
昨今LGBTに関する話題がメディアを賑わせています。
LGBT差別禁止法案をG7サミットまでに成立させろなどという、私個人的にはまったく意味のわからない言論が蔓延っていて閉口します。
更には米国の駐日大使までがこの問題に口出しをしているとなれば大問題です。
エマニュエル駐日米大使 同性婚「早期に法制化を」本紙に強調「排除する社会は未来を築けない」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/247255/
このおっさん…自分の立場や自分が何を言っているのか理解できているのでしょうか…? これ
国際法的に完全にアウトです
同性婚は日本国憲法第24条では想定されておらず、法制化するとなると憲法改正が必要です。
駐日大使という立場で日本の憲法改正を要求するなど許される話ではありません。
アクロバティックに憲法解釈を変更し新たな法令の制定だけで乗り切るにしても、そのようなあからさまな内政干渉をしてくる外交官など日本にとっては有害です。
この問題をどうするかは日本国民が決めることです。
日本国政府としては「好ましからざる人物;ペルソナ・ノングラータ」として国外追放してしまっても構わないレベルの大失言です。
このおっさんの常識を疑いますし、これが国際問題にならない理由が私にはまったく理解できません。
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日本国憲法では、第14条第1項で
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
と定められています。この条文の「性別」というワードにLGBTという概念が当初想定されていたかどうかはともかく、LGBTであっても差別を受けずに平等であると解釈すべきであるのは異論はないでしょう。
これ以上の法令の必要性があるのでしょうか?
冒頭画像は高橋洋一 嘉悦大学教授が入手した衆議院法制局作成の資料です。高橋氏の該当ツイートを貼ります。
衆院法制局資料。性自認に特化した法律はG7にない。何の法規制もないかはいろいろ議論はあるが、米、独はほぼ日本と同じといえる
https://twitter.com/YoichiTakahashi/status/1652320185997742080
またこの法案を推進している勢力を横目に、LGBT当事者が法案に反対しているという驚くべき現実もあります。
LGBT法案、当事者らが強い懸念 外国のパスポートで「女性」でも「日本の女湯に入っていいわけない」(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/0644ecc3effd6341d965402e77694d6202e92024
性的少数者団体が会見 「LGBT法は不要」 - ライブドアニュース
https://news.livedoor.com/article/detail/24161214/
一方でLGBT差別禁止法案を推進している人の中にはこんな事まで言い出す人までいます。
少子化放置で衰退に向かう日本、岸田政権の「異次元」に期待と不安 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-28/RQXO5VT1UM0Y01
慶応義塾大学の吉村泰典名誉教授は、「若い世代が子どもを持たないのは、ある意味、多様性を認めない社会に対する一つのレジスタンスかもしれない」と語る。性的少数者(LGBTQ)を認める社会にしていくことが「少子化対策につながっていく」との見解を示した。
この人、産婦人科の教授だった人で、現在は神奈川県内の民間病院の名誉院長なる肩書もお持ちで、更には第二次安倍政権の内閣官房参与として少子化対策・子育て支援政策にまで携わった人です。
このような発言をするのであれば、曲がりなりにも医師であり医学者であるならばその根拠となるデータなり論文なりを示して、エビデンスベースで語るべきです。
医療業界に身を置く立場の自分から見れば、根拠なくこのような発言をするような人物は老害以外の何者でもありません。
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LGBT関連で、先月こんなニュースが流れました。
“同性愛者を理由に迫害” ウガンダ人女性を難民認定 大阪 | NHK | LGBTQ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230419/k10014042851000.html
ウガンダと言えば旧英領の英語圏の国家です。英米加など英語圏でLGBTに関して日本よりも寛容だとされる国家がいくらでもあるのに、なぜ言葉の通じない、しかもLGBT差別禁止法がないG7唯一の国などとレッテルを貼られている日本にこの女性がやってきたのか純粋に疑問です。
とはいえウガンダでは同性愛禁止法改正法案が議会を通り、同性愛者は最悪死刑にもなりかねないということでこの女性は国外脱出し日本にやってきました。
そのウガンダ国内の経緯について解説されている動画を紹介します。
ウガンダからの難民が認定された理由 内藤陽介 の世界を読む 渡瀬裕哉【 チャンネルくらら 】
https://www.youtube.com/embed/mvGtD2tX3mk
元々キリスト教やイスラム教では同性愛を禁ずるような教義がある(あった?)とのことで、そのような文化圏の国々では同性愛禁止法の類の法律がかつて存在したり、今でも存在していたりしています。
ウガンダの一部の部族ではかつて同性愛的な宗教儀式なども存在していたようですが、大英帝国の植民地となってキリスト教が広まると同時に
イギリス人の手によって同性愛禁止法が定められた経緯があります。
近年になって英国でも同性愛禁止法が廃止され、更にはLGBT差別を禁止する方向となっていますが、クリスチャンとムスリムで95%以上を占め、国民の大多数が同性愛に対して否定的な見解を持つウガンダ人にとっては、先進国から今度は掌を返してLGBT差別を批判されることに対する反発があるのは当然の話です。
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一方で古くから男色文化なども存在する日本において、LGBTが法的に差別されたという歴史的事実を私は知りません(私が知らないだけかもしれません)。
同性婚云々に関しては、そもそも「婚姻」とは何なのかという根本的な問題にまで踏み込まなければなりません。
そして個人的にLGBTに対してネガティブな感情を持つ人もいるでしょうが、個人的感情に対して法的な規制を加えるのは国家による人権侵害になります。
LGBTに限らず「オタク」だの「ネトウヨ」だの「パヨク」だのに対して人々は様々な感情をお持ちだと思いますが、内面でどう思うのかについてまで国家権力に介入されることを誰が望んでいるのでしょうか?
同性愛カップルを見て「キモい」と思おうが「美しい」と思おうが、それが個人の内面に留まって言動に表れない限り個人の自由です。
やはり現在の日本国憲法第14条第1項以上の法令の制定や第24条の改正の必要性を感じません。
性自認の問題で生物学的男性が女子トイレや更衣室、女風呂に入り込んだり女子スポーツに参加することの是非の問題もありますが、それ以前にキリスト教やイスラム教とは異なる文化圏の人々に自分達の無茶苦茶な価値観を押し付けようとする連中の驕り高ぶった態度を今一度冷静に見つめ直してもらった方が良いのではないでしょうか?
LGBT差別禁止法案を推進している人々はよく「多様性」というフレーズを用いますが、多様な価値観を容認せず自分達の価値観を他者に押し付けようとしているのが果たして誰なのか?
胸に手を当ててよく考えていただきたいものです。
(´Д`;)ハア…
追記
非常にレアなケースですが、世の中には染色体上の性別と外性器の表現型が先天的に異なっていて、生物学的な性別と社会的な性別が一致していない人がいます。
また精巣と卵巣を両方持つ人もいます。
詳細は「卵巣精巣性性分化異常症」とか「真性半陰陽」「仮性半陰陽」という言葉で検索してみてください。
当然このような人々に対する差別は許されませんし、このような人々に対して社会や周囲の人々による配慮が求められるのは言うまでもありません。
Posted at 2023/05/07 23:51:18 | |
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