・実家で高齢の母が一人で暮らしています。幸いなことに今は介護の必要はないのですが、昨年帰省した時、めっきり足腰が弱くなっていることを目の当たりにして悲しくなってしまいました。それまではほぼ毎日ポケモンGOのギフトが送られてくることで安否を確認していたつもりでしたが、もう少しきめ細かな見守りをしたいなと強く思いました。
●見守りセンサーを検索してみた
・その昔、電気ポットの操作をメールで知らせるというCMがありましたが、見守りセンサーで検索してみると今はいろいろあるんですね。
・基本はモーションや冷蔵庫の開け閉めや照明やテレビのオンオフを検知して、回数あるいは長時間途絶えたという連絡が来るというものが多いようです。しかし頻繁に連絡が来るのは煩わしいし(オオカミ少年になってしまう)、外出時の誤判定を避けるためには検出間隔を長時間に設定しなくてはならず、実際に事が起きた時どれだけ役に立つかは疑問です。またカメラで監視するなどという事はしたくありません。
●自作システム
・なかなか希望に沿った物がない上に有料サービスばかりだったので自作することとし、誤判定のない、ゆる~く見守るシステムを目指しました。コンセプトは「便りのないのは良い便り」です。
・実家にはWiFiを設置してありますし、母は出かける時はスマホを持つので、在宅か外出かはスマホがWiFi圏内にあるかどうかで判断できます。
・設置して半年近く経過しましたが今のところ誤判定によるメールは来ていません。
●システム構成
・トイレ前の廊下と、食卓を臨む勝手口と、リビング(築40年以上の木造家屋なので居間という方がふさわしいかも)の3か所に、モーションセンサーを設けました。リビングの温度と明るさも測定できるようになってます。
・以下の条件が成立した時と解除した時にメールを送信します。
①在宅中に、起床時刻を1時間過ぎてもどのセンサーにも検知がない
②在宅中に、起床時刻から就寝時刻までの間に4時間以上どのセンサーにも検知がない
③リビングの室温が31℃を超えていてかつリビングに30分以上在室
④リビングの室温が50℃を超えた
⑤就寝時刻から起床時刻までの間でリビングの照明が点灯している時間の累積が12時間を超えた。
⑥起床時刻から就寝時刻までの間でリビングが真っ暗な時間の累積が12時間を超えた。
・日付が変わった時に、一日のセンサの動作状況など1時間ごとの統計データをGoogleスプレッドシートに書きこみます。あわせて設定シートに記述した設定用の変数を読み込みます。
●実際に設置した様子
●ハード&ソフト
・こちらに全てを公開しました。
・見守りの条件などはケースバイケースなので、このソフトそのままの流用はできないと思いますが、ESPマイコンから次のようなことを行いたい方には参考になると思います。
- 任意のWiFiルーターの検索と接続
- NTPサーバーに接続して日時合わせ
- ピン入力レベルの変化による割り込み
- Gメールの送信
- Googleスプレッドシートの任意のシートの読み書き
- ESP-NOWによる通信
- BLE(Bluetooth Low Energy)による通信
- pingの送信
- WiFiによるシリアル通信
- チップ内温度センサによる外気温の推定
- WiFiによるOTAアップデート(Over The Air:プログラムの焼き直し)
- 遠隔地からのOTAアップデート
- 変数の値を初期化しない再起動(ホットスタート)
- ArduinoIDEによるESPマイコン開発
●雑感
・昨年3Dプリンタに手を加えた時に初めて知ったESPマイコンですが、切手サイズの安価なマイコンボードでこんなことまでできるんですね。ワンチップマイコンでString型が使えるなんて衝撃を受けました。(ESPを開発したのが日本ではなく中国の会社というのが悔しいです。)
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Posted at
2024/05/26 15:40:19