バイブルブラックの終焉

ヴォーカリストでありベーシストである故ジョン・ウェットンのトリビュートライブが本日イギリスで開かれるそうだ。

彼は数多のミュージシャンの中で、僕の一番のお気に入り。

音楽に対する趣向は十人十色なので、語るのは野暮と思うけれど、生前のジョン・ウェットンほど批判的な評価がついて回っていたミュージシャンもいないだろうなと。

普通興味が無い場合は批判すらされないけれど、彼はやたらと批判されてた記憶がある。

というのも、好きと嫌いは紙一重で、彼に対して過剰で一方的な期待に対して一切なびかない音楽性を貫き通していたからだと思う。

前衛的、文学的なサウンドで誰彼が到達できない立ち位置を獲得しながら、その後は耽美で分かり易い楽曲を世に放ち続けた姿勢が、難解で入り組んだ表現を好む輩を逆撫でしてしまったのだろうなと。

彼のコンセプトは「３分ロック」と評される事があるけれど、分かり易く且つ美しいメロディーの曲を限りなく短くまとめているのは、それはそれで創作難易度はかなり高いと思うし。

どこかの誰かが
「いい加減、正当に評価してあげてもいいんじゃないかな？だってこんなにもいい曲をこんなにもたくさん作れる人なんていないんだから」
と言っていたけれど手放しで同意（笑）

通り名は「ギターを持った渡り鳥」

特徴的な優しいヴォーカルとテクニカルなベースを武器に、数々の有名バンドを渡り歩きつつ、ソロワークも半端ない数こなしていたけれど、終始リリースされる作品は美しいメロディーと豪壮なアレンジで、「格好いい！！」を具現化し続けた。

トリビュートライブが全世界発信でストリーミング開催されるなんて、耽美であり続けたジョン・ウェットンワールドは、ようやく色眼鏡を外して評価され始めたと言うことかもね（笑）