2022年08月09日
唐突に現場に社長が現れた。もう嫌な予感しかしない。
そして呼ばれる小生。
社長「というわけで、値上げしよう。値上げ。上げられるところを洗い出してくれ」
僕「え? 僕の給料上がるんですか?」
社長「なんで?」
なんでじゃねーよ。
〇 弊社の社長、インフレに気づく。
社長。なんか車が調子悪かったとかで、ディーラーに行ったらしい。
通常であればその時点で営業が新しいクルマをセールスしてくるものだが、このご時世なので営業だんまりである。それでも社長はショールームを見て回り、クルマの値段にびっくりして、「こんな高かったか?」となった。と
で。
このままの収益では俺のEクラスがCクラスになってしまう。値上げしないといかん! と思ったらしい。なんだその不純な動機。
〇 ところで弊社はどうなの?
というか、右から左に流すような物品に関して、仕入れの値上げ分はすでに値段にぶっこんである。見た目の収入はあがるけど収益はトントン若しくは下がるっていうやなやつだ、これ。
で。
売り上げの大部分はいわゆる技術料なので、円安やウクライナによる値上げの影響を受けない。受けてないのだ。
なので値上げをしろと言われてもベースが技術料、もっと言えば僕達の人件費なので、僕達の人件費を上げてくれるのか?という冒頭の話になるのである。
〇 値段って不思議だよねー。
本日。VWが値上げを発表した。というか輸入車各社だろうが、原材料を輸入している国産車だろうが、改良を伴わない値上げを平然としてくる。
社長がベンツが高くなった。といっても、金太郎(MercedesBenzJapanの社長)は本国からベンツを仕入れてきて利潤を乗っけて売ってるお仕事だから、仕入れが上がったらその値段をもとに売値を決めなきゃいけない。
かつてアダムスミスは神の見えざる手と言って需要と供給のバランスで値段が決まると説いた。説いたよね。違うかも。
需要が増えれば値段が上がり、供給が増えれば値段が下がる。
ちなみに我が業界は、供給が増えた結果「みんなで稼がないといけないね」ということで値段が上がってきた。イヤ、マジで。
クルマだってそうだろう。ベンツはAとBを切り捨てて「クルマなんて高ければ高いほどいいのよ」っていう層をターゲットにすることにした。
この客たちは同じ性能同じ内容なら「じゃあ高い方がいいわ」という買い方をするのだ。アダムスミス仰天や。
原価がわかってる商売はまぁいいだろう。外食で言うところの原価3割ってやつだ。世の中にはなんでも原価で考える原価厨が存在するが、高原価を誇ったいきなりステーキが値上げ圧力の吸収が全くできずに爆散しているのを見ると、高原価というものがそんなに良くないことがわかる。
我々は収益を上げないといけないのだ。
〇 つまりまぁ。
値段を決めるときに原価から決めるのか、ベンツが買えるように設定するのか
正しいのはどっちだ。みたいな話。というか
単純に給料上げろ。という話。
Posted at 2022/08/09 15:58:56 | |
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