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black frogのブログ一覧

2023年05月26日 イイね!

PCCBへの想い

PCCBへの想いカレラTの最終仕様も確定し、先日デポの支払いも完了しました!あとは座して納車を待つのみです♪(7月6日生産開始予定なので、年内には間に合うでしょうか?)カレラTの仕様については色々悩みましたが、最終的には概ね満足の行くモノになりました。そして唯一の不満はPCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)が選択出来なかった事です・・(悲)。

私が今まで所有してきたポルシェ911 5台の内、3台がPCCB付の車両(996GT3、996GT3RS、996C4S)でした。いずれも996世代なので、PCCBとしては第1~2世代となります。出たての頃は冷感時にクラックが発生するなどのトラブルもありましたが、現行のモノはほぼトラブルフリーと聞いています。ポルシェの公式HPから引用します。「イエローで塗装したアルミニウム製固定キャリパーを備えたポルシェセラミックコンポジットブレーキは、あなたのポルシェに究極のアップグレードを提供します。大型のクロスドリルドブレーキディスクは、大きな制動力を発揮し、高速走行からのブレーキング時の極めて短い制動距離と最高の安全性によって、過酷な走行条件における優れた制御が可能になります。さらなるメリットが灰鋳鉄ディスクより50%軽いセラミックブレーキの軽量性です。これによって、グリップ、乗り心地、および俊敏性が向上します」

もともと「宇宙一」と評されることの多いポルシェのブレーキシステムですが、PCCBはその中でも特筆すべき大変高性能なブレーキです。圧倒的な制動性能に加え、耐摩耗性、ブレーキダストの少なさは際立っています。また、鋳鉄比50%の重量減はバネ下重量の低減に大きく貢献しています。ネガな点としては非常に高価なため、サーキット走行を繰り返すには「勿体ない」ということくらいでしょうか。ストリートメインなら20万キロという耐久性があり、車両の寿命とどっちが先に尽きるか、というレベルです。そんな夢のようなPCCBですが、残念ながら現行992ではほとんどのモデルで選択不可となっています。理由は明らかにされていませんが、北米のブレーキダスト規制に適合しないから、とか、単純に生産ラインが追い付かないから、などが噂されています。それでもターボSやGT3RSなどの一部モデルでは確か選択出来たと思うので、実際には需要>>供給に伴う出荷調整のような状態だと想像します。

PCCBは後付けも出来ますが、そうなりますと更に一段と高価です。新車時にOP設定場合は1,666,000円というすでに超高額OPですが、テクイップメントで後付すると倍くらいのコストが掛かります。実際問題、後付けとなると・・正直有り体に言って現実的ではありません。そういう意味で、確かに超高額ではありますが、最初から付けることが可能なら付けておきたかったOPです。一方、カレラTの385㎰というパワーに対して、そこまでのストッピングパワーが必要か、というと恐らく必要ありませんw。純正の鋳鉄ブレーキで何ら問題はないでしょう。でも、やっぱりバネ下重量の低減効果と、あの黄色く輝くキャリパーはポルシェ乗りにとっては垂涎の的です。私はカレラT以降、新たに新車でポルシェを発注する可能性は高くはと思っていますが、もしまたご縁があるようならやっぱりPCCBは是非とも装着したいOPです^^。
Posted at 2023/05/26 14:05:34 | コメント(2) | ポルシェ | クルマ
2023年05月23日 イイね!

992後期型のウワサ

992後期型のウワサ992もいよいよフェイスリフト秒読み開始となりました。ポルシェ生誕75週年を迎える6月8日に発表が予想されているヘリテージモデル第2弾、911カレラSTが恐らく前期型最後のモデルになるものと思われます。現在すでに992前期型の受注はストップしており、GT3系についてはMY2024の割り当てはないと言われています(生産が無いのだから割り当てが無いのは当たり前です)。

さて、その992後期型ですが、海外のソースを斜め読みした結果、いくつかの有力な予想を目にすることが出来ました。海外のフォーラムでは日本のSNSよりもかなりポルシェAGに近い所に居る人たちの書き込み目にすることが出来ますので、それなりに信憑性はありそうな気がします(911スポーツクラシックもダカールも多少の誤差はありましたが、ほぼ予想が的中しています)。それでは、992後期型について現時点である程度分かっていることについてまとめてみたいと思います。飽くまでもネットから知り得た情報に過ぎず、ポルシェAGの公式アナウンスではないので、悪しからず。

992後期型の噂その① ~MTは素カレラとGT3のみ?!~

これは複数の海外ソースで目にしました。マイルドhybridとの兼ね合いだと思いますが、PDKの場合はマイルドhybridユニットを入れるスペースがある(というか、最初から前提で作られている?)ようなのですが、MTだとこれが無いとのこと。この関係で、MTは素のカレラGT3のみ残り、他のモデルはPDKしか選択肢が無くなるというのです。実際、ニュルのテストコースを走るプロトタイプはすべてPDKとのこと。うーん、カレラTはどうなっちゃうの?という素朴な疑問が浮かびます^^;。ちなみに素のカレラは日本ではそもそもMTの設定が無いため、日本国内の正規911のマニュアルが欲しければGT3しか選択肢が無くなる、ということになります。前期型のGTSやカレラTは益々人気になるかも?!

992後期型の噂その② ~ICE、マイルドhybrid、アクティブhybrid~

上述の通り、ICEは素カレラとGT3系のみと予想されています。で、カレラSやカレラGTSはマイルドhybrid、ターボ系やGT2はアクティブhybrid(フェラーリ296のような積極的にモーターを動力性能に活かす仕様)という棲み分けになるのではないか、と予想されています。たしかに、Euro 7の規制と、パフォーマンスの向上を同時に達成しようと思ったらHV化はもはや避けがたいところでしょう。逆に、(たとえPDKしか選択肢が無かったとしても)素のカレラに人気が集中するかも?!と私なんかは思ってしまいますが、さてどうでしょうか?個人的にはHV化にはそれほど大きな抵抗はありませんが、296がそうであるようにアレルギー反応を起こす方は一定数いらっしゃいそうな気がします。

992後期型の噂その③ ~ヘリテージ第3弾、911カレラRS~

これも既定路線ですが、後期型でヘリテージ・シリーズの最終モデルとなる73カレラの復刻モデルが出ると予想されています。ベースモデルは後期型GT3RS。物干し竿のようなリアの巨大ウィングは省かれ、伝統のダックテールに変更。トランスミッションはPDKだけではなく、MTが選択出来るようになるとのこと。当然リアシートはなく、防音材は省かれ、ハンドルはストラップという超軽量仕様になる見込み。冒頭に述べた前期型で登場予定の911カレラST(こちらも軽量ハイパワーを売りにしたモデル)との棲み分けが気にりますが、こちらは前期型GT3がベースなので微妙に立ち位置が異なるのかもしれません。モデル末期に登場するのが通例となっているGT2やGT2RSも当然出て来るでしょうが、伝説のレンシュポルトの前には霞みそうですよね^^。

いかがでしたでしょうか?恐らく今夏何かしらの正式発表・受注開始を経て、今年の10月~12月には後期型のデリバリーが開始するものと思われます。例に拠って、最初はベースモデルのカレラ、カレラS、カレラ4、カレラ4Sから始まり、徐々にバリエーションが増やされていくことでしょう。ちなみに、次期型(994?)については賛否両論あるでしょうが、GT3系を除く全モデルハイブリッド化が規定路線のようです。これも時代の流れですね。いずれにしましても、911の60年の歴史の中で常に「最新は最良」という難題を幾度も克服してきたポルシェ。ハイブリッド化という大きな変革を、どのようにポルシェが克服し、自分達のモノにしていくのか、注目です!!

Posted at 2023/05/23 13:54:39 | コメント(2) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2023年04月21日 イイね!

M96エンジンの真実

M96エンジンの真実主に騒音規制と排ガス規制の問題から、長かった空冷ブロックエンジン(M64)の歴史にポルシェが終止符を打ったのは1996年のことです。その後継エンジンとして、1997年にType 996に搭載された水冷水平対向エンジンは初期タイプである前期型と、2002年以降に投入された後期型が存在します。今回はその水冷水平対向エンジンの違いや特徴についてご紹介していきたいと思います♪

上述の通り、1997年にポルシェは911で初の水冷水平対向エンジンを搭載するType 996を世に送り出します。最終的に3800㏄まで排気量が上がっていたType 993の空冷ブロックと比べ400㏄も排気量が少ない「ダウンサイジング」エンジンでした。このエンジンは多くのパーツをボクスターと共有していたこともあり、当時は「コストダウンされたエンジン」として見る向きも多かったです。しかし、実際には当時のポルシェの「知の結晶」であることが、エンジンの中身をつぶさに見て行くとよく分かります。登場から5年後、2002年にマイナーチェンジが行われるまでの6年間、前期型Type 996は生産されました。この時代のポルシェのエンジンを「M96-01/02型」といいます。01型はRR、02型は4WDを意味し、駆動方法の違いによってエンジンの呼称を変えるのはポルシェの伝統であり、これ以降も継続されています。

前期型のエンジンの詳細は、以下の通りです:-

総排気量:3387cc
最高出力:300ps/6800rpm
最大トルク:35.7kg -m/4600rpm
ボア×ストローク:96mm×78mm
圧縮比:11.3


M96-01/02型での注目ポイントは、この年代のポルシェではすでに採用されていたバリオカム(特許はロータスが所有しており、1991年式の968での採用が最初)がやっと911に組み込まれたことです。バリオカムとは文字通り可変バルブタイミング機構のことで、低回転域と高回転域でバルブのリフト量を変えるという、今となっては決して珍しいメカニズムではありません。当初M96-01/02型は、水平対向ゆえの独持なヘッドがバリオカム機構の採用を遅らせていました。後述する一体成型のシリンダーヘッドとなりようやく採用に踏み切ったものの、やはり水平対向ゆえの独特なカムシャフト周りの機構が要求されたため、そこには創意工夫の跡が感じられます。ちなみに、Type 993に搭載されていたM64-05型で組み込まれていたバリオラムがM96-01/02型に採用されたのは、初期型の後半からです。

そして、後期型のエンジンの詳細は以下の通りです:-

総排気量:3596cc
最高出力:320ps/6800rpm
最大トルク:37.6kg -m/4250rpm
ボア×ストローク:96mm×82.8mm
圧縮比:11.3


ボアは変わらず、排気量アップはストロークの延長でなされています。また注目すべき点は、バリオカムバリオカムプラスに進化しているということです。バルブタイミングが連続可変であるのは同様ですが、カム機構の大幅な変更により、低速/高速の2種類のカムプロフィールをもつカムシャフトが組み込まれ、バルブリフト量が低速側:3.0mm、高速側:10mmとなりました。実際に乗っていると5000回転付近で明確にフィーリングが変わります。また、M96型のもう一つの注目ポイントは、左右バンクの部品共有化にあります。同じシリンダーヘッドが左右で使われているのです。さらに前期型初期タイプでは、その前後に配置されざるを得なくなったカムシャフトに組み込まれたバリオカムを成立させるための機構が非常に複雑になっています。同じM96エンジンでも前期型と後期型ではフィーリングも、整備性も、まったく異なります(前期型エンジンはエンジニア泣かせで有名です)。

また、一般的なDOHCのようにカムチェーンがIN/EX側の両方のスプロケットに噛み合っていません。このため、前期型初期タイプは、バリオカムを中心とした動弁機構にトラブルが発生する可能性が高いといわれています。Type 996 Carreraの前期型は新車当時1000万円近かった事を考えると~300万円という大変リーズナブルな中古価格相場ですが、特異なメカニズム故にその機能を維持していくのにはそれなりのコストがかかることを覚悟しておく必要があります。また、Type 996Type 997前期型にごく少量みられた悪名高きインターミディエイトシャフトを支持しているボルトが破損し修理費用が異常に高くつくトラブル(通称インタミ問題)は、すでに対策部品に交換、またはエンジンを乗せ換えている場合が多いため、心配する必要はないと考えられます(ポルシェジャパンでもリコール対象となっています)。

Type 996は昨今のモデルと比べると相対的に車重が軽いため、個人的に996系は歴代911の中でも最もfun to driveだと思っています(なかなか同意は得られないかもしれませんが)。水冷化されてから、鈍重になったという意見も散見しますがこれは勘違い。水冷化のためのラジエーターやウォーターポンプ等を搭載しているにも関わらず、車両重量はType993 Carreraの1370kgに対して、Type 996前期型の車両重量は1320kgと50kgも軽くなっています(注:乾燥重量なので、実際に水や油が入るとその差は縮まりますが)。ボディワークにテコ入れが入った後期型でも1345kgです。歴代911の中では「圧倒的に不人気」という負のレッテルを貼られてしまっているType 996ですが、発売から20年以上経った今、敢えて乗ってみると現行の911には無いヴィヴィッドさ、そして現代でも十分に通用する動力性能を有しています。

今更Type 996の購入を検討するような変わった方もなかなかいらっしゃらないかもしれませんが、様々な要素を考慮すると、個人的にカレラ系なら2002年以降のモデルがベストだと思います。上述の通り後期型は一般的な可変バルブ機構を持っているため、メカトラブルに悩まされることが少ないためです。参考までに、価格が高騰しつつあるGT3系はご存知の通り空冷ブロック(通称GT1クランクケースもしくは開発者の名を取って"メッツガー"エンジン)を踏襲していますが、エンジンのフィーリングはM96型とはずいぶん異なります。もっと荒々しく、そして高回転まで回しきらないと「旨味を感じにくい」エンジンです。トップエンドのパワー感は素晴らしいですが、年式を考えると整備性(縦割りクランク特有のオイル漏れ)やコストの面で維持するのはなかなか大変だと思います。また個人的には粒の揃った如何にも高性能なエンジンらしい上質感という点ではM96型の方が上だと思います。

以前、それでも911=NAに拘るのか?という内容でType 992のターボエンジンの素晴らしさについて述べさせていただきましたが、一方でネオクラシックの域に入りつつあるType 996~997(前期型)のM96エンジンは当時の技術の結晶であるとともに、まるで生き物のようなヴィヴィッドな感覚を纏ったポルシェ謹製の素晴らしいエンジンです。Type 997後期型からインターミディエイトシャフトが廃され、エンジンも古典的なポート噴射から筒内噴射に切り替えられましたが、残念ながらサウンドもフィーリングもかなりモッサリした物になってしまいました。動力性能的にも、整備性の面でも格段に向上した一方、フィーリングも含め全方位的に良くなったと手放しに喜べるモノではなかった、と個人的には思っています。故に、M96型を搭載するType 996~997は時と共にその輝きを増しているように思えてなりません。

参考文献:中西一雄 水冷ポルシェ・パーフェクトブック 2018年2月5日
Posted at 2023/04/21 14:27:58 | コメント(2) | ポルシェ | クルマ
2023年03月14日 イイね!

ポルシェの一部OPが選べない問題

ポルシェの一部OPが選べない問題久々のブログアップになります♪今だカレラTの割り当て連絡がありませんが、今月中に6月までの生産枠(すなわち992.1の最終生産ロット)が確定するようなので、恐らく近々何かしらの動きがあるのではないかと期待しているところです。さて、本日は表題の「ポルシェの一部OPが選べない問題」について述べたいと思います。

ポルシェの魅力の一つに新車オーダー時に選べる膨大な数のOPがあります。モデルに依っては選べるOP(ポルシェ用語ではテクイップメントと言います)の制限があるため、実は本国や米国ではさらに多くのOPが選べます。で、通常であれば選べるハズのテクイップメントで現在受注できないものがいくつかあります。代表的なモノとしてはPCCB(ポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ)PDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール)、そしてBOSEサウンドシステムなどがあります。BOSEについては最近また選択が可能になったという噂もありますが、PCCB、PDCCについては未だ受注出来ない状態が続いているようです。

で、その理由についてですが、私の知る限りポルシェAGから正式なアナウンスはなく・・ネット上での噂話レベルの話しか分かりません。PCCBについては部品の供給不足に加え、北米のブレーキダスト規制にPCCBが適合していないという噂があります(真意のほどは分かりませんでした)。ちなみに992ターボSにPCCBは標準装備ですが、PCCBの供給がストップしているため、ターボSの受注も現在停止しているという情報もあります。これはこれで本末転倒な気もしますが、「走りのためのモデル」であるGT3/GT3RSでもPCCBが選べないというのはかなり残念な気がします。また、私は今まで所有した996は3台ともPCCB付でしたので、カレラTでそもそもPCCBが設定にないのは極めて残念です。

PDCC、BOSEについてはまったく情報がなく分かりません。上述の通りBOSEについては最近再開した、という噂もあります。911についてはマカン/カイエンのように車高の高いクルマではないので、アンチロール制御がメインのPDCCは不要という気もしますが、BOSEはまあ選択出来るのならアリかな、と。ブルメスターは高すぎ、標準スピーカーはショボすぎ。落としどころとして、ですね。まあとはいえ、軽量ガラスの車内ではそもそもサウンドシステムにこだわること自体ナンセンスという気もします。それにしても・・返す返すも、PCCBだけは本当に残念です。911の中では軽量&スポーティという位置づけのカレラTにはぜひとも設定だけでもしてほしかったです。タラレバの話をしても仕方のないことですが・・。
Posted at 2023/03/14 22:03:25 | コメント(0) | ポルシェ | クルマ
2023年02月03日 イイね!

それでも911=NAが良いのか?

それでも911=NAが良いのか?992のマイナーチェンジ情報が錯そうしています。一説に拠れば数カ月以内に正式アナウンスがあり、最初はICEとマイルドハイブリッドが併売になる、とか。はたまた別の一説に拠れば、前期型バックオーダーがまったく捌き切れていないため、992.2は当初の予定から6か月~1年先送りになり、当面現行992.1のみ販売を続け、途中からマイルドハイブリッドを追加投する、とか。

まあ所説ありますが、992後期型について最大の注目ポイントは➀カレラ系でNAエンジンが復活するのか、➁ハイブリッドモデルが追加になるのか、の2点に尽きるように思います。で、結論から言うと私は現時点でカレラ系NAモデルの復活にはかなり懐疑的です。と言いますのも、基本的に今後欧州排ガス規制が厳しくなることはあっても、緩くなることは無く、いわばNAはすでに絶滅が運命づけられた技術だからです。メーカーというものは未来に向けて開発なり、投資なりをしていくのが普通なので、時代に逆行することはユーザーサイドの幻想であるように思います。911に限らず、ポルシェ全モデルのハイブリッド化、そして最終的にはEV化は規定路線だと思ってまず間違い無いと思います。

で、そもそも何故皆それほどNAが良いのでしょうか?確かに、ターボラグがあったり、高回転化が技術的に難しかった時代(もう10年以上も前の話です)はNAの良さが光っていました。カミソリのようなレスポンスや高回転までのふけ上がり、またリニアなパワー特性もサーキット派のような本気で走る人にとっては大きな魅力でした。しかし、ターボ技術もここ10年ほどで飛躍的に向上しており、ドッカンターボなんてとっくの昔に死語ですし、PDKとの相性もあってラグ?何それ?という状況です。とにかくレスポンスが良く、低回転からのトルクの立ち上がりは凄まじいです。パワーも高回転まで綺麗に出ています。

実際、データを見て見ましょう。これは海外のフォーラムでは有名なグラフですが、991.1と991.2のエンジン出力特性を比較した物になります。991.1はトルクカーブ、パワーカーブともに非常に緩やかで、トルクについては常用域でのもっさり感が目立ちます。実際、991前期型までの911はRRなのでトラクション性能こそ高いですが、実際に体感的な速さはそれほど感じません。一方で、991.2のグラフを見ると、違いは一目瞭然、2000回転以下でピークトルクを発生し、パワーカーブもとてもターボとは思えないほどフラットでリニアです。逆にパワーカーブに盛り上がりが無さ過ぎて、つまらないと感じる人が居るのも頷けます。



一方、下のグラフは992.1カレラSのグラフですが、991.2とほぼ同じような印象です。8000回転オーバーまで回るGT3ユニットとは明確に味付けが異なりますが、ストリートメインで乗る分にはまったく過不足ありません(というか、公道で7000回転以上回す場面ってありますか?)。たしかにトップエンドではやや頭打ち感が出てしまいますが、そもそもそこまで使い切る事はほぼ不可能と思われます。むしろ低回転域のトルク感の方が体感的には「速さ」を感じるので、こちらのパワー・トルク特性の方がむしろスポーツカーとしてはらしさを感じられると思います。



あとはサウンドですが、GT3系を除くカレラ系では私は996~997前期NAのサウンドが一番乾いていて好きです。空冷も悪くはないのですが、粒の揃った如何にも高性能なエンジンという雰囲気は996~997前期型がベストです。高回転域まで回していくとシャーンと更に粒の揃った音に変わり実に心地の良いサウンドです。これが997後期型にになると、直噴化の影響なのか、触媒の影響なのか、残念ながら一気にもっさりとしたサウンドに変わってしまいます。で、991後期型に至るまでエンジンそのものは良いんだけどサウンドはイマイチ・・というのが私の偽りなき印象です。

ところがところが、992前期型になると直噴ターボエンジンとは思えない乾いたサウンドに戻っていました。スピーカーから音を出しているとか色々揶揄されますが、実際にキャビン内で聞く限りは992のサウンドは十分満足の行くモノです。GFPが変更になった、という話もあり私も992カレラTは唯一サウンドが心配でしたが、少なくともYouTubeの車載動画を観る限り、私の996C4S(純正スポーツエギゾースト+社外エキマニ)に匹敵するサウンドを奏でていました。遮音材が省かれているのも良い方向に働いているようです。296のV6ハイブリッドもそうですが、百聞は一見に如かず、ですね。

レスポンス良し、サウンド良し、フィーリングも悪くないとなれば、ターボエンジンのネガはほぼ払しょく出来たのではないか、と個人的には思っています。ハイブリッド化についても私はどちらかというと肯定的です。これは296GTBに乗ってみて、スポーツカー新時代の幕開けを目の当たりにした、というのが一番大きいのですが、とにかくモーターアシストを上手く使えばターボエンジンを搭載したスポーツカーが内包するネガをほぼ完全に払拭することが出来るのではないか、と考えています。唯一の懸念材料は車重増です。現行911はそれでなくとも軽いとは言い難いクルマなので、ハイブリッド化を前提としてどこまで軽量化出来るか、は重要だと思います。

極論すれば、空冷ナロー並みに軽量コンパクトに造れるのであれば個人的には911のEV化もアリだと思っています。むしろ、見た目ナローで中身最新EV、インホイールモーターのRRとかだったらめちゃくちゃ愉しそう!ICEにはもちろんICEの良さが有りますし、それを否定する気持ちは毛頭ありませんが、そろそろ911も様々なシガラミから解放されて、最新・最高の技術を惜しみなく投入した形で造ってもらいたい気もします。ポルシェにとっての「最適解」がどうなるかはまだまだ未知数ですが、向こう数年間は試行錯誤が続くと思います。過渡期だからこそ楽しめるモデルというものもあるハズなので、頭から毛嫌いするようなことなくフラットに見守りたいと思います♪
Posted at 2023/02/03 14:27:24 | コメント(6) | ポルシェ | クルマ

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何シテル?   10/05 13:01
Ohne Porsche kann ich nicht leben. 趣味車:991GT3TP(2018年式 左MT) アシ車:GR86“リッジグリーン...
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