
2時間。2時間である。120分。
コーヒーを出されたけど、昔はお菓子とかついてなかったっけか。
展示されてるのは、新型Cクラス。操作性はともかくセンターコンソールからタッチパッドがなくなったのは、それはそれで腕がおけていい。
とはいえ。まぁ、車を見て回っても時間はまだまだ余っている。
営業氏に「何か試乗できるものあります?」と聞いてみたが「ないですねー」とけんもほろろである。
まぁ、そういうわけで。タイヤ交換と2万キロ超え点検の時間どうしようか。
歩くか。
〇 曇天模様の中、歩き出した。
「客としていまいち大切にされてない気がする」
まぁ、気がする。ではなくて実際その通りなんだろうが、
そう客に感じさせてしまっては商売としてあかんのではないか。
とはいえ、まぁ、自動車ディーラーあるあるなのかもしれない。
GLBごときで客を名乗るな。といわれれば、まぁその通りだ。
AMGパフォーマンスコーナーで老夫婦が営業マンと楽しく談笑されていた。
ボロボロのワゴンRをコンビニに特攻させる老人もいれば、同じ年齢でAMGを乗り回す老人もいる。
ぜひ、後者でありたい。じゃあ、僕はそのために何をしている? と考えれば、何もしてない。
客として大切にされてないのではない。僕に上昇志向が足りないのだ。
そう思うことにした。
中古車コーナーが削られてEV充電コーナーが作られていた。
メルセデスベンツは数年でAクラスBクラスはもう捨ててしまい、高級EVメーカーとして価格帯を一気にあげてくるはずである。
どのみちMercedesの客ではいられなくなるのだ。
〇 レクサス
「どうして勉強しないといけないの?」
子供に聞かれたら、答える言葉を決めている。
「勉強さえしたら、安いベンツくらいは乗れる。その先は知らん。その先は俺も見てない。おまえ次第だ」
答えになってないな。
レクサスが日本に上陸して17年。German3の牙城は崩せないと思われていたが、まあ、トヨタには勝機があったのだろう。
それが「ディーラーの質だ」
自動車を買う相手はディーラーであり、営業マンだ。
一方高級外車のディーラーは有象無象。
まぁ、その代わりわけのわからん値引きを繰り出してくるわけだが。
インテリが書いてヤクザが売るのが新聞なら、世界的有名企業の世界的超高級商品をよくわかんないローカル企業が売るのが高級外車である。
トヨタの目論見は成功し、ディーラーの質で多くの客を確保した。
一方の外車組は自動車自体の魅力と低価格帯のクルマの導入ですそ野を広げた。
さぁ、僕は次は(予定はないが)どうしよう。
〇 タワマン。
工業地帯に地下鉄を通し、工場跡地にマンションを建てる。
といえば東京の湾岸マンションみたいだが、ここは仙台である。
駅徒歩1分の三井のタワマンが絶賛建設中である。
マンション情報を交換する掲示板などを見に行けば、まぁ、醜い争いが繰り広げられている。上杉から仙台駅まで歩けば20分くらいかかるけど、ここからなら乗り換え込みでも15分足らずだから上杉より卸町が上!といえば、黙ってられないプライド高い上杉民がそんな空気の悪いところ住みたくないと反論する。
別に納得のいく好きなところに住めばいいじゃないか。と思わなくもないが、人は自分の買ったものに相対的な価値を認めてもらわなければ安心できないようだ。
で。
タワマン住みたいか。と言われれば、まぁ、どうなんですかね。
それより僕が建設中のタワマンを見上げて思うことは。
「クレーンの運転手かっこいいな」
もう、これ。ほんとこれ。
クレーンもでかくなればでかくなるほど運転できる人が限られてくる。みたいな話を聞いたことがある。
つーか、卸町のタワマンを考える人々より、正直あのクレーン動かしてる人の方が給料もらってんじゃねえの?
なんだろう。あれ、建設現場とともに移動してるんだろうか。
だとすると「お父さんはクレーンの運転手」とかほとんどお父さん家に帰ってこないのだろうか。それとも一仕事終わるたびにまとまった休みがあるのだろうか。
タワマンに住みたい! って思うより、タワマン作る方になりたい!
って方がなんか楽しくないだろうか。
僕の出身大学では「工学部は難易度と卒後の待遇は反比例する」という話があったなぁ。と。入試の難易度が高いのは建築や情報、卒業後就職して大切にされるのは材料物性や電気電子。とかそういう話だ。
そういうことからなんとなく建築関係を敬遠していた理系だが、なんだろう、やっぱかっこいいな、クレーン動かす人。そうそう自動化もできんだろうし。
〇 スカスカ卸町イオン
卸町のイオンまで来た。時間があまってるのでここのフードコートで飯を食う。
フードコートはさらに過疎化が進み、白い壁で封鎖された店も多い。
この惨状を見たら、そりゃ雨宮のイオンは進まんだろうなぁ。と思う。
巨大企業イオンをもってしても、まぁなんかうまくいかんものはうまくいかんのである。
僕みたいなちっちゃな個人が、うまくいくことだけを考えるなんておこがましいのでは。などと思いながら昼食をとった。
ディーラーで整備を受けている僕のGLBはちっぽけだ。
だからといって、大きな車を目指そうとも思えない。
上昇志向がない人間はおいていかれる。
それで、いいのかもしれない。