大和葛城山(その1)
投稿日 : 2015年05月12日
1
日曜の午前中、琵琶湖線の新快速で大阪駅に降り立って、まずは大阪環状線内回りで天王寺まで。
103系電車に乗れればよかったけれど、近頃は運用が減ってるのかな。
この日は外回りで1編成とすれ違ったきりだった。
それにしても、都会の駅でこの荷物をしょって歩くのは少々恥ずかしい。
いつの時代のカニ族だ?ってなもんだ。
なにしろこのリュック、わたしが生まれる前からうちにあって、わたしが大学に進学したときに父から譲り受けたのだ。
国鉄型電車とポンコツリュックだけ、時間が止まっているようだ。
乗車したのは201系。
しばらく聞いてなかったチョッパー制御の音を思い出す。
プィイ゛ーーという独特の音は、国鉄電車でこんなに派手に鳴り響いていたっけか?
わたしが東京に住んでいたころの201系はまだレアな存在だったから、記憶のかけらも残っていなかったけれど、そういえば札幌市営地下鉄がこんな音だった。
あ、チョッパーと言っても、映画『イージーライダー』に出てくるようなバイクとは関係ないのであしからず。
2
天王寺に着いたところでちょうどお昼。
せっかく大阪ミナミまで来たのだから、地元メシの「かすうどん」を食わなくてはね。
3
かすうどんチェーン店の「加寿屋」で注文したのは「牛すじうどん」に“かす”大盛り。
「かす」っていうのは油かすのことで、牛の腸から脂を搾った搾りかすを乾燥させて保存したもの。
うどんのつゆに入れると独特のコクがでて、クニュクニュとした食感が楽しいのである。
ホルモンと同様、においに少々クセがあるので好き嫌いは分かれるかもしれない。
だが、それさえクリアすれば牛すじと油かすのコンボは最強である。
4
うっかり朝メシを食わずに来てしまったので、シヤワセたっぷりの昼メシであった。
朝メシのことを忘れるほど張り切って家を出たせいで、1時間半も時間に余裕ができてしまった。
目の前には空へ突き抜ける摩天楼。
こりゃー登るしかないでしょ。
5
ヤギと煙とナントカは高いところに登らずにはいられないのである。
子供のころに完成したサンシャイン60には、家庭の経済的都合で登らせてもらえなかったし、東京タワーも大展望台までしか登ったことがない。
キャンプ荷物を背負って都会の観光地に赴く自分の姿を想像すると躊躇したが、子供のころの雪辱がわたしの背中を押した。
家族連れでは財布が痛くなるほど高額な入場料を払ってエレベーターに乗ると、天井と壁がガラス張りのカゴが、内側をイルミネーションで飾られたエレベーターシャフトを300m、45秒で昇っていく。
BGMというか効果音も別世界への入り口的な演出がされていて気持ちいい。
あっけなく到着した60階の窓から見下ろすと、期待したほど足がすくむ感じはしない。
標高3500mから見下ろすユングフラウのスフィンクス展望台に比べれば序の口だ。
見下ろすビル群はシムシティ。
大阪環状線がNゲージのようだ。
鉄道写真のお手本として参考にさせてもらっている方のまねをして、鉄道俯瞰撮影としゃれ込むが…欲張りすぎた。
大阪ドームまでフレームに納めると電車が小さくなりすぎて、201系のオレンジバーミリオンが赤茶けたバラストに溶け込んでしまった。
6
展望台からの景色をぐるりと一周堪能したあとは、ハルカスの直下にある近鉄電車の駅、大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線・長野線の準急で富田林駅まで。
7
富田林駅東口からは金剛バスの千早線「水越峠(みずこしとうげ)」行きに乗る。
平日は4kmほど手前の「東水分(ひがしすいぶん)」バス停までしか運行しない路線だが、土日祝日はハイキング客需要のために、朝と夕方に2往復ずつ「水越峠」バス停まで運行するのである。
8
大阪とは思えないほどのどかな千早赤阪村の景色を車窓に30分ほどで「水越峠」バス停に到着。
路線バスの車両に詳しい諸兄なら、駅前での写真とは車種が異なることにお気づきだろうか。
じつは途中で乗り換えたのである。
バスは峠を越えるR309の旧道を通るのだが、もともと狭い旧国道にハイキング客の自家用車がびっしりと路上駐車しているため、車体の大きなバスでは通行できないようだ。
そこで、「水越峠」バス停の手前1.7kmにある「葛城登山口」バス停で乗客を一回り小さなバスに乗せ替えて運行しているのだ。
駅前で乗車した際の乗務員から説明で「小さめのバス」と聞いて、わたしはマイクロバスや日野ポンチョみたいなのを想像していたが、実際に乗り換えた車両は乗り換え前と大差ない気がするな。
これなら最初から小さい方の車両で運行すればいいのに。
どうせ、途中で乗降する客は3人程度で、ほとんどが「水越峠」から乗るハイキング客なのだから。
もっとも、途中で乗降する客にはワンステップバスでなくてはならない事情があるのかもしれないけれど。
「葛城登山口」での乗り換えだって、安全上、手際がいいとは言えない。
バスは国道の路上、旧国道への分岐になっている交差点に停車して、乗客は横断歩道の無いところをバスの影から横断しなければならない。
交通量はそこそこあるので、けっして安全とは言えない。
どうせなら、広いバス操車場がある「東水分」で乗り換えさせればいいのに。
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