
どぅりんりです乁( ˙ω˙ 乁)
エンジンオイルの添加物の中や、オイル添加剤には、FM剤というものが含まれることが多々あります。
FM剤とは「フリクションモディファイア」の略称で、摩擦係数低減剤、摩擦係数調整剤と言われることもあります。
このFM剤には主に3種類の分類があり、「油性向上タイプ」「固体潤滑タイプ」「有機モリブデン含有タイプ」があります。
油性向上剤タイプとは,炭素数12以上の長鎖アルキル基の末端にカルボン酸類,アミン類,りん酸類あるいはそれらの誘導体を官能基としてもつ極性化合物をさします。これら極性化合物が金属表面に密に化学吸着し,摩擦面の金属間接触を減らします。混合潤滑領域の摩擦面は摩擦熱によりかなり高温にさらされるので,吸着力の強い極性基が求められます。しかし,吸着力の強い極性化合物の添加はエンジン油,ギヤー油の総合性能のバランスを崩す懸念があり,それらのバランスを崩すことなしにFMとしての機能を発揮させるための工夫と努力がなされています。この点が油性向上剤イコールFMとはならない点であり,新技術として注目を集めるに値する価値を生み出している点です。
固体潤滑タイプはMoS2やグラファイトなど層状格子構造をもつ物質は古くから固体潤滑剤として使われてきましたが,これらもFMとして使用するには,0.5μm程度の極微粒子にすることと,油中に安定に分散させる必要から固体潤滑剤分散用の分散剤の併用を要します。通常,固体分として油に1%程度添加されます。これらを添加すると新油時から黒色状となります。
固体潤滑剤の結晶構造は多数の薄片が積み重なったような原子層からなっており,潤滑部位にかみ込まれた際,その原子層にそって容易にくだけることが摩擦低減作用となります。
油溶性有機モリブデン化合物は,しゅう動面で摩擦により発生した高温の熱で分解し,MoS2あるいはポリマー状物質を生成することにより摩擦面をおおい,金属同士の接触を防ぐといわれています。生成したMoS2が固体潤滑剤として機能して摩擦係数を下げると思われます。
摩擦面上にFriction Polymer状の膜が形成するのみではFMとして機能しません。摩擦防止剤兼酸化防止剤としてよく知られているジンクジチオフォスフェート(Zn DTP)なども同様の経路をへて摩擦面上にFriction Polymerを形成することが知られていますが,摩擦低減効果は大きくありません。
油溶性有機モリブデン化合物は,それ自身油溶性のため固体のMoS2を添加する場合と異なり,分散剤の併用を必要としません。分散剤の使用は他の添加剤との相互作用の見極めを要しますがその点楽になります。
また,油溶性有機モリブデン化合物は必要とする潤滑部位の摩擦面上にのみ沈着するので無駄なく効率がよい。しかし,高価格なことや,腐蝕性が高いなどの理由で,米国では使用されていないようです。
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車だいすき
Posted at
2022/05/25 07:32:21