
メルセデスベンツのCEOがCASEをぶちあげて5年超。
来るはずの未来が、来ない。
〇 シエンタ購入
ネッツ。午後7時過ぎ。
営業時間は18時までのはずだが、うちを含め3件ほど絶賛交渉中である。
3月。当然、整備チームもフル回転で働いてるようだ。
相変わらず、ブラックな職場だなぁ。などと、冷めたコーヒーを飲みつつ思う。
うちとしてはそこまで限界値引きをするつもりは一切なく、むしろディーラーオプションも削らず、ディーラーの稼ぎも配慮したうえで臨んでいる。にもかかわらず、やれ端数を切れだとか、とか店長に確認してきますとか、昭和から延々と続く自動車購入の儀式を行っている。
店長に確認してきます。とか、上のものに掛け合ってきます。とか、本当にやってんのか。っていうと現役ディーラー営業がyoutubeで言うには奥でコーヒーを飲んでるらしい。本当に儀式か。
だいたい、ネッツという名前自体、来るべきネットワーク社会における新しい形のクルマディーラーを目指していたはずである。それが「ワンプライス」である。値引き交渉とか不公平だし無駄だよね。一つの値段で売ります。というやつだ。
これ、マツダもデミオのインターネット販売専用モデルを用意したりとか、なんかそういうブームが一瞬あった。一瞬あったけど、クルマは値引きをして買うものという商文化の前に敗北して今に至るのだ。
だいたい、なんで車を買ってるのだ。
来るべき未来。CASEのSはシェアカーのSである。握手券目的のドルオタ以外CDを買わなくなったように、個人で車を所有することは時代遅れとなり、我々はサブスクで自由に必要な時にクルマを利用できるようになってなければならない。
〇 クルマはいつまでもコネクテッドしない。
メルセデスベンツのコンシュルジュサービスが終了する。メルセデスの規模とユーザー層でもサービスを維持できないのかという気持ちと、メルセデス乗ってる連中ならクレカの色も違うだろうし、クレカのコンシュルジュサービス使えばいいんじゃねってのものある。
SOSコールの方は一般的になってきた。というか2020年から義務化されてたのか。まぁ、これが精一杯というところか。なお首都高でエンジンが止まったレヴォーグさん、「販売店が開くまで待ってね」と言われたらしい。まぁ、そんなもんやな。
そんなわけで、クルマはいつまでたっても、道路と、他のクルマと、インターネットとコネクトしてくれない。新型のディスプレイオーディオはそのままではyoutubeを見ることもU-NEXTも見れない。U-NEXTのその他(はーと)も見れない(やめなさい)
今日も見通しの悪い交差点でひやりとした。いつになったらクルマ同士がコネクトして、ニュータイプのように「この曲がり角、クルマが来てる!」と判断するようになるのか。
〇 クルマはいつまでも自動運転しない。
シエンタとは何か。といえば、お母さんが子供を保育園に届けるためのクルマである。毎日。毎日だ。だったら、そろそろクルマが勝手に保育園まで行ってくれてもいいじゃないか。もし8月に出るシエンタにそんな機能があるのなら、僕らは喜んで新型を待っただろう。だが断言する。新型シエンタにそんな機能は備わらない。
〇 ついでにクルマはなかなかEVにならない。
トヨタ初のBEV、bZ4X。は販売しないらしい。リースだ。欧州勢は次々とBEVへの移行計画を発表してるなか、国産車はなんとものんびりしている。そんなことできっこないとばかりにだ。
まぁ、もし万が一10年で電気自動車に切り替わってるとしよう。切り替わってるということは、BEVのメリットがICEのメリットをはるかに凌駕してるということだ。もしそうならば、ICEと旧来のトヨタ式HVで登場するであろう新型シエンタを待たなくて良かったね。とBEVに切り替えてるだろう。
そんな未来が、本当に10年後に来てるのならばね。
〇 そして、確実に来るであろう未来。
来るはずの未来がなかなか来ない。クルマは空を飛ばないし、チューブの中を移動したりもしない。目的地までyoutubeを楽しみながら移動できたりもしない。
一方。
「まぁ、お母さんも乗せるようになるだろうしねえ」
嫁がぽつりと言った。今でも元気に車で移動している義母だが、前に一緒に移動するとき、後方を走りながら「お母さん運転危なくね?」っていう場面に遭遇した。
シエンタのスライドドアを開き、低い床を確認し、シートの高さを確認する。それはもう、確実に来るであろう義母のことを考えてだ。
「10年後には長女も大学生だし、シエンタをあげて、好きなクルマ買うし」
嫁はすでに10年後を見てるようだ。
そしてそれはいつまでも来ない未来ではなく、まず間違いなく来る未来の話なのだ。
Posted at 2022/04/03 10:42:52 | |
トラックバック(0) |
シエンタ | 日記