
日本のコロナ禍はすっかり鎮静化してしまいました。昨年6月頃の「あわよくばゼロコロナ」を目指せそうだった頃に匹敵する水準です。
ワクチン接種が奏功しているのは間違いないでしょうが、それだけで説明するのはちょっと無理があるようにも思います。
例えばシンガポールの現状です。
人口が600万人弱で日本の1/20以下、東京都の半分以下、我が神奈川県の2/3以下の国です。
ワクチン接種率は80%を超え、日本より高い水準にありますが(冒頭画像)、先月から突然感染者数が急増しています。一日の感染者数が5,000人を超えた日もありました。
我が神奈川県のこの夏の流行期でも一日の新規感染者数は3,000人を超えていません。
かなりの大流行です。
死者数も、絶対数こそまだ非常に少ないものの急増しています。
日本のようにmRNAワクチンではなく、質の低いワクチンを接種したのかと思いきや…そんな事もないようです。
シンガポール、シノバックのコロナワクチンを接種統計から除外 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/health-cornavirus-singapore-sinovac-idJPKCN2ED0O8
ワクチン接種のペースはEU諸国と同じくらい、日本より約3ヶ月先行している感じです。多少ワクチンの効果は減弱してる人もいるのかもしれませんが、大流行するにはまだ時期が早過ぎるように思います。
シンガポールのこの状況を見る限り、日本での流行の鎮静化がワクチン接種だけによるものと考えるのは無理があります。
何かプラスアルファの要因がありそうです。
一方、
以前このブログでも話題にしたインドですが、ワクチン接種率は伸び悩んでいるものの流行の再燃の兆候はまだ見られません。
人口構成が若く不顕性感染や、症状があったものの医療機関にアクセスできないまま治癒してしまって免疫を獲得した人が億単位でいるのでは?とも言われたりしてますが、ちょっと無理がある推論のように思います。
やっぱり何か未知の要因がありそうです。
そんな中、こんなニュースが流れました。
ゲノム変異、修復困難で死滅? コロナ第5波収束の一因か | 共同通信
https://nordot.app/827080605157670912
ウイルスが変異を繰り返していくうちに、病原性を持った本来のウイルスの姿から離れてしまって絶滅モードに入ってしまったというような話なんだと思いますが、基礎知識のない自分にはこれ以上はわかりません。
ただ、現在の日本やインドの状況を説明する話として説得力のある仮説ではあるように思います。
ワクチン以外にSARS CoV-2を絶滅に追い込むツールを開発する上でのヒントになるかもしれません。
また一方で、国内に燻っている従来の「元気なデルタ株」がゾンビのように蘇ったり、海外からデルタ株とは異なる凶暴な変異株が入ってきた場合に日本でも再び大流行となる恐れもあります。
COVID-19、新型コロナウイルス感染症に関して、まだまだわかっていない事がたくさんあります。
これに乗じて権力を振り回す人や、売名行為に走る人、国民の不安を煽って喜んでいる愉快犯などの「悪い人」が蔓延っていますが、騙されないように注意しなければなりません。
Posted at 2021/10/30 22:09:46 | |
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