
ずっと生産が滞っていた
992.2カレラGTSですが、ようやくまた少しずつ納車が始まっているようです。そしてMY2026(2025年8月~生産)からは素カレラは減産される(恐らくGTSとSの生産に枠が取られる)ようです。そもそも992.1を物凄く引っ張ったこともあり、992.2は望外に
短命なモデルに終わるのではないか、と予想されています。
さて、2027年にMY2028 として登場すると見込まれている
次期911(994(仮称))について、ちょっと予想をしてみたいと思います。現時点で何か確たる情報が出ているワケではありませんので、これまでの911の歴史や現在の立ち位置を踏まえ、完全な私見ではありますが、「ポルシェの今後」考察してみました。
1.994カレラ系は全車ハイブリッド化?
まず、現行GTSが一つの
試金石になっていると思いますが、今後の911は基本的に排ガス規制の問題もあり
ハイブリッド化は不可避と思われます。そもそも、GTSのT-Hybridシステムは、ライバルメーカーが掲げるようなPHEVとは異なり、電気モーターは飽くまでターボのアシスト機能を担っているに過ぎません。当然自家発電によるシステムですがので、他社のPHEVのように電源ソケットにつなぎっぱなしでないとバッテリーが上がってしまうような代物ではありません。海外フォーラムでは、T-Hybridシステムは、
純ICEの派生モデルでは??という議論も巻き起こっています。たしかに、ポルシェ自身もあまりハイブリッドを前面に出さなくなりました。その証拠に、MY2025からサイドのT-Hybridのデカールが無くなり、元のGTSに置き換わっているようです。それはさておき、皆さんご存知の通りT-HybridシステムはPDKの中に組み込まれているため、構造上
MTの採用は不可能です。つまり、994型のカレラ系が全車ハイブリッドという前提に立つならば、
MTは絶滅することになります。992.2カレラTは「最後のカレラ系MT車」かもしれません。
2.一部のモデルはEV化?
先日YouTubeを徘徊していたら、実は992.2カレラGTSのCO2排出量はそれほど低くない、という話題が海外のレビュワーから上がって居ました。確かに、カレラGTSのCO2排出量が251 – 239 g/kmであるのに対し、素カレラは244 – 230 g/kmと、数g/kmしか変わりません。もちろん、GTSの圧倒的なパワーを考えれば頑張っているのだとは思いますが、
企業全体としてのCO2排出量はそれほど低減出来ていない事になります。ご存知の通り、リセール極悪のタイカンを筆頭に、ポルシェのEV車は当初の目論見通り売れているとは言い難い状況です。しかし、どこかで帳尻を合わせない事には、企業として
莫大なペナルティを課せられる事になります。ではどうすればいいのか?基本的には「大人気車種の911にEVを設定する」しか道は無いと考えます。T-Hybridとは違って、直接モーターを動力源として使うシステムを911にも採用する。タイカン、マカンとEV化を果たして来たポルシェにとって技術的にはさほど難しくはないでしょう。ハイブリッドモデルとの
明確な差別化も出来ますし。問題はマーケットにどう受け入れられるか、に尽きるように思います。
3.役物モデルはどうなる?
ポルシェの役物といえば
GT3と
ターボですが、これらのモデルはどうなるのか?結論から言うと、恐らく
GT3もハイブリッド化は避けられないと思います。根拠ですが、992.2GT3が出た時に、これまでのGT3の歴史の中で初めてトルクが落ち、最高速度も落ちました。ニュルタイムは公表されていませんが、下がった可能性が高いです。つまり、
NAエンジンを現在のレギュレーションに適合させつつ更に性能アップするのはもう無理という事です。992.2GT3があれだけ早いタイミングで出て来たということも、このモデルでNAは終わりを告げるという
一つのサインだと思います。そしてもし今後、GT3でGTS同様のT-Hybridシステムを採用するのであれば、GT3とターボをどう差別化するのか?という問題があります。そこで、コレはもう完全に個人的な憶測ですが、同じT-HybridでもRRのモデルをGT3、その高性能バージョンをGT2、4WDのモデルをターボ、その高性能バージョンをターボSという風に位置付けるのではないか、と考えます。唯一GT3RSだけは、別のシステムで更に差別化する可能性も僅かに残っていると思いますが・・。
纏めますと、カレラ系は全モデルハイブリッド化、その高性能版としてRRはGT3の名称を継承、4WDはターボの名称を継承、一部モデルはEVとして994後期くらいから徐々に姿を現すのではないか、というのが私の予想です。まあ飽くまで予想ですが、これまでのポルシェの動きや時代の流れ、Euro7の要件を総合的に判断すると、
当たらずとも遠からずではないか、と思います。数年後、このブログを見返した時にどのくらい当たっていて、どのくらい外れていたか、検証をするのが今から楽しみです^^。今後の911の課題はどうやってその
ブランド価値を維持しつつ、
個性を出し続けるか、という点に尽きると思います。あっちを向いてもこっちを向いてもハイブリッド、EVという世の中で、これぞポルシェ!これぞ911と思わせる
コアバリュー的なモノを保持し続けらるかどうか、がポイントだと思います。もちろん、一定数新規顧客というのは存在しますが、ポルシェの莫大なレガシーは古参のファンのサポートに依るところが大きいと思います。
現存顧客の満足度維持がポルシェ存続のカギになりそうな予感がします。
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Posted at
2025/02/25 13:49:24