2023年12月04日
故郷って、みんな持ってるものなのだろうか。
賃貸で家族としての生活をはじめ、どこかのタイミングで郊外に家を買う。
その場合の故郷とはどこか。最初の賃貸の地か。郊外の家か。
僕らの上の世代までは故郷があって当たり前だったが、僕らあたりからそうでもなくなったと思う。
僕と嫁さんが故郷とする石巻は、そういう地だ。嫁さんは旧来の石巻に実家があり、そこで中学卒業まで過ごした。義父はその家を守り続けてそこで亡くなった。義父と嫁さんにとって石巻は故郷である。
では僕は。といえば、僕が石巻で過ごしたのは4歳までであり、妹は生まれたばかりであり、下の妹は生まれてもいなかった。そう考えると、下の妹にとっては石巻は故郷でもなんでもないことになる。
でもまぁ、ここに父方の実家があり、父方の墓がある。というのも事実ではある。
〇 祖母の話。
中村獅童が次男の指の欠損を発表し話題となったが、まぁうちも似たような障害が出た。この障害が出た妹を隠そうとしたのが祖母であり。祖母はお客様が来るたびに、初孫である僕を見せては自慢し、障害が出た妹を隠した。
そして僕には「あなたに障害が出なくてよかった」と言い聞かせていた・・そうである。
そうこうしてるうちに祖父が死んだ。父がそこで決断した。
僕ら家族は祖母を残し、石巻を離れた。ここではうちの子を育てられない。そういう決断だった。
祖母は常に、誰かをほめるのに誰かを貶さないといけない人だった。
「〇〇ちゃんは勉強できてえらいねえ」で済ませばいいものを「〇〇ちゃんは××ちゃんと違って勉強ができてえらいねえ」というタイプ。××ちゃんのくだりいる?
だからまぁ、祖母がそういう性格でなく、祖父がガンで早死にせず、妹に障害がでなければ、僕はそのまま石巻で育ち石巻が故郷となったのであろう。
その祖母の一周忌である。
〇 法事
お経は15分程度で終わった。なんかどんどん短くなってねえかこの坊さん。
四十九日に雪の中来てくれた姿に感銘をうけた。みたいな感想をわざわざ言っていたが、来たのは僕と両親の三人である。
差をつけるのが愛情だと思っていた人だから、差をつけれらた方は心穏やかなわけがない。叔父さん一族は最後まで消極的で、なんとか説得しとりあえず一周忌を執り行った。飯の席では一切の個人に関する話がでなかった。
暖かい一日だった。石巻は津波の跡が残り、市街地はパッチワークのように更地が点在する。
ふるさとは遠くにありて思うもの。って誰の詩だっけか。
Posted at 2023/12/04 02:40:22 | |
トラックバック(0) |
日記 | 日記