
爽やかな10月の秋晴れの下,2012年ジムカーナ近畿地区戦の最終戦が名阪スポーツランドCコースで行われました。
諸般の事情から近畿のジムカーナ公式戦を走るのはこれで最後にしようと決めて臨んだ今回,自分にとってもこれまでの挑戦を締めくくる本当の「最終戦」になりました。
あ,近畿の公式戦と言っても姫路戦は除きますし,よっぽどの事情があればまたここを走ることはあり得ますが...まあそのへんのことはまた
本家サイトに書きますので。
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朝は4時半に起きて5時に家を出ます。阪奈道路を抜け,朝靄にかすむ奈良市街を走るうちに東の空から夜が明けてきます。会場に着いたら6時過ぎ。抜けるような青い空にぽつんと下弦の月が浮かぶ下で出走の準備をします。この朝の爽やかさがいいのよね。
ジムカーナを完全に止めるわけじゃないけど,このCコースでこうやって朝日を浴びながら地区戦ドライバーとして走行準備をするのもこれで最後かと思うと感慨深いものがあります。
今回もまた,先月の前戦からただの一度もスポーツ走行をしていないブッツケ本番...というより前戦からこのクルマに乗ったのが2-3回,距離にして10kmも乗ったかどうか。たぶん一度も3000rpm回転以上回してない。もちろんタイヤは履きっぱ,スペアのシャフトも工具類も全部後に載せたまま。Cコース自体も5月から半年近く一度も走ってません。
車検の後で短い試走がありますが,ここで少しでもクルマの動きを思い出すべく必死で限界まで攻めます。しかしロガーで確認すると全く踏めてない,全く乗れてない。まあ仕方ないよね。
発表されたコースは,島の間をうねうね行ったり来たりのテクニカルコース。中間で外周を突っ走る部分もありますが,その後に超タイトなパイロンシケインを抜けてまたテクニカルセクションになるため踏み切れません。そしてゴール直前に左の360度ターン。自分にとっての「最終戦」にふさわしい攻め甲斐のあるコースです。うひひひ。
お天気の心配はなくコースの難易度が高いため間違いなく2本目勝負になると判断。まだ運転のカンが全く戻っていない1本目はあまり無茶はせず「練習走行」のつもりで行きます。
しかし。
走り出してすぐの1速区間で何を思ったのか左手足が勝手に2速にシフトしてる...何でやねん! 当然ながら大失速。前半区間はダントツのビリですよ。
外周区間のあたりからやっとエンジンがかかってきた感じで走りのカンが戻って来ます。しかし時既に遅し。後半のテクニカルを必死で走り,最後の左360もサイドを3回引いて無難に回りますが,全体的にもとっても無難なタイムでゴール。
上位2人がコースアウトとターン失敗で沈んだため1本目の暫定順位は6台中3位ですが,トップとはまるまる2秒の差が開いてます。わははは,いくらなんでも遅過ぎるだろ(笑)。
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いつもならここでガックリきたりカッカきたりするところですが,これまでの「勝たねばならない」「勝てるはず」という呪縛からやっと解き放たれ,っつーか絶対勝てるわけねーじゃん(笑),という心境に至っているため,心は秋空のようにとっても爽やか。
デミオ無頼君と若武者F君とデミオ乗り3人でべらべらしゃべりながら慣熟を歩いていても楽しい楽しい。いつもはコース路面とにらめっこしながら一人で必死で歩いてますが,慣熟歩行ってこんなに楽しかったんだと改めて思った。
さあ,2本目。
気がついたら今日のこの2本目が自分とデミ助にとって近畿公式戦のラストランじゃん。こんなに肩の力抜けてていいのか(笑)。
しかし別に気合を入れたら勝てるっていうわけでもない。何をやっても勝てないことは分かってるんだし,精一杯走って,結果的にそれが楽しければ,自分が満足できる走りであれば,それでよし。
スタートフラッグがぱあっと翻って,わざと一呼吸入れてからさあスタート!
1本目で2速に入れちゃったところは気を付けて...ってゆーか何でこんなところで2速に入れてしまったのか謎なんですけど。
クルマの姿勢を積極的に動かして早め早めに向きを変え,少しでも踏めるところでは床までスロットルを踏み抜く。突っ込み過ぎず,でも温くならずタイトなラインで。
これまで何度も何度も走った,この上でいろいろなライバルと競り合ってきたイトウ工業のコーナーの縁石。お別れの気持ちもこめて,これ以上乗れないっていうぐらい深く乗って小回りでギリギリ回ります。さようなら。今度来る時は別のイベントで走ってるからね。
奥の直角コーナーはスロットルを戻さず踏みっきりで。S字を抜けてパイロンシケインも2速のままでステアを左右にぶん回してクリア。
最後の左360,路面にはラバーがべったり載ってますが,サイド3回引きでぐりぐりっと,今の自分にはもうこれ以上のターンはできないというベストのターンで走り抜けます。そしてゴール! いてててて痛い痛い,足と...肩まで筋肉が攣ってるぅ!
結果は,前半のどこか...いや本当にどこか全然分からないどこかで脱輪をとられ,ペナルティ5秒加算で終了。ここ数戦,ずっとリザルトに大文字の「D」がついてますが,別にイニDが好きだからというわけではありません(笑)。
まだ1本目のタイムで暫定3位だったため車検場にいったん呼ばれますが,1本目下位に沈んでいた次ゼッケンの無頼君が2位に上がってきて車検場から押し出されます。はい,さようなら~,パドックにお帰り~
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2005年の3月に不惑インテ号に乗って近畿地区ミドル戦に約10年ぶりに復帰。そこから,間に活動休止期間を挿みながらもずっと近畿のジムカーナ公式戦に挑戦し続けてきました。
いろいろな人のおかげもあって,何度か表彰台のてっぺんに立つことができましたし,幸運にも全日本の大舞台で優勝することもできました。
「さあこれから」という時にクラッシュしてしまったり,子供が受験期で走れなくなってしまったりして,とうとうシリーズチャンピオンには手が届きませんでしたが,仕事も家庭も超忙しい中年のオッサンとしてはよくがんばったと思います。
今シーズンは,ライバル達のレベルが上がっているのに自分はどんどん走る機会が減ってレベルダウンするという苦しいシーズンになりました。
それでも今回の最後の1本,全日本レギュラーレベルのライバルを相手に,ぶっつけ本番のオッサンが必死で走ってトップまで1秒差にこぎ着けました。最終リザルトには「D」がついて6台中5位というブービーでしたが,自分自身では満足です。あくまで自己満足ですが,大満足です。
ジムカーナ公式戦への挑戦はこれで終わりですが,クルマを降りるつもりはさらさらありません。まだまだまーだ走り続けますよ。
クルマは楽しい。
走ることは楽しい。
さあ,これからどこをどうやって走るか...頭の中はいろいろな計画でいっぱいです。
Posted at 2012/10/11 00:09:23 | |
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