーケットでは1000万円のプレ値となっているのは皆さんご存知の通りです。前期型でGT3を欲しいと思っている顧客に行き渡らなかったため、出せば(内容はどうあれ)売れる!というマーケティングサイドの皮算用は当然働いたモノと思われます。いつもなら自信満々のプレゼンをするGT部門開発責任者のアンドレアス・プレウニンガー氏も、今回はなんとも歯切れが悪く、後期型GT3については明らかに準備不足、マーケティング主導で見切り発車的に世に送りだす事になったことが伺えます。

よって、ポルシェのマーケティング戦略的には、デチューンして出す事による世論の批判をかわす必要がありました。即ちこれまではRS限定だった"ヴァイザッハ・パッケージ"を羽根つきモデルで選択出来るようにし、よりライトな顧客層となる羽根なしモデルには"LieBtfrauパッケージ"という新たなパッケージオプションを追加しました。ストリートモデルにマグネシウムホイールが本当に必要かどうかはさておき・・。ちなみに新型GT3の価格は日本では8%程度の増加に止まるので、世界的に見ればかなり良心的、北米に至っては20%近いプライスアップとなっており結構批判されています(まあ北米ではそもそもメーカー希望小売価格なんてあって無きが如しで、ディーラー独自のお布施を払わないと買えないという、お国独自の問題があったワケですが)。今回の一連の流れを見ていると、エンジニア目線でいうと規制で雁字搦めになっていて、もはやNAエンジンでは作りたいクルマが作れなくなっている、という事が明確になりました。最高速度も、最大トルクも、ニュルのラップタイムも落ちるMCなんて前代未聞です。

訂正 ニュルのラップタイムは更新されたようです(2025年4月18日追記)

とは言え、前期型が買えなかったけど、欲しかった人にとっては「ポルシェ911最後のNAエンジン搭載モデル」をゲットできるまたとないチャンスですし、ギアがクロースレシオ化されたことで街乗り~峠レベルではややもすれば前期型よりも速く感じる可能性はあります。これまで羽根があるか無いかだけの違いだった標準モデルとTPの差別化も進み、より明確に色分けされるようになったのもプラスポイントです。スペックはさておき、GT3のNAエンジン搭載モデルには魅力的に感じるけど、家族のため後部座席は欲しいし、派手な羽根も要らないんだよね・・という人にとってはドンピシャなMCだったと思います。私もカレラTの抽選に漏れていたら多少食指が動いたかもしれません。とは言え、エンジニアの本音を言えば、もっと究極にパフォーマンスを研ぎ澄ましたモデルを世に送りたかったでしょうから、その胸中は察するに余りあります。海外では992.2じゃなくて、992.125だとか、揶揄されていますからねw。まあスペックシートがすべてではもちろんありませんが、今回のMCはやはり納得しなかったエンスージアストが多かったように感じます。

で、このフラストレーションの最適解は、やはり現状T-HEVハイブリッドなのかな、と思います。先週のブログでも書いた通り、ぶっちゃけ新型GT3よりも新型GTSの方が快適で速いです。しかしながらNAエンジンが良い!MTが良い!純ICEが良い!というファナティックな顧客が一定数居るため、このような「苦しいモデル」を敢えて世に送る事で、「ほらね、NAエンジンはもう限界なんですよ…」というポルシェGT部門からのダイイングメッセージと見るのは考え過ぎでしょうか?実際、後期型GT3RSはほぼ間違いなくハイブリッドになると言われていますし、ターボSはGTSの高性能版、カレラSはデチューン版となる見込みです。つまり、今後のポルシェ911のラインナップの中ではGTSがすべてのモデルの中心的存在であり、すべてGTSの派生モデルになっていく事が予想されます。GTSを992.2のローンチモデルに据えた真意がここにあるのではないでしょうか?そんな中、恐らくターボRRは最後のICEモデルとしてまず間違いなく出て来ると予想します。NAエンジンほど規制対策が難しくないので、それこそエンジニアが腕を奮って最高のモノを作ってくれるのではないか、と期待しています♪
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Posted at 2024/10/21 13:51:37

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この記事へのコメント

2024年10月21日 16:28
自分も今回の発表を見てアップデートがほとんどない事に違和感を感じてましたが、やはり規制の影響は大きいんですね。

brack frogさんの速報もとても参考になりました。ありがとうございます。

今回のGT3はTPこそ少しだけ購買意欲が沸きますが、羽根つきだと購買層にどういった反応があるのか今後の流れが楽しみですね。と言っても自分が買う事はないんですが、、、笑

しかし、ポルシェの発表の際には何かポジティブサプライズがあるんじゃないかと期待してる自分がいるのも間違いないです。

コメントへの返答
2024年10月21日 20:58
規制の影響は絶大だと思います。というか、文中でも述べましたが規制で雁字搦めと言っても過言ではないですね…。

私はツーリングパッケージというバリエーション自体以前からちょっと引っかかってまして😅。ポルシェピューリスト視点から見ると、GT3というモデルは生い立ちからして「ストリートも走れるサーキット専用機」というのが本質だと思っています。

それが、TPは羽根外して、サーキットも走れるストリートモデルに仕上げました。たしかにその需要があるのは理解出来ますが、コレはどうなの?と。マーケティング主導、マーケティングありきで作られたモデルという印象がどうしても拭えずにいます。

個人的にはTPはGT3というモデル名で出すのではなく、全く別のモデルとして出した方が整合性が取れたのではないか、と思います(そしたら多少は食指が動いたかも)。GT3はやっぱりサーキットが主戦場のモデルであるべきだと思います。
2024年10月21日 18:08
こんにちは
私も新型GT3のスペックを見てあれ?と思いました。
TPは後部座席がつけられる様になったので欲しいとは思いますが、EVも購入しないと枠がもらえないかもしれません。
なのでもうすぐ発表になるカレラTを待ちたいと思います。
コメントへの返答
2024年10月21日 21:03
こんばんは♪

TPに関しては、後部座席が付けられるようになり、GT3のNAユニットを搭載した4座モデルが欲しかった人にとっては朗報だと思います!

個人的には人気に乗じてEVを抱き合わせで買わせようとする戦略はいくら商売とはいえ、露骨過ぎてシラけます…。

新型カレラTは毎月のように「翌月発表の噂」が飛び交いますが、さてどうなりますやら😊
2024年10月21日 19:34
ダイイングメッセージ!
なるほどです。
私はもし新しいポルシェでサーキット走るならPDKと思っているし、ルマン3連覇のLMP1マシン919のファンなのでハイブリッドでいいです。992.2GTSのハイブリッドはMUG-KだけでなくMUG-Hも乗せてると知りメカニズム的に俄然興味が湧いてます。
992.2GT3の金額の上昇も転売対策に実勢価格に合わせたと考えれば納得出来ますね。買わないし買えないので好き勝手言ってます笑。
コメントへの返答
2024年10月21日 21:08
こんばんは♪

生粋のポルシェ乗り、サーキット好きのOKEYさんもPDK推しですか!まあ1秒を削るなら間違いなくPDKですよね…。新型GTSは色々言われますが、個人的には内燃機関スポーツカーが10年くらい延命されたのではないか?というくらい画期的だと思います。

ハイ、実勢価格が3000万円代後半である事を考えると比較的リーズナブルに感じます。が!実質タイカン抱き合わせとなると、買って売ってザッと900万円の損失なので、スペックで上回る992.1GT3をプレ値で買うのと大して変わらなくなります😅。
2024年10月21日 20:29
申し訳ありません🙏

購入希望ですが簡単にスルー出来ません。
black frogさんの評価は絶大なので、私の視点から見た場合の評価が頂きたいのです。

私はツーリングパッケージ限定です。
前期はコロナ禍の影響で購入出来ないと思い、強制キャンセル組では無かったのに購入不可と判断して自主キャンセル、その後の中国市場の減少で大量に生産枠が回ってきたので購入出来たと知り大変ショックを受けました。私のPCでは9月末の納車に3台のツーリングパッケージがありました。全て私と同じ左のマニュアル車、そして私より後位の順位でした。

後期型のネガな面は全部同意です。
私の淡い救いの希望は高額でもライトウェイトパッケージ装着でS/Tに近い仕様がS/Tより安価で可能、GT3で初めてツーリングパッケージ専用の味付けがなされ、公道にフォーカスした仕様はカレラTの様に一般道で楽しめそうであること。ツーリングパッケージのグリーンメタは標準色とのこと。高額な塗装グレードではあると想像出来ますがPTSより安価であること。

以上の場合は救いがあるかご教授お願い致します。
コメントへの返答
2024年10月21日 21:24
こんばんは♪

いえいえ、私なんぞポルシェ乗りの大先輩であらせられるkcobaさんに意見など申し上げられる立場にありません😅。ですので、飽くまで私見として、書かせていただきます!

今回のGT3は、敢えてあまり大幅に変更して来ませんでした。理由は本文で書かせて頂いた通り台所事情に依るところが大きいと思いますが、恐らく大量に前期モデルを受注漏れした顧客の救済措置という意味合いも少なからずあると思います。

ご指摘の通りクロスレシオ化はS/Tへのオマージュにもなっています。S/Tは前期GT3以上に非常に狭き門でしたので、今回のTPはカタログモデルながらS/Tに近い雰囲気に持って行く事は可能かと思います。よって、kcobaさんの理想がS/Tなら買いで間違い無いと思います。

強いて言うなら…PECで乗った限り、GT3の4.0NAエンジンは5500回転以上でカタルシスが得られるエンジンです。理論上、2速レブリミットで130km/h、3速レブリミットで175km/hに達します。クローズドコースではいざ知らず、公道ではいくら免許証があっても足りません笑。

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「@ボクサーP3 さん、アシ車としては最悪ですね笑。好きだから乗り続けますが🤣」
何シテル?   04/27 20:42
趣味車:992.1カレラT(2023年式左MT) アシ車:GR86“リッジグリーンリミテッド”(2024年式右MT) ファミリーカー:カイエンGTS(2024...
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