
ポルシェがすべての718系モデルと911系モデルの受注を9月1日を以て停止するとのこと。方々のSNSや匿名掲示板でもそれらしき情報が飛び交っているので、恐らく近日中に正式なアナウンスがあるものと思います。911に関してはちょうどFLのタイミングなので、それに伴う受注停止の可能性もありますが、718はポルシェ・スポーツラインのエントリーモデルなので、個人的には
由々しき問題だと思っています。
本ブログでも繰り返し半導体不足に加え、ウクライナ危機等によって様々な分野に於いて
品薄状態が常態化している問題について触れて来ましたが、ポルシェにもついにその影響が出て来たと考えざるを得ません。で、私が一番違和感を覚えるのはタイカン、カイエン、マカン、パナメーラなどの非スポーツモデルは一切受注停止の話が出ていない、という点。つまり、これらの非スポーツモデルは今まで通り普通に買える、という事です。えーっと、私の記憶が正しければ、
ポルシェってたしかスポーツカーメーカーでしたよね?何なら20年ほど前まではスポーツカー専用メーカーだったハズです。それがいつの間にこのように
一般乗用車がメインで、スポーツカーはオマケのメーカーに成り下がったのでしょうか??
しかも一説に拠れば、タイカンやらパナメーラやらの在庫がダブついている
不人気車種を何台か買えば、意中のモデルが買えるとか??やっていることはいわゆる
抱き合わせ商法(=違法行為)みたいなモノですよね。子供の頃、ファミコン全盛時代に、欲しいソフトを買うために不人気ソフトを何本か掴ませてきた近所の
悪徳おもちゃ屋の親父の顔が想起されますw。まあ似たような事は高級機械式時計の世界でもあって、パテックフィリップなんかも、不人気なレディースモデルやら装飾モデルを何本かお布施として買って、ようやく欲しいモデルが手に入るという構図になっております。欲しいモデルがあって、買うお金もあるのに、お布施をしないと買えないというワケです。此れ如何に。
こうしたポルシェのビジネススタイルには個人的に大いに疑問を感じます。そもそも、ポルシェは今も昔もスポーツカーメーカーであったハズです。にも拘わらず、欲しくも無いセダンやらSUVを買わないと、本来の目的であるスポーツカーが買えないというのはどう考えても理屈に合いません。しかも、今盛んに言われている
SDGsの精神にも反します。そもそも環境性能云々と言いながら顧客に
「不要な買い物」をさせて環境負荷を増やしてどうする?という話です。何年待っても良いから、受注は受けるべきです。もちろん、一部の限定車や極端に生産台数の少ないモデルについては
ある程度の制限は必要かと思いますが、それでも
公平に抽選するとか、いくらでも方法はあるハズです。
買いたくてもモノが無い、というこの状況はコロナ以降あらゆる分野で顕著になってきており、個人的にはかなり
食傷気味です。それでいて、個人的には抱き合わせに乗っかってでも欲しい!!と強烈に思えるような魅力的なモデルがラインナップに無いのもまたやるせない気持ちになります。992.2辺りはポルシェが造る「最後の純ガソリン車」になるかもしれませんし、人生で
最後の新車911にしようかと思っていましたが、この状況ではちょっと躊躇してしまいますね・・。まあそれでも欲しい人は欲しいんでしょうし、お布施をしてでも有難がってポルシェを買う人は買うのでしょうから、私ごときがとやかく言うべきことでもないのかもしれませんが。
もちろん、ポルシェだってビジネスだというのは良く分かりますし、インポーターや販売店にはそれぞれノルマがある、というのも頭では理解出来ます。でも、こういう商法であったり、色々過去のヘリテージを食いつぶすようなやり方を見ていると、
ポルシェというメーカーに対するリスペクトというか畏敬の念みたいなモノが削がれていきますよね。まあ旧いポルシェに乗っている身としては、メーカーには存続してもらわないと困る、という事情もあるので痛し痒しではありますが(溜息)。このような現状に於ける親愛なるポルシェラバーの皆さまのご意見をぜひお聞かせ願えれば、と思います。
Posted at 2022/08/29 14:31:55 | |
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