・今現在、6年ほど前の企業向けのPCがリプレース時期を迎えて市場に大量に出回っているようで、Amazon整備品のPanasonicレッツノートCF-SZ6を2.2万円で(価格は日々変動するようですが)購入しました。このPC、SSDが512GBでOSはWindows11でMicrosoftオフィスのフルセットが入っていて重さ1kgで起動も速く大変気に入ったのですが、一つだけ不満なのが内蔵スピーカーの音です。もともとレッツノートってビジネス向けPCなので、音に関しては出てればいいや程度の設計なのでしょうが。
・ノートPCの内蔵スピーカーで音楽を聴こうなどとはさらさら思いませんが、出先で動画を観たりすることもあるでしょうから、せめてポータブルラジオ程度の音質は欲しいものです。
・私の購入したPCは光学ドライブなしモデルなので、PC内に光学ドライブとHDDを納めるための場所がぽっかり空いています。これをキャビネットとして口径の大きなスピーカーを内蔵すればもう少しまともな音が出るのではと思いチャレンジしてみました。
・ケースに穴を開けるのはためらわれたので、光学ドライブのメクラカバー部分に開口部を設け、スピーカーの音を横向きに出すことにしました。音響特性的には良くないのがわかりきっているのでプロにはできない設計でしょうが、元のスピーカーから比べればよっぽどまともになるはずです。
●結果:オリジナルスピーカーとの比較はこちら
・スマホでの撮影なのでノイジーかつ本来の音とは微妙に違いますが相対比較はできると思います。聞こえなかった音が聞こえるようになりました。
●そもそもオリジナルの内蔵スピーカーのf特は?
・やたらシャカシャカした音ですが、WaveGeneとWaveSpectraで一応特性を測ってみました。最低共振周波数f0=1kHzで4.2kHzに+12dB(電圧では4倍)ほどの大きなピークがあります。1kHz付近を基準として-10dBの周波数を見ると700Hz~7kHzほどが発生可能な音の範囲だといえそうです。(100Hz未満は共振によるもので音にはなっていません)
●最初にトライしたスピーカー
・最初にAmazonからこちらのスピーカーを調達しました。
・適当な段ボール箱に取り付けてf特を測ったのがこちら。f0=550Hzで+14dBほど(電圧で5倍)のピークが、また5kHzあたりにもピークがあります。
・このスピーカー、コーンとエッジが1枚のフィルムで出来ていて、コーン部分には放射状に溝がプレスされていて変形しづらくはしてはありますが、押すとその部分のコーンが凹みます。変なピークはコーンの分割振動が原因のような気がします。・これをPCに組み込んだところ、オリジナルよりはまともな音になりましたが物足らなくなり、別のスピーカーを探しました。
●最終的に選んだスピーカー
・Aliexpressでこちらのスピーカーを調達しました。コンポジットフィルムということで、写真で見る限りコーン部が硬質素材になっているように見受けられたので。リード線なしの物を発注したらリード線付きが届きましたが、ちょっと得したかな?
・同じ段ボール箱でf特を測ったのがこちら。f0=250Hzくらいで、以前ダイソーの300円スピーカーも300Hzくらいだったのでそこそこ期待できそうです。
●組付け・3Dプリンタでフロントパネルとスピーカーマウントを作成しました。フロントパネルはダイソーのシルバーのラッカースプレーで塗装しました。スピーカーが脇に寄っているのはPCの裏蓋にあるリブを避けてレイアウトしているためです。
・パネルとマウントの間にグリルを入れようと網戸用のメッシュを切り出したのですが、そのままだとばらけてしまい、アイロンで一枚にできるかと試したもののうまくいきませんでした。結局真鍮メッシュを調達しました。金ピカでちょっとゴージャスになりました。・スピーカーはマウントにはめ込んで周囲をホットボンドで固定します。
・元のメクラカバーを固定していたネジを使ってPCに固定します。
・PCの元々のスピーカーとコネクタの間の配線をカットし、新しいスピーカーにつなぎ変えます。私は小型のPHコネクタを使い、必要に応じてオリジナルのスピーカーに接続を戻せるようにしました。
・コネクタとリード線は実際にはテープを使ってバタつかないよう固定しています。・裏蓋には3mm厚のエプトシーラーを貼り付けて共振防止をしてみました。(今回一番高い買い物がこれでした)
●最終的なf特・PCに組付けた時のf特です。横向きなので定在波で打ち消し合うためでしょうが何か所かディップが生じています。イコライザーを入れればもう少しフラットにできるかもしれませんが、オリジナルに比べたら格段にいい音になったのでこれで良しとしました。
★!!!注意!!!・オリジナルのスピーカーは8Ωですが今回私が使ったスピーカーは4Ωです。レッツノートのスピーカー出力アンプはD級動作で無音時に0-5Vの250kHzのデューティ50%の矩形波が出ています。ということはアンプのドライバー段はスイッチング動作なので発熱はそれほど変わらない(スピーカーの効率が同じで音量が同じなら同じ電流が流れる)はずですが、トライされる方はそのあたり自己の判断と責任でお願いします。
●3Dデータはこちらに置きました
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Posted at
2024/05/22 09:49:52