北海道のジムニーのホイール脱輪事故
一番の被害者は言うまでもなく女児であり、痛ましい事故ではありますね。
女児が無事であることを願います。
この件で、ちょっと視点が違う話となります。
なので、違法改造がどうのとか、被害者の目線とは異なる内容になりますので悪しからず
事故と言うのは原因があるもので、よく私の職業柄、機械整備でのトラブルや事故で原因究明を行い補修計画をします。
本質としては次に同じ事を起こさない目標で行っています。
私の部署でもっとも多いトラブルがベアリングですね。
ネット画像より
円すいころ軸受け
玉軸受 構造
ここでも結構原因の着地地点でベアリングのせいにされて、お仕舞いが多いのですが……
深掘りして調べていくと、原因は別なトコにあるんです。
ベアリングの壊れかたでも、外的なのか内部要因なのかを判断していきます。
大概は軸やセンター不良によりベアリングが焼き付きを起こして、ベアリングの内輪にフレーキング(剥離)が出て事故につながるのが多いかもです。
保持器やコロがバラバラになる場合はほとんど軸要因かしらね。
なかなかありえない壊れかたですよ
ネット画像より
フレーキング
バラバラな場合
他はベアリングのはめあい公差が磨耗で大きくなった時に起こることで出てくるフレッチング(疑似圧痕)や他はめあいの隙間から侵入してくる異物や別粘度の油や水によりベアリングがやられます。
ネット画像より
フレッチング
私の部署では給油不良による焼き付きはあまりないかな?
定期的に分解して内輪、外輪、コロ、保持器の洗浄給油、給脂を行っているため
中には保持器やコロが分解出来ないのもありますけど、内輪を点検してコロ、保持器を回転させながら見ます。
私の部署の場合、フレッチングはハウジングの磨耗で起きている事が多いです。
使っている状況の振動で原因はかなり異なります。
と、ベアリングが破損の場合はメーカー技術者と立ち会いで、あーでもない、こーでもない意見を出しあって有力な原因を探っていきます。
またベアリングだけじゃない場合もあるので、計測したり、触ったり、図面と差異を見たり、技術系の論文見たり、考えこんだりで有力な原因を探っていきます。
ここまでやっても絶対ではない
他原因かもしれないので、1つ1つ潰していく感じです。
私は手練れの技術者と比べると考えるスピードがかなり遅い方です。
手練れの技術者達は作業しながらブレーンストーミングして、パッパッパと次から次へと行動に移すんです。
見ていると舌を巻きますよ。
と、ここまでは前置きで
北海道のジムニーのホイール脱輪の映像を見たときに頭に浮かんできたのが
あんなにキレイに外れる?
ワイトレ太っ!いや、ボルトが折れてない
あの手を弄る人でナット締め忘れある?
ロングボルトだったとしても締まりきってなかったら気づかない訳ないだろ
アルミナットかな?と思いきや別の映像で鉄の袋ナットっぽいし、それともナットのしめしろが全然なかったのか?
もしくはワイトレに更にスペーサーかました?いや、あの幅でそんな事するか?
締めしろがあって、テーパー同士も形状があってるならば、たとえ手締めだろうが、トルクレンチだろうが、基本ほぼ、オーバートルクしているので均等締めしておけばまず緩まないもんだが……
なんか運転手もチェックしてる時の映像はナットは頭になくジャダーやシミーを怪しんでるように見える?
そもそも運転手の持ち物じゃなくて知人の?
じゃあ知人が自身でタイヤ交換して締め忘れたか、ハブセンター出してないか、ナットがズルズルだったのか?
ジャッキ降ろした後、着地後に緩みがないか締め付け確認していないのか?
などなど、視点が違くて申し訳ないが、そっち方面が職業上 元々の外れるまでの原因は何か?が気になりました。
上記でも書いた違法改造がどうのや被害者の心情は別の問題として捉えて頂き
世論は何かを悪にして叩きたい人達が多い
合法なカスタムやただのオールテレーン履いただけでも違法改造みたいな目で今後は見てくるんだろうなぁ~と思いました。
そんないらん警察ごっこするなら政府に目を光らせる警察ごっこすれば良いのにとも同時に思いますよね。
Posted at 2023/11/17 20:43:51 | |
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