
週刊朝日が休刊するらしい。
休刊といっても実質廃刊だろう。雑誌の番号取るのがめんどくさいのでたとえ廃刊でも休刊扱いにして雑誌の番号だけは確保しておく。というのは出版界の常識だからだ。
休刊の理由はいろいろ言われている
人気の連載を作れなくなってきたこと。
鉄板購入層におもねるあまりに思想的に傾きすぎたこと。
その鉄板購入層の老眼が進んで雑誌を読むのがつらくなったこと。
天下の朝日新聞からの出向組はエリート意識が強すぎて粘りづらい取材ができなくスクープがとれなくなったこと。
等等。
そういえばサラリーマンの鉄板雑誌だった週刊ポスト週刊現代も完全に老人向けの雑誌になってしまっている。なんだよ「医者いらずで100まで生きる」みたいな特集。
で。
そんな週刊朝日に、ちょっとだけ思い出がある。
〇 角川お家騒動
僕はいつもの通り、書店で漫画雑誌を立ち読みしようとしていた。
ところが・・・最新号を開くと知ってるはずの連載漫画が全然乗ってない。
表紙を確認する。うん、いつもの雑誌だ。
そしてその隣に、全く違う雑誌名が創刊していた。そう、今月号に乗ってるはずの連載陣がまるまるそっちに載っていたのである。
全然意味がわからない。漫画雑誌のほかにゲーム雑誌もそうだ。
本を開いても、コラムからコーナーから、そもそもの雑誌のつくりまでなんか違っている。そして隣には創刊された新しいゲーム雑誌。そちらには読者コーナーまで忠実に移植されていたのである。
・・・そう。いわゆる角川お家騒動。そして電撃グループの誕生である。
角川春樹と角川歴彦。兄弟喧嘩により追放された弟は、彼を慕うコミック部門とゲーム部門を連れて角川を出た。というのが真相なのだが、
コミック。それもコンプなんてマイナーな奴。さらにゲーム雑誌みたいな多くの人間の興味ともならん部門であったうえに、当時イケイケの角川春樹は角川映画の力もあり権威・権力は絶大。
なので、この角川お家騒動をどこも報道しなかったのである。
とはいえ。当事者としては本当に何が起きてるのかわからない。先月までの続きが別の雑誌の中身になり、当の雑誌は(角川側も意地で外注して雑誌を作り続けた)中身が変わってしまってるのだ。
なんの説明もなく。
今だったら作家がツイッターで「こういうわけで編集部ごとこちらにお世話になることになりました!」とか報告するんでしょうが、90年代初頭にはインターネットすら満足にないわけで。
で。
その角川お家騒動を(僕の記憶では)唯一報道したのが「週刊朝日」であり、僕は一番町の丸善で週刊朝日を立ち読みしたのをいまだ憶えているのである。
〇 なお。
なお。その後、春樹はレックス恐竜物語を微妙に外した後に覚せい剤で逮捕・失脚。創業家より弟の歴彦が戻ってきて電撃グループが傘下に入って今に至る。
と思ってたら。五輪汚職で歴彦が逮捕されていた。
兄弟・血は争えねえな。
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Posted at
2023/01/21 10:26:15