山中湖のカバ その1
投稿日 : 2013年07月05日
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強羅を発った後は箱根峠から芦ノ湖スカイラインと箱根スカイラインをハシゴして、R138箱根裏街道で山中湖へと足を伸ばした。
運が良ければ、芦ノ湖スカイラインの杓子峠から富士山の姿が望めるかもというプランだったが、この日の朝は霧が濃くて何も見えなかった。
西の裾野市方面から吹き上がる風が雲を作り霧雨となって路面を濡らし、くねくね道を気持ちよく、とは行かなかったがスキーのGSみたいなリズムの連速カーブもあって楽しく走れた。
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山中湖に来たのは富士急バスが運行する水陸両用バス「山中湖のカバ」に乗るため。
わたしが乗車したのは1号車。
「山中湖のカバ」という愛称が付けられていて、ボディ側面にも写実的なカバのイラストが描かれている。
乗降口が高くて、乗客はタラップで乗り降りする。
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こちらは2号車。
1号車よりだいぶ設計が新しいようで、船体がフラッシュサーフェス化されている。
ウィンドシールドは1号車が平面ガラスの組み合わせで漁船のような外観なのに対し、2号車は通常のトラックかバスのものを流用しているようだ。
タラップが車体後部に移設されているのにはしばらく理由の見当が付かなかったが、乗って走り出してからようやく合点がいった。
走行時にはタラップが折りたたまれて客室内に収納されるが、2つ折りに畳んでも相当な大きさで、客室前方にあると前方視界の邪魔になる。
そんな欠点を新型では改善した結果だろう。
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走行装置は1号車も2号車も基本構造は同じ。
陸上では後輪駆動で、水上では固定式のプロペラで推進する。
プロペラ後方に独立した舵がぷら下がっていて、車輪がなければ一般的な船の構造だ。
バスをベースに改造したのだろうからエンジンは船体後部にちがいないと思っていたが、プロペラシャフトは前方に伸びていて、後輪の駆動系はフロントエンジンのトラックやマイクロバスのものと同じだ。
ここまで見て、エンジン1基を搭載してPTOギアボックスで動力を切り替えるのだろうとわたしは想像したが、実際は違った。
(“PTO”とはPower Take Offの略で、クレーン付きのトラックなどで油圧ポンプを駆動する場合にも使われる機構)
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サスペンションやステアリングシステム、メインフレームは一般的なトラックのものを流用しているようだ。
フロントアクスルビームの後方にはエンジンマウントのクロスメンバも残っている。
しかし、エンジンはそこにはなく、船体中央の船底の中に収められているようだ。
なるほど、水上ではエンジンが船体前方にあったりしたらバランスが悪いモンなあ。
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船体下部にはバラストもぶら下がっている。
ふむふむ、フレームをもっと高く…というより船底をもっと低くしてフレームを覆った方が水の抵抗が少なくて良いだろうにと考えたが、水上で転覆しないように重心を低くするにはこうして重量物を船底よりも低いところに配置した方がいいのかな。
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