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2023年10月16日 イイね!

ポルシェ911のドラテクに纏わるホントとウソ

ポルシェ911のドラテクに纏わるホントとウソCG11月号は皆さまもうお読みになりましたでしょうか?今年はポルシェ60周年ということで様々なメディアで特集を組んでいますが、CGではポルシェの伝説的ドライバー、ヴァルター・レアル氏のインタビュー記事の掲載もあり、非常に内容の濃いモノになっていました。まだの方はぜひお読みください♪(CG誌の回し者ではありませんw)

さて、911は伝統的にRRというレイアウトを取り、故に独特な挙動を呈することで有名です。911特有のドライビングテクニックについては、中谷明彦氏の『ポルシェ911ドライビングマニュアル』に詳しく書いてあるので、興味のある方は手に取って見てみてください。さて、リアオーバーハングに車両最大の重量物であるエンジンを積むポルシェ911の歴史は、その悪癖を乗り越えるまでの歴史と読み替えても大きな間違いではありません。いかにRRの特性を打ち消し、ドライバビリティを高めるか、という点にポルシェのエンジニアはこの50年間、心血を注いで来ました。時にはRRそのものを止めてしまおうという動きがあったり(928、968時代)、時にはRRからAWDにシフトしようとする動きがあったり(964時代)。しかしその都度、911=RRと信じて疑わないコアファンの熱狂的な支持により、RRは絶滅せず今日に至っています。

私は991を除く水冷を3世代、そして空冷を1世代所有しましたが、「911らしさ」つまり「RRの危うさ」があったのは997前期型まで、と思っています。996世代から投入されたPSMにより、大幅にRRの危うさは低減されましたが、それでもまだ限界が近づくとRRの挙動が牙をむく場面があります。実はつい昨日も、たまたま横浜駅~三ッ沢に向かう上り坂で986ボクスターがスピンし、180度反対を向いた状態で追突している場面に出くわしました(外国人のドライバーさんでしたが、ご愁傷様です)。路面はウェット、しかも上りの急カーブ。911ほどではないにせよ、リアヘビーなボクスター、フロントの荷重が上り坂でリアに移動し、さらに低µ路でフロントのゲインが得られにくい状況でオバースピードでタイトコーナーに飛び込み、クルマが曲がらないから慌ててアクセルオフ→スピンという状況が手に取るように想像出来ます。こんな場面はサーキット時代、幾度となく見て来ました。

MRもそうですが、RRのポルシェはとにかく曲がる時はフロントに荷重を乗せる、リアが流れたらアクセルを入れて挙動を立て直す、コレが基本的なセオリーとなります。しかしながら、リアが流れたらアクセルを入れるというのは、頭で分かっていてもなかなか出来ませんので、練習が必要です。一方、こうした挙動の乱れは991以降のモデルでは極端に出にくくなっています。フロントのトレッドがワイド化され、電子デバイスが更に進化、なかなかスピンをさせようと思ってもスピンさせられないようになっています。PEC東京で経験された方はご存知かと思いますが、低µ路や散水路であっても電子制御オンだとなかなかスピンしてくれません。荷重の移動についても、かつての911ほどシビアではなく、素人でも強大なメカニカルグリップを信じて限界付近まで攻める事が可能となっています。冒頭で述べたレアル氏のインタビュー記事にも、「992は難しく考えなくても速く走らせられる」とおっしゃってました。

さて、911は従来トラクションのオン・オフでタックインを上手に使って向きを変える事が出来ます。というか、そうしないと速く走らせる事が出来ませんでした。逆にコーナリングの途中ではトラクションが急激に変わるような運転の仕方は避ける必要がありました。このため、ダウンシフトでのH&Tは限界走行する上ではほぼマストなテクニックでした。しかし、992にはオートブリッピング機能が付いており、これがちょっと試してみましたが、めちゃくちゃ優秀でした。必要な時に必要なだけ回転数を上げて合わせてくれるのは感動的なレベルで、思わずヴァルター・レアルが憑依してペダル操作しているのかと錯覚するほどですw。基本的にサーキットでは絶対に2ペダルの方が3ペダルよりも速いワケですが、このオートブリッピング機能があれば速さでは敵わなずとも、楽しさでは断然コッチの方が上だと思います。ちなみにこの機能は任意でオフにすることも可能ですので、オールドスクールスポーツカーよろしくご自身でH&Tをしたい方はそれも可能となっています。

最後に、先日lidocaineさんがブログに挙げられていた「アイドリングスタート」について一言述べさせてください。アイドリングスタートというのは、かつてナロー~930の初期に「ポルシェシンクロ」と呼ばれるガラスのように脆いミッションシンクロが使われていた時代の名残で、964以降のモデルについてはまったく不要です。私も964を所有していましたが、アイドリングスタートなんてしたことありませんでした。そんなまどろっこしい事していたら、信号ダッシュで国産コンパクトカーに置いて行かれます(爆)。クラッチは素早く繋いで、即アクセルオンで何の問題もありません。というか、そうすべき。空冷、水冷併せて6台の911(すべてMT車)を駆ってきて、散々サーキットも走って来て、未だかつてミッションがイカれたということは一度もありません。というか、そこまでポルシェのメカはヤワではありません。未だに真顔でアイドリングスタートが云々・・と宣うようなポルシェの営業はもうちょっと勉強していただきたいと思います(苦笑)。
Posted at 2023/10/16 14:19:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ

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趣味車:992.1カレラT(2023年式左MT) アシ車:GR86“リッジグリーンリミテッド”(2024年式右MT) ファミリーカー:カイエンGTS(2024...
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