
写真はトゥインゴSに標準のEasy Linkに搭載されている「Driving eco」なるツールの画面です。
右下のトリップメーターと平均速度、区間燃費を表示させたいがためにこの画面を表示させておく事が多いです。
このツールはどれだけドライバーが「エコ運転」出来ているかを評価してくれます。
前々回の記事でエコ運転についてとりとめもなく書きましたが、そこに書いたエコ運転のコツから外れた運転をしていると減点されます。
アクセル踏んで一生懸命加速させようとすると右上の
「加速」が減点されます。
加速を控えめにするか乱暴にするかによってエンジンのエネルギー効率が大幅に変わるかというとそんなに大差ないように思いますが、無駄に加速して結果的に無駄な減速をするハメになったら効率の悪い運転となってしまいます。
加速が必要な場面ではしっかり加速し、そうでない場面ではそれなりに…という当たり前の話です。
速やかな加速をすべき場面の典型例として、信号待ちからの発進加速があります。
後続車が大していないのであれば良いですが、後続車が多数連なっている場面では速やかに発進加速する必要があります。
すぐ次の信号が赤で再び停車しなければならない場合などはその限りではありませんが、そうでなければチンタラしていてはいけません。スマホ操作で信号が青に変わったのに気付かず発進が遅れるなど論外です。
前々回の記事で「エコ運転の為には余裕ある車間距離が大事」と書きました。車間距離に関してはまた機会があれば書きますが、効率の良い定速巡航の為には余裕ある車間距離が重要です。
信号待ちからの発進では、前走車との車間距離を徐々に広げながら加速していく必要があります。車間距離を広げる為には前走車よりも遅い速度で走らなければなりません。前走車がチンタラしていたら後続車はもっとチンタラ走らなければなりません。
それが何台も続くと…
信号待ちで後続車が何台も並んでいる場面では、結局一回の青信号で通過できない車両が発生してしまいます。いわゆる渋滞です。渋滞になれば余計なストップ&ゴーが必要になりますので、その分CO₂排出は増えます。そうならないように
一回の青信号で出来るだけ多くの車両が交差点を通過出来るように配慮する事もエコ運転です。自車の燃費だけ気にして他車への配慮をせず、結果的にトータルでのCO₂排出を増やしてしまうのは「エコ運転」ではなく「エゴ運転」です。
次の
「ギアチェンジ」ですが、低いギアで引っ張っていると減点されます。ただ、車載コンピュータは前方の道路状況や交通状況が見えていませんので理不尽に減点される場面があります。
前方が登坂だったりでメーター内にシフトアップを促すインジケーターが点灯しているのを無視してシフトアップを保留したりしていると減点されます。
ATなどで自動変速させていると、前方が見えていない車載コンピュータが適切だと判断するような変速をします。自動変速は必ずしも常に適切なギアチェンジをしてくれる訳でありません。
地図ソフトから前方道路の勾配を認識したり、前方の交通状況に応じた「先読み運転」の制御が出来るようにならない限り、自動変速には限界があります。
だからこそ「マニュアルモード」だの「パドルシフト」だのっていう装備が追加されたり、「スポーツモード」だの「エコモード」だのっていうモード選択が必要になります。
そんな余計な装備が付くくらいならMTで適宜操作した方が簡単ジャネ?って思う自分みたいな人間は少数派のようです。
前々回書いた「上り坂で失速し下り坂で速度が増す」クルマが増えたのは、この自動変速に起因している面もありそうです。勾配に応じたアクセル操作をしない「漫然運転」が主たる要因だとは思いますけど。
その下の
「予測」ですが、ブレーキを強く踏んで減速すると減点されます。前々回書いた「無駄な減速」をしていないかの評価ですが、「無駄」かどうかは車載コンピュータは判断できません。
信号が赤に変わるタイミングで「突破しよう」と思って一旦加速したものの「やっぱダメだ…」という事でブレーキ踏んで止まったりすると大幅減点されます。この減点は適切ですが、無理矢理突破してしまえば減点されませんw
コーナー手前でしっかりブレーキ踏んで減速しても減点されます。下りコーナーでは減点必至です。
前方の異状で強くブレーキ踏んだりするとやっぱり減点されます。事態を予測出来なかったから「予測」ポイントが減点されちゃうのですが、予測出来ない事態もあります。
ガソリンを燃やして獲得した運動エネルギーをブレーキによって熱エネルギーに変換して捨ててしまうのはエネルギー効率的に最悪ですが、安全の方が大切なのは言うまでもありません。
左下の
「消費なしの距離」は、アクセルオフで燃料カットされた状態で何km走ったかを示してくれる物ですが、エンジン切って一定時間経過するとリセットされてしまうためあまり役に立ちません。下り勾配ではこの距離が伸びますし、定速走行してる距離が短くなってしまうストップ&ゴーが多い時でもこの距離は伸びるはずです。エコ運転を考える時にこのデータはもっと活かせそうですが、休憩挟んだだけでリセットされちゃうのは勿体無いですね。
それらを加味して左上に
「合計スコア」が表示されます。このスコア自体には大した意味はありません。お節介ツールではありますが、低燃費運転を心掛ける際の参考にはなります。勿論、このポイントが高いからといって地球温暖化を止められる訳ではありません。このツールで高得点を獲得する事を目指す運転をするというのはナンセンスですが、どうすれば効率良く運転できるのかを考えるのは有意義です。
Posted at 2021/01/25 23:40:50 | |
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