
前回の記事を上げた後、為替が大きく動きました。
21日の金曜日に欧州市場が閉じた後、財務省が大規模な為替介入をやらかして急激に円高に振れると共に、FRB関係者からややハト派的発言が伝えられ、今週はドル安円高に相場が動きました。
28日の日銀政策決定会合後の黒田総裁の記者会見で緩和政策の継続が伝えられて再び円安に向かいましたが、この記事を書いている時点で¥147/$台という水準です。
日銀の緩和政策は余程の事がない限り黒田総裁の任期が終了する来春までは継続すると見込まれていますので、今日の記者会見には何のサプライズもなかったかと思うのですが、市場参加者全員がそう思っているわけではなさそうです。
米国のインフレのピークが近付き、利上げの最終段階が近付いてきたという判断は今年の夏頃にもあったのですが、8月下旬の「ジャクソンホールシンポジウム」でのパウエル議長の講演やその後の米国の経済指標等からタカ派的ムードが再び広がり、円安ドル高が更に進行したのは皆様ご存知の通りです。
日銀の金融政策に変更がない以上、今後の為替相場は米国のインフレの状況次第という事になりそうですので何とも予想できません。
ところで岸田政権が補正予算を組んで財政政策を打ち出す事になったようです。
この中身については今回詳しくは触れませんが、「センスないなぁ…」という感想しかありません。
リバタリアンを自称し「すべての税金に反対せよ!」と「減税運動」を展開されている早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏の意見に全面的に同意せざるを得ません。
総合的経済対策とは、利権団体の要望を総合して並べただけであり、それ以外の国民にはオコボレしか入りません。
減税だけが全国民に等しく効果がある政策であり、それ以外の政策は全て紛い物です。
https://twitter.com/yuyawatase/status/1585964203781021696
岸田内閣では「貯蓄から投資へ」と謳いながら金融所得課税が議論されたり、企業に賃上げを要請しておきながら防衛費の財源として法人税増税が議論されたり、相変わらず将来の消費税増税の話が出てきたり、EVに対して「道路利用税」を課そうとか、炭素税を導入しようとか…とにかく増税に熱心です。
正直、心の底から「馬鹿じゃないの?」としか思えません。
30兆円の補正予算といいますが、年間の消費税の税収を上回る金額です。こんな事するくらいなら最初から税金に取らなきゃ良いのに…としか思いません。2019年の8%→10%の消費税増税による税収増の何年分なんでしょうか?
それでも決して減税しようとしないのは、各種予算の「財源」に「○○税の税収」を割り当てる…といった紐付けがなされているからであり、減税すればその歳出に関わる政治家や官僚の利権を手放さなければならなくなる…というだけの話です。
彼らが本気で財政再建を目指しているわけではありません。
この問題の根が深いのは、国会等の政治の場で与野党がプロレスを演じてやりあっているフリをしながら互いの利権を守り合っているという55年体制以来の構造の存在です。
自民党政権を打倒して政権交代を実現させるだけでは何も変わらないばかりか、余計に酷いことになるのは皆様もお判りだと思います。
この現状を変えるにはどうしたら良いのか…?と思案すればするほど、渡瀬氏の意見に同意するしかありません。
もしも興味がある方がいらっしゃれば、渡瀬氏のツイッターや著作をご覧になってみてください。
Posted at 2022/10/28 23:19:41 | |
トラックバック(0)