
米バイデン大統領が中東を歴訪しました。サウジアラビアではムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)と会談し、折からの原油高に対して原油の増産を要請したと伝えられております。
バイデン大統領“原油増産”に期待 サウジ・ムハンマド皇太子と会談
https://news.ntv.co.jp/category/international/966babad1b2045bb9e21f2a05ed4c363
トランプ政権ではイランに対抗する都合上米とサウジは良好な関係を続けていましたが、民主党の大統領であるバイデンに変わって大きく変化していました。
サウジにとってはイランと妥協して「核合意」を結んだオバマと同じ民主党の大統領です。
また「グリーンニューディール」を掲げ気候変動問題を重視する姿勢から産油国であるサウジからは「中東軽視」とも見られ、また民主党左派からはサウジの人権問題を問題視されている都合上、「自国に敵対的な政権」と見做されています。
トランプ政権末期にバーレーンやUAEがイスラエルと国交を結んだのも、トランプ政権の仲介があったものの、米大統領選でトランプが不利だと見切り、「米の中東離れ」に備えたバーレーンやUAEの対イランの安全保障戦略だったとの指摘もありました。
ウクライナ問題が勃発して原油価格が高騰してもサウジを始めとするOPEC等の産油国が原油増産に消極的だったのは、気候変動問題やバイデン政権に対する彼らなりの立場を示しているとも言えます。
アフガンからの撤退の際のドタバタで支持率を大幅に落とし、更にインフレに悩むバイデンの足元を見るかのように、イランは核合意交渉で強気の姿勢を崩していません。
バイデンの中東外交は完全に行き詰まっています。
ここで今更ながらサウジを訪れMBSに会いに来たところで、MBSとしては「どの面下げて…」としか思えないでしょう。日テレの報道では会談でサウジの人権問題についても触れられたようですが、MBSは当然馬耳東風です。
バイデンは「米国は中東で積極的に関与するパートナーであり続ける」とし、「中国やロシア、イランがつけ込む穴は残さない」と強がって見せてますが…
「米国は中東で積極的に関与」とバイデン氏 | 共同通信
https://nordot.app/921015188306132992
大した成果が得られなかった中東歴訪になりました。
バイデン大統領は4日間の中東歴訪を終えて帰国の途につきましたが、結局、焦点となっていた原油増産について、産油国側から明確な約束は取り付けられなかった形です。
中東歴訪終え帰国 米・バイデン大統領 原油の増産に期待を表明 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/97571
11月に中間選挙を控える中、バイデンの苦悩が伝わってきます。
Posted at 2022/07/17 14:12:09 | |
トラックバック(0)