
3.11の時、原発地域ではたくさんの動物たちが
ご主人様と離れ離れになりました。
それでももう一度飼い主と巡り会って引き取られた子もたくさん居ました。
立ち入り禁止の20km圏内には犬や猫の保護シェルターがあり、外を歩く犬猫にご飯をあげ保護しているボランティアがありました。シェルターはすぐにいっぱいになりました。
飼い主さんを探し、返したくても仮設住宅だと引き取れず預けて毎週面会にくる方も多くいました。
3.11から9ヶ月ほどの時、その事を知り仮設住宅で暮らす飼い主さんの代わりにシェルターから預かるため、県をまたいで原発地域に行ったのはクリスマス前。

そこでたくさんの保護猫から出会ったのは、訳有りさんの2匹でした。
赤白は6歳の男の子。噛みグセがあり「ガブリくん」と呼ばれており
三毛猫はとても小さい16歳。エイズキャリアでした。
もちろん他に健康な子も居ましたが…
話を聞くとたまたまこの2匹の飼い主は同じ人で
避妊去勢もせず、外飼…。
保護されるまで半年以上原発地域で生き抜いた2匹。
悩みましたが、シェルター側も「暖かい家庭を」
とのことで、いつか「お返し」するつもりで話を進めると
「飼い主は見つかりましたが、引き取るつもりは無いそうです!」
赤白は「噛み付く、粗相をする、鳴き喚く」三毛猫は「エイズでおばあちゃん」だから、もしまた猫を飼える環境になったら「仔猫を飼う」とのこと。
赤白は撫でようとすると軽く噛んでから耳と首をすくめて怯えました。おそらく…噛んでは殴られていたのだと推測しました。
ユウナの家は、「だからどうした!」的なので
この2匹は引き取ったら返さなくて良いとわかり
クリスマスにお届けしてもらいました(避妊去勢はシェルターで済ませてました)。
3.11を生き抜いて、半年後に保護されて…飼い主を待ち続けて…見捨てられた2匹です。
殴られ、エイズも放置で避妊去勢もせず無責任な命を作り続けた元飼い主は、どんなつもりで子猫を迎えたのか…。
1年半後、エイズキャリアのこは18歳「老衰」でゆっくり眠りました。家庭で暖かく過ごせて少しでも幸せだったかなぁ…そうだといいな…
赤白は、10年たって今はうちのボスです。
噛んでも誰も殴らないと理解してくれるまで
8年かかりました。粗相も夜鳴きも9年してました。
「しつけ」として「話し合い」はしたけれど…
この子は噛んでから「殴られるか」愛情を試してるようでした。
軽く耳を噛み返したり(笑)頭をグリグリしたりはしたけれど…愛情を込めてです。
赤白は両前足の脱臼の過去もありました…
だから抱っこも気を付けてしています。
考えたくないけど無理やり引っ張られたのかと。
身体が大きく体重もある子なので。

今は3WDが親友です♪とっても仲良し。
噛むこともほとんど無くなりました。
「愛情を試す」必要ないってわかってくれたのかな
原発地域のシェルターでは、3.11当時の孫や子孫の保護が増えていると聞きました。
まだ、現地では「3.11は過去ではない」のです。
この子達を引き取った時は過去最高の8匹が家にいました。大変だったけど幸せをたくさんくれました。
赤白は最近大人しくなってきて…ちょっと寂しいけれど「その時」が来るまで噛まれようが
うっとおしいほど愛してあげたいと思ってます
Posted at 2022/02/06 09:34:37 | |
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