
7月21日に
(※)早くも992.2が
受注停止となったようです。供給能力以上の需要があるのは今に始まった事ではありませんが、どうもそれだけでは無さそうで・・。コロナ禍に於ける半導体不足、そしてウクライナへのロシア侵攻で起きたワイヤーハーネスの不足。これまで経験してきた
サプライチェーンの破たんに伴う弊害が再び起きようとしています。
一つ目は、独大手バッテリーメーカー、
VARTA AGの経営破たんに伴うバッテリー供給量減少の可能性。正確にはまだ完全に破たんしたワケではありませんが、日本で言う所の
民事再生法の手続きに入った、とのこと。VARTA AGは多くの高性能輸入車にリチウムイオン電池をOEM提供しており、とりわけ「V4 Drive」と呼ばれる規格は992.2カレラGTSのハイブリッドシステムにも採用されています。すでにV4 Drive自体はVARTA AGの完全子会社であるV4 Drive GmbH(2021年設立)に業務移管されており、
直接的な影響は少ないかも知れませんが、親会社が破たんするというのは穏やかではありません。ポルシェは現在、電気自動車(EV)バッテリー分野におけるVARTAの事業への投資の可能性について交渉中だそうで、これにはポルシェがV4Drive Battery GmbHの
過半数の株式を取得することが含まれます。この事業はポルシェにとっても生命線なので、切実です!
次いで本日飛び込んできたのが、ポルシェAGが想定外の
アルミニウム合金の供給不足を理由に、2024年の業績見通しを下方修正した、というニュース。欧州のアルミ合金の供給元が洪水に見舞われ、
すべてのモデルの生産に影響が出ているとのこと。さらには、複数の車両シリーズの
生産停止につながる可能性がある、としています。具体的な供給元は明らかにしていませんが、6月末の決算報告書で
「6月下旬の洪水発生後、稼働を停止していたスイス南部バレー州にあるアルミ供給拠点での生産再開時期は不明」と明らかにしいる事から、何らかの影響があったものと見られます。またこの事と関連しているのか、米アルミ圧延製品大手ノベリス社(ノベリス社はポルシェが共同出資する合弁会社にアルミを供給)は6月下旬、工場の操業停止を余儀なくされた
「不可抗力の事態」を自動車業界の顧客に通知したと明らかにしています。
バッテリー不足とアルミ不足の
ダブルパンチということになれば、供給に少なからず影響が出る事は予想に難しくありません。それでなくても
需要過多の状況が続いており、992.1の「予約」すら捌き切れていない状況下で再びこのようなサプライチェーンのトラブルが起きるとはポルシェも、そして顧客も
不運としか言いようがありません。今後新しく出る予定の992.2の派生モデルの登場時期にも影響が出て来るかもしれません。そう考えると、私のカイエンGTSが生産を終えすでに日本に向かっている(昨日喜望峰を超えました^^)というのは
運(とタイミング)が良かったとしか言いようがありません!逆に、枠が取れて現在生産開始待ち、という方にとっては残念ながら
それなりのインパクトがありそうです・・。そして、需給バランスの観点から、992.2の供給が滞るとなると、992.1中古車市場は
再び活性化するかもしれません。
(※)一部ディーラーでの話です
Posted at 2024/07/24 13:58:07 | |
四方山話 | クルマ