摩耶ケーブル乗りつぶしの旅 その2
投稿日 : 2013年08月08日
1
トレッキングコースの登り口から住宅街を5分ほど歩いて摩耶ケーブル駅にやってきた。
2
駅には発車間際の「ゆめあじさい」号。
車内は家族連れとカップルで満員だ。
これから花火と夜景を見物しに上がるのだろう。
ケーブルカーとロープウェイで構成されるまやビューラインは一般財団法人神戸すまいまちづくり公社が運営する第三セクター路線だ。
今年の春、ケーブルカーの車両がリニューアルして三代目となった。
架線が廃止されて車内電源は充電式となり、景色をより楽しめるようになったのだそうだ。
3
わたしはひとまずケーブルカーには乗らず、神戸の中心街へ向かうことにする。
乗り込んだのはみなと観光バス株式会社が運行する「坂バス」というコミュニティバスだ。
車両は日野ポンチョ。
鉄道でもバスでも乗用車でも、わたしはこういうコンパクトな車両の方が好きだ。
旅客機もそうだな。大きなジェット機よりもサーブやボンバルディアのターボプロップ機に乗るのが好きだ。
小さい方が車体や機体の挙動を感じ取れてワクワクする。
でも船だけは別。外洋の波にもまれる漁船になんて二度と乗りたくない。
4
坂バスを「水道筋口」バス停で降り、10分ほど歩いてやってきたのは灘区にあるアリーズキッチン。
「日本ではここだけ」とうたうギルギットカレーの店。
http://ameblo.jp/emiko-ali/
もっとも「ギルギットカレー」というジャンルがカレー界で広く知られているわけではなくて、店長がパキスタンのギルギットという街からやってきて、その家庭料理を出すってことでギルギットカレーと名付けたようだ。
5
バスマティライスとアンザレッドキドニー(赤インゲンのカレー)を注文してみた。
でかくて平らな皿がランチョンマットの中央に据えられ、ライスボウルとカレーの器がその向こうに並べられた。
むむ?なんか作法がよくわからんぞ?
とりあえず、ライスとカレーをひとすくいずつ大皿の適当なところに盛って、スプーンで混ぜながら食べてみた。
これが正しい食べ方かよくわからんが、まあいいか。
バスマティライスは細長い米で、日本の米のようにモチモチしていない。
単体で食べるとあまり日本人の好みには合わないかもしれない。
いや、この場合は好みに合うかどうかというハナシではなくて、日本人にとって「米とはこういうもの」という固定観念によって、拒絶感をあらわにする人も少なくないに違いない。
余談だが「日本人は白米を炊いただけのご飯をそのまま食べる」とドイツ人に説明すると、不思議な顔をする。
肉に塩こしょうも振らずに焼いただけで食べるのと同じように映るらしい。
ともあれ、わたしにとっては米の種類は問題にならない。
むしろ、カレーにはこういう米を合わせる方が好きだ。
カレーはあまり汁気がなくて、豆きんとんのような食感だ。
ヒーヒー言うほど辛くはないがスパイシーで食が進む。
付け合わせにマンゴーのピクルスを出されたが、これもまたうまい。
うむうむ、これはなかなか面白い。
神戸に来ることがあったらまた来よう。
6
カレー屋を出たのは19:30すぎ。
食後のチャイを飲んでいたら、外でドドーンと花火の音が始まった。
急げばまだ山上から花火を見られるかも。
来た道を戻り、「坂バス」に乗って摩耶ケーブル駅まで戻るが、灘区からでは神戸港の海上で打ち上げられる花火は見えない。
ドーン、ドドーンと夜空に響く音にせき立てられるようにケーブルカーに乗り込んだ。
さすがにこの時間から山上へ行く乗客はわたしだけ。
7
夜のケーブルカーに乗るのは初めてだ。
車窓からの夜景も楽しめるように、室内灯は消して走る。
モスグリーンの「ゆめあじさい」号とすれ違うが真っ暗。
すれ違い線の両脇にはコンクリート製で階段状の構造物が確認できる。
昔はここに途中駅でもあったのだろうか。
8
ケーブルカーの終点は「虹の駅」。
ロープウェイ乗り場までの小道をLEDのイルミネーションが照らす。
もっとギラギラしたいやらしいイルミネーションかと期待していなかったが、なかなか良い雰囲気じゃあないか。
つづく
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