
「星空を見に行こうぜ」
大学生らしい話である。まぁ、もっとも野郎しかいなかったが。
そんなわけで、なんか2台の車に分乗して無駄に山に行った。
その帰り道、前をはしるI君のクルマがおかしい。僕は後ろのクルマに乗っていたが
「さっさと行こうぜ」みたいな感じで追い抜いて行った。
後で聞くと、I君は「ゆるやかな下り道だし、エンジン切ればお得なんじゃね?」と思ってエンジンを止めてしまっていたとのこと。
昔のクルマは走行中にキーをひねって普通にエンジンを切れたのだ。いや、馬鹿じゃねえの。
まぁ、I君はなんというか「関西人にこういう人いるよね」という関西人で、価値基準がお得かどうかって人だった。彼はロータスのセダンに乗っていた。「これで20万やねん、めっちゃお得やろ?」。ああ、20年近く会ってないのにもう声が自動再生される。いるよね、こういう人。「これいくらで買ったとおもう? 〇〇円やねん。めっちゃお得やろ?」「今のバイト、時給めっちゃいいねん」etc。
そんなI君はどこからかロータス持ってきて乗ってもののガス代の高さに気づいてそんな凶行に走ったのだろう。そのままエンジン切ったクルマで峠の星になることもなく、彼の就職先は厚生省だった。今もいるはず。そしてたぶん、何もかわらず「やねん。めっちゃお得やろ」とか言ってると思う。
〇 停車中にエンジン切ってガソリン使わないねん。めっちゃお得やろ。
ちなみにこれを本当にやったのが我らがトヨタであり、アイドリングストップは地味に日本生まれで世界に広がった技術だそうである。
エンジンは別にタイヤを回すだけが仕事ではない。エンジンは動きながら、パワステとかブレーキアシストとか、いろいろなところでその力を利用されている・・・らしい。エンジン停めて掛け直すだけやろ?と簡単に考えるが、まあわりといろいろめんどくさいらしく、その実現で、マツダはi-stop、ベンツはECOスタートストップとたいそうな名前をつけている。
e-power前夜の日産なんかはたかがアイドリングストップを「ピュアドライブ」と言い換えて御大層なバッチを張り付けていた。いや、何をどう解釈したらそんな誘導ができんねん。さすが「充電のいらない全く新しい電気自動車」を生み出す会社は一味違う。
ピュアドライブってなんだ。スカイアクティブみたいなもんか。
〇 かくして、ほぼすべてのクルマがアイドリングストップするようになった。
なにしろ環境問題である。中にはアイドリングストップを条例にしてしまってる地域もあるとか。トヨタのHVについていけなかった欧州各社もこぞって取り入れざるをえなかった。渋滞中にもくもく煙出してるのは見るからに、イメージ的に悪いからね。トヨタヴィッツが始めたことをベンツSクラスがパクるとかこの技術くらいではなかろうか。
そんなわけで、トヨタもマツダも日産もスバルも軽自動車もベンツもBMWもプジョーもポルシェもみんなアイドリングストップするようになった。
この、ほぼほぼ全メーカー全車種に普及しました。ってすごくね?
スタートストップスイッチ、電動調整サイドミラー、USBポート。そんなもんじゃね?
あとハイマウントストップランプとか。これは法令だが。
〇 で、結局どうなの?
そこである。で、結局どうなの?
普及したはいいものの、である。
アイドリングストップでガソリン・軽油の消費は減りました。
でも、エンジンは痛みやすくなりバッテリーの交換頻度は上がった上に値段もあがりました。もしかしたら結局CO2減ってないかも。
みたいなことである。
しかも、やはり再始動時の衝撃とか音とか気になる派も多いし、なによりやはりこれエンジンに良くないよね。と。
だから、あえてアイドリングストップを使いません。という人も結構いるし、キャンセラーの需要も高い、みたい。
〇 さて・・・
まぁ、そういやなんでスタートスイッチにECOスタートスイッチオフがくっついてんのベンツ。とはなんとなく思っていた。なんでわざわざこのスイッチをこの特別な場所に置くのかなと。
まぁ、道路状況で15秒以上のストップにならないときは帰って損だから切り替えて使えってことなんでしょうけど。
なので、いちいちボタンを押して発進してるけど、そこまでのストレスにはなってない。
さて、問題は季節が暖かくなったりバッテリーを乗せ換えたりして、僕のブレーキホールド問題が解決した時である。さあ、アイドリングストップ、燃料費節約のため、地球のため、静かな停車時間のため、使うべきか。それともエンジンとバッテリーのためにもう使わないべきか。
PS 前のスバルXV(先代)も当然アイドリングストップするんですが、条件が厳しいのかなかなかアイドリングストップしてくれないうえに、してもすぐエンジンかかっちゃうので、9年間オフボタンを使うことはなかったなぁ。
Posted at 2022/01/21 18:46:07 | |
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