
相変わらずの、薄い温泉である。
もっとも宮城には「鳴子」というガチすぎる温泉地があるので、
誰も秋保にそれを求めていない。
仙台から近くて、お風呂に入って、宴会ができればそれでいい。
そういう温泉地。それが秋保温泉である。
〇 ホテル瑞鳳
30年以上前になる。
記憶の中にうっすらとある。バブル期の記憶。
絶頂期で早死にした祖父。その莫大な保険金で遊び歩く祖母。
その祖母が三越のツアーか何かで知り合ったのが、千葉観光社長だった。
仙台市内でいくつかビジネスホテルを経営していた千葉観光(株)は
バブル絶頂が近づく1988年。仙台の奥座敷、秋保温泉に高級温泉旅館をおったてた。それがホテル瑞鳳である。
社長の旦那の好みによる高級外車による送迎サービス。数百万円単位の錦鯉が館内を泳ぎまくる。使い放題のフカフカのタオル。部屋食には職人がてんぷらを揚げに回っていた。
そんなハイエンドな宿である。
とにかく見栄っぱりな祖母に連れられて、僕らはこの宿に泊まったのだ。
〇 放漫経営
そんな千葉観光は98年に事業を停止した。バブルの崩壊である。
表向きにはメインバンクである拓銀(北海道拓殖銀行)の破たんが原因と言われるが、地元民的には完全に放漫経営の末である。
前述のホテル瑞鳳は、各部屋に露天風呂を配置したよりハイエンドの別館「櫻離宮」を建設し、さらによせばいいのに「仙台に国際会議を誘致する」ということでコンベンションセンターを建設。
ここの社長夫妻は、旦那が土建屋の社長、奥さんがホテルの社長なわけだが、社長はボクシングが好きだったらしく、仙台で唯一のプロボクシングジムも経営。地元の有力選手を看板に海外から選手を連れてきた。
結局この夫妻は詐欺で逮捕。ホテルは競売の上でカラカミ観光へ。
カラカミ観光により、徹底した合理化と近代化が行われ、ホテルは存続している。
〇 剥がれ落ちる外壁と、それなりに人出のあるプール
そんな宿に家族で泊まり来たのは、室内プールがあるから。それもスライダー付きのリゾートプールである。
で、この温泉ホテルのリゾートプール。まぁ、これもいいんだか、悪いんだか。
需要はあるものの維持費もかかるため、営業日を限定している施設が多い。
隣にあるのは閉鎖されたコンベンションセンター。外壁のタイルが落ちまくっているが、とくに修繕するつもりはなく、ただ人的被害が出ないようにネットを張るだけですませており、廃墟化の道をたどっている。
うん。なんだったんだろうねえ。バブル景気。
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Posted at
2021/12/30 00:23:54