
過去の雑誌記事等を紐解くと、プロドライバーやモータージャーナリストによって書かれた当時のドライビングインプレッションを読むことが出来ます。雑誌はもちろんのこと、カーグラフィックやAutocarなどはウェブ上にも過去記事がアーカイブされていたりするので、比較的こうした旧車の記事を目にすることは難しくありません。しかし、たとえば964を例に取ると、30年前の記事ということになれば当然のことながらタイヤも
30年前当時のタイヤを履いた状態でのインプレッションになります。クルマも進化すれば、
30年間の間にタイヤ性能も格段に向上していることは言うまでもありません。材質、グリップ性能、トレッドパターン、耐久性・・それこそ全方位的に
最新=最良となっています。
実際、「ちょっと飛ばす」レベルでは、最新のタイヤを履いた964カレラ2の挙動は
極めて安定しています。昔の記事にあるような、
お尻がむずむずするような感覚とは無縁で、極めてリアは粘ります。フロントのゲインの立ち上がりも同様で、急な登り坂を除き、いわゆる「手アンダー」のような状況にはなりません。サーキットのようにもっと
限界に近い速度域では当然印象は異なると思いますが、少なくとも公道レベルではパワーも所詮250㎰しかありませんし、RRの強大なトラクション性能も相まって不安になるような挙動とは一切無縁です。昨今のクルマは
ESPの装着がデフォルトなので、コレが無いと不安という若いドライバーの方もいらっしゃると思いますが、
空冷911であっても最新のタイヤを履いていればまず心配ないと言っても差し支えないと思います。
こうした理由により、旧車の走行性能を見る上で、デビュー当時のインプレは
あまり参考にならないと個人的には考えています。タイヤ性能の向上を踏まえて見る必要があるからです。ちなみに私が今964カレラ2に履かせている
ピレリの復刻タイヤは、グリップ性能もハンドリング性能も実にこのクルマに合っていると感じます。下手に高性能すぎるタイヤもリバーストルクによってドラシャやサスペンション等に負荷がかかりすぎる可能性があるため、旧車に履かせる場合は
ほどほどの性能であることも重要と思われます。そういう意味でも、
車種専用タイヤ(Pの場合はN認証タイヤ)は旧車の場合は意味があるように感じます。ちなみに今度のAudi RS4も納車整備でAudi認証の
ポテンザS001に新品交換しました。どんな乗り味か、楽しみです♪
Posted at 2021/08/18 14:08:55 | |
四方山話 | クルマ